※R-1ぐらんぷり2020

R-1ぐらんぷり2020】(約3800字)
※過去記事

脱稿 2020年4月5日
公開 2022年10月1日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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お待たせしました。今年もR-1について書く。
R-1はM-1キングオブコントと比べるとレベルがアレだし注目度もアレだし視聴率もアレなのでコメントを一言二言書いて終わろうかと思ったのだが、意外と私の記事に熟読者がいることが判明したので、ちゃんと書くことにした。さらに、今回もちょっとしたおまけがあります。

 

 

 

〈総括〉
やはりレベルがアレ。無観客ということもあり恐らく会場は凍りついていたであろう(無観客という状況を生んだコロナについて書くと、それだけで3000字ぐらいになっちゃうので割愛する)。あ、ちなみに、R-1の審査員はアレなので審査員の採点をどうこう言うつもりはありません。また、様々な言葉を「アレ」で代用している理由についても特に意味はありません。

 

 

 

 


~Aブロック~

メルヘン須長SNS事件簿」 44
やはり沢口靖子ネタで来た。声色を多少変えるなどモノマネには多少の工夫が見られるが、中身が面白くない。何よりSNSあるあるが普通。あれだけ溜めて言うくせに言ってることは普通なのである。ただ、最後の「質問箱をやってる人はバカ」が真理をついていたのでちょっと加点した。

 

守谷日和「取り調べ」 36
落語チックのネタ。落語風の芝居は悪くないのだが、いかんせん面白くない。芸達者だが面白くないというのは致命的な欠点である。肝心の落語パートで笑うところがたいして無いし、オチも想像できるものだったので、点数は低め。1つ評価するとしたら、重要亭参考人は好き。

 

SAKURAI「伝えたいこと」 53
歌ネタ。急に歌が始まり徐々にシステムが分かっていく構造。途中から考え出すが絶対当たらない内容となっている。エンタの神様に呼ばれそうだな~と思ってたら本当に出てた。

 

野田クリスタル「太ももが鉄のように硬い男」 65
自作のゲームを使った一人コント。なんとなく陣内がやりそうな展開だが、野田の場合は陣内ほどツッコミ気質ではないため、ツッコミのキレの部分が陣内より多少劣る。ちなみに、「勇者ああああ」というテレ東系列のゲーム番組で野田の自作ゲームを見たことがあるため、私にとっては新鮮味は薄かった。

 

 

Aブロック勝者 野田クリスタル

 

 

 

 


~Bブロック~

ルシファー吉岡「飲みかけの缶コーヒー」 25
毎年決勝に来ては天地がひっくり返っても上位進出の可能性がないネタを披露し、そして当然のように敗退していくルシファーだが、今回はいつにも増してつまらない。毎回切り取る場面はそこまで悪くないのだが、それを面白くする技術が圧倒的に足りていない。ネタのパターンも飽きてきたため、この程度のクオリティならもう決勝で見るのはやめにしていただきたい。

 

ななまがり森下「乳首隠せない男」 7
キャッチコピーが「令和のちょいヤバ芸人」だったが、どうやらガチヤバ芸人だったようだ。とても「芸」と呼べるものではなく、私にはただの悪ふざけにしか見えなかった。乳首を隠せないからキャーというのも意味が分からないし、どちらかというとキャーはこっちのセリフだ。本当に客が居なくて良かった。私が一番許せないのが、イライラ棒の要領で紙を使って右乳首を隠そうとしたときに、もう片方の乳首が隠れていたことである。右乳首だけ隠せないならまだしも両乳首隠せない設定なのであればあれは根本的なミスである。自分のネタの設定すら守れないようならこんなのをやらないでほしい。この歯姫に関しては点数はどうでもよかったのだが、「ななまがり」ということで7点とした。

 

パーパーほしのディスコ「隠してること」 26
パーパーの2人ネタを1人でやる感じ。はっきり言ってしまえば2人でやった方が面白いので、このネタを1人でやる意味があるのかは甚だ疑問。面白さより切なさが勝ってしまい、ネタとして成り立っているかも微妙なところ。

 

すゑひろがりず南條「今昔またぎ」 46
古風な言い回しはすゑひろがりずの十八番だが、このネタに関しては言い回しの面白さを活かせていない気がする。鼓の出番も少なく、いろいろと惜しいところがあるこのネタだが、低レベルなBブロックの中では一番マシであることは言うまでもない。

 

 

Bブロック勝者 すゑひろがりず南條

 

 

 

 


~Cブロック~

ヒューマン中村「メッセージを受信」 64
ネタ自体は悪くないが、審査員の票が入らなかったのはNHKへの忖度がはたらいているからだとは思う。審査員も一応芸能人なので多少はNHKに配慮せざるをえなかったのだろう。その点でこのネタはR-1の決勝向きではなく、劇場で好き勝手にやるものである。また、ヒューマン中村の最高は2012,13年辺りのフリップ芸にあるので、そこを超えない限り優勝はないだろう。余談だが、500ルピアが17円ということは受信料として請求されている3000ルピアは102円ということになる。……全然払えるな。

 

おいでやす小田「脅しの口調」 28
ここ2年はそれなりのネタを作ってきていたが、今年はダメだ。ら行を巻き舌で言うというシステムなのだが、聞き取りにくいし芸人と見る側とのテンションがあまりにも釣り合っていない。強調しすぎると面白くなくなるといういい例である。ネタの趣旨は変わるが、ら行だけでなく他の行も工夫した言い方をすれば(例えばさ行を諸見里風に言う、など)、面白くなるかは別として、多少はしつこくないネタになったかもしれない。

 

ワタリ119「超高速フリップ」 67
笑った。意外と良かった。パンサー尾形やサンシャイン池崎のような、どちらかというとスベり芸に近いイメージがあり、勢いだけのネタをすると予想していたが、思いの外しっかりしたネタだった。途中急にフリップの数字が増えたように思ったのだが、よく見ると防災ブックの1ページずつをフリップの枚数にカウントしているようだ(53~113)。余談だが、家を晒された八代隊長はかわいそうだが、特になしと言われた小山隊長はもっとかわいそうである。

 

大谷健太「早口言葉」 66
いわゆる言葉遊び系のネタ。後半にペースを上げてネタ中のワードを組み合わせて畳みかけるような展開になっている。実際に言ってみると分かるが、早口言葉風の文章は意外と普通に言える。

 

 

Cブロック勝者 大谷健太

 

 

 

 


~ファイナルステージ~

野田クリスタル「ストッキング姉さん」 55
2本目も自作ゲームネタ。比べてしまうと1本目の方が良かった。

 

すゑひろがりず南條「またぎ・ザ・ベストテン」 65
やってることは同じで、1本目の歌バージョンといったところだが、2本目の方がだいぶ面白かった。

 

大谷健太「2コマまんが」 63
所々意味不明なフリップがあるが、その意味不明さが笑いには繋がらなかった。勿体ない。

 

 

優勝 野田クリスタル

 

 

 

最後は芸人や審査員に振って時間をつないでいたが、出演者一人一人に振るあたり最後は本当に時間が余っていたのだろう。そもそも何でそんなに余った?

 

 

 

 


〈おまけ R-1で勝つ方法とは〉
R-1ぐらんぷりを(多分)2007年から観ている私が、R-1で勝つ方法について考えてみたい。
R-1でのネタには、なだぎ武やまもとまさみ・マツモトクラブなどの一人コント、三浦マイルド粗品ヒューマン中村などのフリップ芸、あべこうじ濱田祐太郎などの漫談、そしてハリウッドザコシショウアキラ100%などの独自のスタイルを突き進むタイプ、など、いくつかのパターンがあり、正攻法は特にない。ただひたすら面白いものを作れば良いのだが、ひとり芸の場合は“何を面白いと思うか”が、人によって大きく違うため、これといった攻略法はないのが現状である。
そこで私がこの数週間で考えたのが、
「自分+音声で表現したもう一人」
でやるコントである。例えば、

 

演者「昨日の夜まで何も無かったのに急にハンバーガー屋出来てるな。興奮してきたな。早速入ってみよう。」

(音声)「いらっしゃいませこんにちはいらっしゃいませこんにちはいらっしゃいませこんにちは~」

演者「ブックオフか。1回でいいんだよ1回で。」

(音声)「こちらでお召し上がりですか?」

演者「いや、持って帰るよ。」

(音声)「ソルトレイクで。」

演者「テイクアウトだよ。何で何年か前の冬季オリンピックなんだよ。」

        (出典:サンドウィッチマン)

 

といった感じである(うろ覚えだがこんな感じだったと思う)。声は2人分だが、舞台に立っているのは1人で、その1人がそこにいるであろう見えない人物に話しかけるというシュールな絵面だが、これなら漫才と同じテンポで笑いがとれるはず。しかし、最強と思われるこの方法にも欠点はある。それは反則スレスレなことである。というか多分反則だなこれは……。

 

                おわり。

 

 

 

 


~今だから言えること~
この翌年からのルール変更が波乱を巻き起こすことを、視聴者も芸人たちもまだ知らない。それにしてもななまがり森下の7点って笑っちゃうな。妥当すぎて。