カープ解説2023

カープ解説2023 ~5年ぶりAクラス~】
               (約35500字)

公開 2024年3月21日

 

 

 

 


流石に遅すぎるとか言ってた去年より公開が遅い。今回も「去年」と「今年」と「来年」の記述がややこしくなってしまった。2023年の年末ぐらいの感じで読んでいただけたらと思う。

 

 

 

目次
・シーズン振り返り
・成績で振り返る2023
 (チーム編・投手編・打線編・守備編・走塁編)
・神試合ベストナイン
・新井政権1年目を終えて
・来季展望
・コラム(人的補償・CS・ピッチクロック)
・お悔やみ
・全試合メモ

 

 

 

 

 

 

 

◎シーズン振り返り

 今季も圧倒的最下位予想から始まった。野球ファンも解説者も軒並み6位ばかり。上位に予想したのは広島OB以外だと里崎のみだった。一方、私はAクラス予想。これは逆張りでもなんでもなく、全球団の戦力を冷静に分析した結果、Aクラス争いは確実にできるだろうと判断し、期待を込めて3位に予想したのである。去年の最下位予想は仕方がないと思うが、今年最下位に予想されるのはどう考えても意味が分からない。

 そんなこんなで始まった今シーズン。オープン戦では最下位に沈んでもいつものことなので特に気にすることもなく。開幕4連敗と躓いたがすぐに借金を返し、その後は勝率5割付近をウロウロしていた。

 そして苦手な交流戦に突入するのだが、その結果はなんと勝率5割。近年はなぜかチームが(どんなに好調でも)絶不調に陥り、大幅に負け越すのがお約束となっていた交流戦を、日程の都合上相手の表ローテとばかり当たる中で5割で切り抜けたのは広島にとっては拍手喝采レベルであり、結果的には様々なところで言われていた「広島は交流戦5割勝てればAクラス」が証明された。

 とはいえ、過去3回の交流戦は明らかに実力以上に負けていた。セリーグに5割以上勝てるチームがパリーグに3割も勝てないというあり得ない状態が続いていて、そんなオカルトがいつまでも続くわけがないし、実力をきちんと発揮できればこれぐらいはやれるだろうと思っていたので、5割勝ったことへの驚きは正直無い。

 交流戦後は貯金5付近をウロウロし、7月に10連勝を飾り下旬には一気に首位に立った。しかしその直後の阪神との直接対決で勝てず、2位に転落。夏場以降に主力野手の離脱が増えるが、8月中旬頃からデビ堂林末包の右の大砲トリオの活躍により苦手な左腕も打てるようになったことでなんとか乗り切った。

 それでも阪神との差は一向に縮まらず、阪神の試合がない日に5戦5敗するなど戦力が劣る広島は徐々に力尽きていき、9月上旬の甲子園では3連敗。調子を上げたDeNAに抜かれそうになるも2位でシーズンを終えた。

 

 5年ぶりの出場となったCSでは、1stステージでDeNAと対戦。解説者が揃いも揃って戦力はDeの方が上でDe優勢かみたいな一体どこに目え付けてんだみたいな記事ばかり出すので非常に不愉快で腹立たしかった反面、え?さすがに勝つよな…?Deに負けるなんてことあるか…?と若干不安にもなっていた。

 そんなDeNAとの試合を2戦2勝で無事に勝ち上がり、Finalステージで阪神と対戦したがコテンパンにやられた。全試合先制点を奪うなどリードしたタイミングはあったが、阪神にとって「負けそう」と思った瞬間は一秒たりとも無かっただろう。

 

 

 

 

 

 

 

◎成績で振り返る2023

・チーム編
2位 74勝65敗4分 .532 打率.246④
得点493⑤ 本塁打96④ 盗塁78②
失点508⑤ 防御率3.20④ 失策82⑤
ホーム勝率  .629(44勝26敗2分)
ビジター勝率 .435(30勝39敗2分)
安打数1165④ 二塁打197④ 三塁打18③
出塁率.304⑤ 長打率.357④ 併殺打115①
犠打成功率89%① 犠飛20⑥ 四球349⑤
代打打率.257① 得点圏.256③ QS率52%⑤
先発防御率3.24⑤ 救援防御率3.14③
被安打1187④ 被本塁打109③ 与四球400④

盗塁以外は決して良い数字とはいえず、全体的に4位か5位のものばかり。それでも2位になれたのは、リリーフ陣の踏ん張りが大きいだろう。中継ぎが強いと僅差の試合で勝ちきれるため、見た目以上に勝てることが多い。実際今年の広島は得失点差がマイナスでも9つ勝ち越している。逆に中継ぎが弱点だと、勝てそうな試合をひっくり返されることが多くなるため、びっくりするほど逆転負けする(20,21年の広島とか23年の巨人とか)。

 

 

セ・リーグ順位表
1阪神  85勝53敗5分 .616   ―
2広島  74勝65敗4分 .532 11.5
3DeNA   74勝66敗3分 .529  0.5
4巨人  71勝70敗2分 .504  3.5
5ヤクルト  57勝83敗3分 .407 13.5
6中日  56勝82敗5分 .406  0.0

セ・リーグ順位表(交流戦抜き)
1阪神  78勝43敗4分 .645   ―
2広島  65勝56敗4分 .537 13.0
3DeNA   63勝59敗3分 .516  2.5
4巨人  60勝63敗2分 .488  3.5
5ヤクルト  50勝72敗3分 .410  9.5
6中日  49勝72敗4分 .405  0.5

基本的に交流戦を抜くと順位が入れ替わっていたのだが(主に広島が交流戦で負けまくるせい)、今年は変化なし。

 

 

月間成績        打率 防御率
3・4月  12勝12敗    .241 2.78
5月   13勝11敗    .248 3.34
6月   14勝  9敗    .259 3.39
7月   13勝  8敗1分 .242 2.34
8月   13勝11敗3分 .239 3.70
9・10月  9勝14敗    .250 3.54

6月と7月の勝ち越しが大きかった。6月はともかく、7月は10連勝があった割には勝ち越しが5にとどまる。9月の6連敗の影響が大きく、9・10月は唯一の月間負け越し。

 

 

チーム別対戦成績    打率 防御率
阪神    9勝15敗1分 .241 3.49
DeNA   14勝10敗1分 .251 2.83
巨人  17勝  8敗     .261 3.09
ヤクルト  13勝11敗1分 .259 3.61
中日  12勝12敗1分 .226 2.58
交流戦   9勝  9敗     .238 3.87

巨人に対しては2勝1敗を繰り返して圧倒し、DeNAにも有利に戦えた。対ヤクルトはマツダで11勝1敗(その1敗も最終戦)なのに神宮で2勝10敗。内弁慶にも程がある。阪神には歯が立たず。阪神は先発・リリーフ・打線・守備・走塁と広島の完全上位互換のチーム(恐らく広島の戦力の五角形を一回り大きくしたら阪神になるだろう)なので、普通に戦えば勝ち目はないし、何かこちらから仕掛けてそれが成功しないとなかなか勝てない。広島は明確な長所もないが明確な短所もないバランス型のチームゆえに、DeNAの守備走塁、巨人の中継ぎと明らかな弱点を持つチームには強いようである。

 

 

 

 


・先発投手編

床田寛樹   24登板23先発17QS
2.19 11勝7敗   156回    86奪三振

九里亜蓮   26登板   16QS
2.53   8勝8敗 174.1回 129奪三振

森下暢仁   20登板   15QS
3.01   9勝6敗 131.2回   94奪三振

大瀬良大地  23登板   11QS
3.61 6勝11敗 129.2回 103奪三振

森翔平    12登板10先発  3QS
4.53   4勝2敗   51.2回    38奪三振

玉村昇悟     9登板      2QS
4.96   3勝1敗   45.1回    44奪三振

遠藤淳志     8登板      2QS
4.39   1勝5敗  41回  22奪三振

コルニエル    8登板      4QS
5.10   1勝4敗   42.1回    23奪三振

野村祐輔     6登板      2QS
1.16   1勝1敗  31回  14奪三振

 

 今季ついに床田が自身初の二桁勝利&規定投球回を達成しキャリアハイを更新。球団の日本人左腕が10勝するのは2001年の高橋建以来22年ぶりだ。テンポのいい投球で序盤から勝ち星を重ね、シーズン通して安定感抜群のピッチングを披露した。防御率もリーグ3位の数字。夏場に骨折で離脱した昨年の雪辱を果たした。

 そして最も奮闘したのが九里だろう。投球回は12球団で1位。2023年で最も多くのアウトを奪った投手となった。3完封も自己最多で、交流戦でも防御率0.86と安定していた。多彩な球種を操るのが九里の特徴だが、今年はそれぞれの質がかなり良くなったと思う。大きな故障もなく長いイニングを投げる鉄腕ぶりもチームとしては非常に助かる存在だ。

 森下は手術明けということもあり、初登板は5月だったが、試合を作る能力はやはり高く、QS率75%はチームトップ。前半戦は防御率1.68と好成績。ストレートの威力は1年目のときに近くなっていたような気がした。しかし、手術の影響に加えて疲れが出たのか、後半戦の防御率は4.83に悪化した。

 大瀬良は自己ワーストの11敗を喫する苦しいシーズンとなったが、数字はそこまで悪くなく、被打率.239は床田や森下よりも低い。そして打線の援護が極端に少なかった。援護率1.94は12球団ワースト。無援護が話題となった中日の柳でさえ1.99なのだから、大瀬良の援護率の低さは相当なレベルである。先ほど数字は悪くないと書いたが、失点の仕方はめちゃくちゃ悪い。追い込んだのに変化球がど真ん中に入って痛打されるとか、よーいどんで2失点とか、この回を投げたら・このピンチを抑えたら交代という場面で踏ん張れないとか、もったいない失点ばかりが目立った。とはいえ、打線の援護があれば勝ち負けが2~3個ひっくり返ってもおかしくなかった。CSでは7回被安打3自責0の意地の投球。投手陣のリーダー的存在としてまだまだ終わるわけにはいかない。

 そんな大瀬良でも、ローテの4番手としては充分な成績であり、それに続く投手がいないのは大きな課題だ。

 森は中盤以降ローテ入りしたが、先発10試合で50.1回というのは寂しい。6回以降も投げてもらいたいが5回の内容をみると限界っぽいしそろそろ捉えられそうだから…といった感じで5回で降板というのが多い。本拠地で2.86と安定していた一方、ビジターでの防御率は7.94となっており、これも改善すべき点だ。

 玉村と遠藤は開幕ローテ入りも1か月で脱落。玉村は巨人から全3勝を挙げ、対戦防御率も2.33だったが、それ以外はぱっとせず。遠藤は好投した試合もあるが、序盤から打ち込まれることも多かった。そして2人とも被弾が多く、玉村は被本塁打9で年間28被弾ペース、遠藤は被本塁打7で年間24被弾ペースだった。

 今年から本格的に先発に転向したコルニエルは最初数試合は勝ちこそ付かなかったが非常に良い内容だった。150kmを超えるツーシームを主体に、スライダーなどの変化球もしっかりと操れていた。しかし、なぜか突如崩れて4失点・5失点するようになっていき、先発ローテ定着とはならず。

 野村は6試合に先発し防御率は1.16。四球もほとんどなく、多彩な変化球を両コーナーに投げ分ける投球術が光った。ただ、長くても6回、100球どころか80球で交代となると一年通しての活躍は厳しいだろう。他に黒原が3試合に先発し、10.2回で12三振を奪ったものの防御率は10点台。2軍では好成績を残したが、1軍では全く通用しなかった。

 打撃面では床田が打率.275を記録。11安打のうち二塁打が4本と野手顔負けの成績を残した。森下は今季プロ1号となる決勝3ランを放ち、九里は連続無安打を74打席でなんとか止めた。大瀬良が今季30打数無安打に終わったのは意外だった。球団の投手では16年ぶりとなる盗塁を決めたことでも話題を呼んだ。

 

 

 

 


・リリーフ投手編

ケムナ誠   24登板
3.71 2勝0敗  3HP     26.2回 25奪三振

戸根千明   24登板
4.64 1勝0敗  6HP     21.1回 11奪三振

アンダーソン 21登板6先発
2.20 4勝1敗  3HP    45回   39奪三振

中﨑翔太   35登板
2.73 1勝0敗  8HP    33回   24奪三振

大道温貴   48登板
2.72 3勝1敗13HP     49.2回 49奪三振

ターリー   44登板
1.74 7勝1敗29HP  1S 41.1回 42奪三振

矢崎拓也   54登板
2.81 4勝2敗14HP24S 51.1回 38奪三振

島内颯太郎  62登板
2.31 3勝3敗42HP  2S 58.1回 64奪三振

栗林良吏   55登板
2.92 3勝7敗18HP18S 52.1回 51奪三振

 

 今シーズン、リリーフは過去数年と比べてかなり安定していたと思う。事実、6回終了時にリードしていたら勝率は9割を超えていた。しかし、開幕直後に深刻な問題が発生していた。それが抑えの栗林の不調である。

 WBC日本代表メンバーに選出されたが、1次ラウンド終了後に腰の怪我で離脱(トレーナーの施術が原因との説あり)。なんとか開幕には間に合わせたが、好不調の波が激しく4月中に4敗し自身初の2軍降格。以前の栗林ならストレート1本で待っている相手にストレートを投げても打ち取れていた。そんな栗林のストレートがポンポン弾き返されるのだから本来の状態からは程遠いことが分かるだろう。復帰後もしばらくは調子が戻らず、6月にも2敗し、楽天戦でも被弾。防御率は7.47まで悪化していた。しかし、その次の西武戦から内容がよくなり始める。フォーム変更が功を奏し、球威・制球ともに良化。フォークは本調子ではなかったが、カーブとカットの制球は抜群で、直球も自己最速を更新し進化して戻ってきた。8月頭から9月中旬にかけては17試合連続無失点を記録するなど、終わってみれば交流戦後は防御率1.01とほぼ完璧な内容。防御率も2点台まで戻し、序盤の不調込みでも奪三振率8.77の被打率.228と悪くない数字である。

 先述のトレーナー問題がもし事実なのであれば、代表に選手を派遣するのを躊躇う原因にもなる。3月の欧州代表との強化試合の侍ジャパンメンバーにも栗林は選ばれているが、そのことでWBCの件がよぎったカープファンは多いだろう。あれ以降続報が何もないため、報道が本当なのか、施術に問題はなかったのか、そのトレーナーは今後も代表チームに帯同するのか、などは全く分からない。NPBはこの件について明らかに説明が足りないし、他球団の選手にも影響が及ぶ可能性がある以上、そんなこともあったね~で済ませていい話ではない。全容が明らかにされることをいち野球ファンとして願っている。(これを報じたのがNumberなので、文春新潮金曜ゲンダイ女性あたりの低俗四流ゴシップ誌よりは信憑性があると思うのだが……)

 栗林の不振時にチームを救ったのが矢崎。5月から代理クローザーに就任すると、いい意味での図太さ・ふてぶてしさで抑えのポジションにピタリとはまり、チームトップの24セーブ。得点圏被打率.184が示すように、ピンチでも動じず粘り強さを発揮した。この2年で矢崎のメンタル面がこんなに強化されるとは。8月中旬に4戦連続失点で2敗を喫するが、それまではフル回転でブルペンを支えた。

 ターリーの活躍も大きかった。キャンプやオープン戦の段階で前年より明らかに内容が良くなっていたので今年のターリーにはかなり期待していた。前半戦はピンチは作られても得点は許さない投球で勝ちパターンの一角として投げ、オールスターにも選出。後半戦10試合で0.00と好投していた中での離脱はもったいなかったが、チーム2位の29HPを挙げた。本拠地での防御率が0.79と圧倒的なのに被打率は.278と高い。何故。逆によくこの被打率でこの防御率になったな。阪神相手に6試合投げて6イニング無失点の7奪三振、被安打1で被打率.056の好成績を残していることから、CSでの対阪神の切り札になると思っていたが、なぜか1試合も出番がなかった。シーズン終了後には自由契約となり、楽天が獲得を発表した。

 大道はリリーフとして飛躍したシーズンに。5月のハマスタで6失点したときはどうなるかと思ったが徐々に本来の投球を取り戻し、交流戦後に限れば防御率1.54。奪三振率8.88が示すように三振を奪う能力が高く、CSではピンチでの火消しも任された。

 そして今年のリリーフ陣の最大の功労者となった島内。今年のチームのMVPといってもいいだろう。無理にコースを狙わず、ストライクゾーンで勝負するスタイルを確立。その結果四球が激減し、変化球の精度も向上した。今年の登板で本人が転機になったと語っていたのが5月2日のDeNA戦である。ピンチで登板し四球を与えたが2三振を奪う好救援。その四球も審判が厳しかっただけで本来なら三振である。観ている方としてもこの試合が「今年の島内だいぶ良いのでは…?」と思い始めるきっかけになった。その後はリード時の8回に定着。6月末から8月中旬には18試合連続無失点も記録した。9月頭の3試合で7失点(シーズンの自責点が15なので失点のほぼ半分がこの3試合)し休養もかねて抹消され、復帰後は9戦無失点と再び安定した投球を見せた。最終的には球団史上初となる最優秀中継ぎのタイトルを獲得。イニングを上回る三振を奪い、奪三振率は9.87。得点圏での被打率も.222とピンチでもしっかりと抑えた。活躍した翌年にリセットされる傾向のある島内だが、さすがに来年は大丈夫だよね?

 ではここからはその他のリリーフ陣を。

 ケムナは前半戦1.71ながら後半戦は制球を乱し4試合で7失点。現役ドラフトで加入した戸根は序盤はそれなりに戦力になった。21回で16四球を与えたように、やはり制球力が課題。対右.209・対左.317と意外にも対左打者の方が悪かった。アンダーソンは開幕は先発として迎えたが、安定感がなく負傷を機に2軍へ。中継ぎ転向後は15試合で防御率1.23と安定。三振を奪う能力が高く、被打率も.192と悪くないが、怪我が多くて戦力になれる時期が短いことが響き、退団となった。中﨑は復活のシーズンとなった。新たにフォークを使い始めたことで空振りが取れるように。投球テンポも良くなり、きっちり3人で抑えることも多かった。今季の被打率が.210で得点圏被打率が.370というのは、中﨑のイメージからすれば逆の印象を受ける。

 河野は12.1回で6被弾、規定だと70本ペース。ホームラン打たれすぎ。益田は8試合11回で1.64。直球には威力があり、制球も安定していた。アドゥワは夏場に戻ってきてからは7試合で1.93。8/27の試合は延長戦で残りの投手がアドゥワしかいないという状況で最後の2イニングを投げ、チームを救った。森浦は今季は全く戦力にならず。11.2回で12四球と全く制球が定まらなかった。松本はストレートの質が向上し開幕当初は勝ちパターン入り。4月までに8ホールドを挙げるが、5月の東京ドームでの試合で爆発炎上。見ていて士気が下がるような独り相撲の投球で、それ以降1軍に上がることはなかった。

 

 

 

 


・打撃編

1 二 菊池涼介    120試合
 .258(442-114)   5本 27打点 OPS.641

2 右 野間峻祥    108試合
 .286(371-106)   0本 26打点 OPS.672

3 中 秋山翔吾    115試合
 .274(434-119)   4本 38打点 OPS.709

4 左 西川龍馬    109試合
 .305(416-127)   9本 56打点 OPS.760

5 捕 坂倉将吾    120試合
 .266(395-105) 12本 44打点 OPS.757

6 三 デビッドソン  112試合
 .210(348-73)   19本 44打点 OPS.698

7 一 堂林翔太    100試合
 .273(260-71)   12本 35打点 OPS.784

8 遊 小園海斗      80試合
 .286(290-83)  6本 31打点 OPS.749

會澤翼  54試合  .172(116-20)   1本  10打点
上本崇司 84試合  .259(247-64)   1本  17打点
田中広輔  111試合  .228(224-51)   6本  28打点
マクブルーム   70試合  .221(226-50)   6本  31打点
矢野雅哉 93試合  .185(119-22)   0本 3打点
末包昇大 65試合  .273(139-38) 11本  27打点
松山竜平 79試合  .252(143-36)   0本  27打点

 

 菊池は序盤好調だったことから1番に入り、そのまま終盤まで1番打者での出場が多かった。毎年チャンスに強い印象があるが、今年の得点圏打率は.224と珍しく低く、そのせいか打点も少なかった。

 新たな一面を見せたのが野間。主に2番を務め、チームトップの出塁率.351をマークしたように出塁能力が上がった一方で、長打は減ってしまった。それでも、得点圏では.348とよく打った。ボールに喰らい付き、粘って粘って三遊間を破るという場面が多く見られた。得点圏での野間がこんなに頼もしい存在になるとは。本拠地で.337と高打率を残したが、ビジターでは.237だった。

 秋山は序盤に打線を引っ張った。広角に打ち分けて安打を量産し、5月までは.358。しかし6月以降は.209とブレーキに。大きく調子を落としたのが気になるところだが、もし打撃不振がシーズン後に手術した膝の影響だとしたら、来年以降も打撃面で期待できるはずだ。

 西川はマクブルームの不振により4番に座ると、常に3割を超える安定した打撃でチームに貢献した。2度の離脱があったがギリギリ規定打席にも到達。DeNA戦で.414、巨人・阪神・ヤクルトにも3割前後の打率を残したが、中日には.189と苦戦した。オフにはFA権を行使し、オリックスへ移籍。周囲への気配りや立ち回りの上手さによって快く送り出されたという印象だ。主力選手のFAの中でこれほどまでに波風の立たない移籍があっただろうか。

 坂倉は唯一シーズン通して試合に出場したが、本来の実力を考えると物足りない数字だ。捕手復帰1年目ということもあり、負担が増えたのは仕方ないのだが、最低でも2割8分は打ってほしいところ。ヤクルト戦に強く、対戦打率は.382だった。

 デビッドソンは7月に.278、8月に9本塁打で適応したかと思いきや9月に再び失速。チームトップの本塁打を放ったが退団となった。巨人戦に滅法強く、半分近い9本を巨人戦で放った。

 堂林は後半戦の打率が.309と好調で、特に8月には.371の5本と活躍。シーズン終盤には4番も務めた。左投手に対して打率.343の好成績。

 小園は序盤から大不振に陥った。打率.053で早々に2軍降格。7月に復帰すると打撃も守備も見違えるようになり、打率は7月.260→8月.275→9・10月.365とどんどん上昇。再昇格以降の打率は.303だった。得点圏打率も.352を記録しチャンスで頼りになった。毎年春先不調になる小園だが、昨年までと比べて明らかに打席の内容が良くなっているため、来年は大丈夫だと思いたい。

 會澤は三塁線を破る2点二塁打や上手く当ててセンター前に落とすタイムリー、ハマスタでの決勝犠飛など印象的な一打はあるが、打率は.172と低迷した。

 上本は複数ポジションを守りながらチーム事情により4番も任され、バントに進塁打にタイムリーと上本なりの4番像で貢献。この2年で完全にチームに欠かせない選手となった。打率は昨年には及ばなかったが、得点圏では.315、代打でも15打数ながら.467と高い勝負強さを発揮した。

 田中は3年ぶりに100試合出場を果たし復活。交流戦では.325と好調。走者を置いた場面での効果的な本塁打も多く、CSでは代打で決勝打を放った。新人の頃は下位打線でそれなりに長打を放っており、そこから出塁型にシフトチェンジしていったイメージなので、復活というよりは原点回帰という方が近いかもしれない。

 マクブルームは4番として期待されたが、全く調子が上がらず、低空飛行が続いた。最大の原因は、昨年と比べて空振りが大幅に増えたこと。外に逃げる変化球も昨年なら平然と見送っていたコースにバットが止まらないというのが目立った。左投手に対しても.214と打てず。

 矢野は守備力を武器に出場機会を増やしたが、課題の打撃面では結果を残せず、特にチャンスの場面で打ったヒットは1本のみだった。

 末包はシーズン中盤からスタメンに定着。得点圏で.343と勝負強く、OPS.862はチームトップの数値。後半戦だけで10発放ち、自慢の長打力を見せつけた。巨人戦で.344の6本とこちらもキラーぶりを発揮した。

 松山は今年もチャンスに強く、得点圏.310。本拠地でも.340。代打での勝負強さは驚異的で、50打数19安打の打率.380。代打打率と代打打点21はリーグトップだった。逆にスタメン出場時だと.178とシナシナに。今季は試合展開によって終盤のチャンスだけでなく中盤までの代打出場も多かったが、そこでも結果を残した。

 林は看板を直撃する特大アーチを放ったもののそれ以降は快音響かず。韮澤は打率こそ低いが大勢に3-2、バウアーに3-3、他は東と青柳から1安打と意外な大物キラーの才能が(?)。終盤には田村が1軍デビューし、投球を受けて骨折で離脱するまで10試合で.364の高打率を残した。

 

 

 

 


・守備編

失策82
デビ11 小園9 上本8 田中7 矢野6
野間マク林5 秋山4 堂林坂倉菊池3

 

 失策はリーグ5位。守備が堅くなった阪神が最多失策で優勝しているため、数だけをみてどうこう言うつもりはない。
 そもそも、最も内野守備が難しい球場を本拠地にしているため、失策の数が増えるのはもうしょうがない。純粋な守備力なら12球団でもかなり上の方だと思っている。ビジターの球場で守備が乱れることも少ないし、特にエスコンフィールドで行われた日本ハム戦は人工芝の先輩として格の違いを見せつけ3連勝。守備で勝った3試合だった。お互いの守備が逆なら3連敗していたかもしれない。

 今シーズンから坂倉が捕手に復帰した。序盤はとんでもないパスボールもあったが、後半はキャッチング能力も向上し、そういった場面も減った。リードも悪くなく、捕手復帰1年目はひとまず成功と言えるだろう。

 上に挙げた選手の中で、断トツで出場数が少ないのが林。20試合5失策で年間30失策ペースぐらいだろうか。これではレギュラーとして使うにはかなり厳しい。例えばロッテの安田。主軸として起用されているが、シーズン成績はだいたい.240の9本ぐらい。これぐらいの成績ならある程度試合に出られさえすれば林も残せると思っている。ではなぜ安田は使われて林は使われないかというと、安田は守備が上手く、林は下手だから。守備が良いから多少打てない時期があっても我慢して使われるのであり、逆にある程度の守備力がないと、いくら打撃の貢献度が高くてもレギュラーとして試合に出ることはできない。今の林がスタメンで使われるには守備を鍛える方が近道だと思うのだが、どうだろうか。

 

 今回ゴールデングラブ賞が広島からは受賞者なしとなり、これは2007年以来16年ぶりのことらしい。確かに栗原・マエケン・菊池・丸・誠也など誰かしらは受賞していたイメージ。惜しかったのが菊池と秋山。菊池は3票差、秋山は4票差で受賞を逃した。菊池に関しては、今年も好プレーを連発しており試合数が若干少ないとはいえ十分受賞に値すると思っていたのだが、優勝&日本一&フルイニングに負けるなら仕方ないかな。

 個人的に投手部門は床田を推していた。フィールディングがうまく、失策が1あるものの補殺数と併殺数はリーグ最多だった。

 

〈こぼれ話〉
内野の守備固めが全員ショートというのが何度かあった(一塁・田中、二塁・上本、三塁・小園、遊撃・矢野)。外野の守備固め全員ショートもあった(左翼・上本、中堅・矢野、右翼・曽根)。

 

 

 

 


・走塁編

盗塁78
羽月14 上本小園秋山8 菊池矢野西川7
野間5 大盛4 坂倉3 田中2

盗塁死50
田中堂林羽月西川野間6 菊池5 小園4

盗塁貯金 羽月8  矢野7  上本6  秋山5

 

 積極的に走らせる方針に戻したこともあって、盗塁数は球団史上最小だった昨年の26から大幅に増え、78に。阪神と1個差の2位にまで浮上した。そして羽月がチーム待望の代走の切り札となった。特筆すべきは大勢から無安打で追いついた5月13日の試合。初球からスタートを切り盗塁成功。犠打と内野ゴロで1点をもぎ取った。去年ならあそこで走れる選手はいなかったし走る指示も出さなかったと思う。これも首脳陣刷新効果だろう。

 ただ、やはり多いのが盗塁死。他5球団が20~29の間に収まっているのに対して、広島のそれは50。一括りに盗塁死といっても、2死から出塁し次が長打が見込めない打者の場合に盗塁して失敗するのと誘い出されて牽制でアウトになるのとではチームに与えるダメージも違うし、一・三塁での一塁走者の盗塁と1点差の緊迫した場面での盗塁とでは決めやすさも違う。だから盗塁死の多さがチャンスを潰しまくっていることや流れを悪くしていることに直結するわけではないが、企図数が多いことも多少は影響しているとはいえ、成功率だと下に2球団いるとはいえ、さすがに50は多すぎるので、最低でも失敗数と同じぐらいの貯金を作ることを目標にして改善すべき。

 ちなみに、三盗だとチームで7回試みて全て成功。特に上本は4回中4回成功している。CSの羽月もそうだけど、三盗がチームの武器になってきた感じはあるね。

 

 

 

 

 

 

 

◎神試合ベストナイン

     4/15 広島5x-4ヤクルト
     ヤクルト 000 202 000   4
     広島 010 100 102x 5
1点ビハインドで迎えた9回、二死から堂林がストレートの四球を選び、続く秋山が初球を捉え逆方向へ逆転サヨナラ2ラン。

 

     5/2 DeNA1-6広島
     広島   010 000 005 6
     DeNA 000 001 000 1
同点の9回、先頭の菊池が二塁打。野間が送って一死三塁とし、秋山の内野安打で勝ち越し。マクブルームと西川も安打で続き、坂倉が満塁ホームラン。

 

     5/12 巨人4-9広島
     広島 000 100 101 6 9
     巨人 000 002 010 1 4
9回代打韮澤が二塁打を放ち、代打松山が同点タイムリー。延長10回マクブルームの四球と西川の安打で一・三塁の好機を作り、坂倉が勝ち越し打。その後満塁とすると矢野が押し出しを選び、菊池が満塁弾。

 

     6/28 広島6-2DeNA
     DeNA 010 100 000 2
     広島   020 030 10X 6
2回にデビッドソンの2ランで逆転。追いつかれるが5回に森下にプロ1号となる3ランが飛び出しリードを奪う。7回には秋山のタイムリーで加点。森下は投げても7回2失点の好投。

 

     7/15 DeNA1-2広島
     広島   000 000 002 2
     DeNA 000 001 000 1
大瀬良は7回を2安打1失点にまとめる。9回一死から坂倉がソロを放ち、土壇場で同点に。そしてデビッドソンの二塁打、小園の内野安打、末包敬遠で満塁とすると、代打會澤が決勝犠飛

 

     8/4 広島4x-3巨人
     巨人 003 000 000   3
     広島 020 000 002x 4
2回にデビッドソンの2ランで先制するが3回に逆転を許す。1点を追う9回、菊池と野間の連打で一・二塁とし、秋山の犠打野選で無死満塁に。上本は9球粘って外野フライに倒れるが、小園が初球を振り抜き同点タイムリー、続く好機で代打松山も初球を叩いて適時打を放ちサヨナラ勝ち。

 

     8/29 巨人4-5広島
     広島 000 011 030 5
     巨人 000 003 100 4
小園の二塁打に相手エラーが絡み先制。デビッドソンもソロを放ち2点を先行する。その後逆転されるが、8回に2つの四球で二死一・二塁のチャンスを作ると、代打末包が5階席へ運ぶ特大の逆転3ラン。

 

     9/5 広島6x-5DeNA
     DeNA 000 100 031 0   5
     広島   000 220 001 1x 6
坂倉と菊池のタイムリーなどでリードを奪うも島内が同点3ラン被弾。9回には矢崎が勝ち越しを許すがその裏二死三塁から野間の適時打で追いつく。延長10回二死から曽根と矢野が四球で出塁し、堂林の中前打で曽根が激走ホームイン。リプレー検証でも覆らずサヨナラ勝ち。

 

     10/14 広島3x-2DeNA
     DeNA 000 002 000 00   2
     広島   000 001 010 01x 3
6回に床田が2ランを打たれるが、その直後菊池・野間の連打と西川の犠飛で1点返す。8回にデビッドソンが四球で出塁し、代走に羽月を送る。矢野が犠打を決め一死二塁とすると、羽月が隙を突き三盗を決め、菊池のスクイズで同点に。迎えた延長11回、先頭堂林の二塁打をきっかけに作った二死一・三塁のチャンスで秋山がセンターの頭を越えるサヨナラ打。

 

今年はDeNAと巨人ばかりになった。惜しくも選考漏れとなったのが、

4/16 広7-5ヤ
7/13 巨1-6広
9/14 ヤ5-6広      この3試合かな。

 

 

 

 

 

 

 

◎新井政権1年目を終えて

 新井政権の1年目が終了した。コーチ経験が無い状態でいきなり監督に就任したことが不安視されたが、積極的にコミュニケーションをとり、前向きな言葉でチームを鼓舞し、サヨナラ勝ちで大はしゃぎし、良い意味で選手時代と変わらず新井監督らしさを発揮した結果、下馬評を覆してチームをAクラスに導いた。
 昨年から大きく変わったのがチームのモチベーションだろう。外から見てもチームの雰囲気は確実に良くなっており、その雰囲気の良さが、戦力がほとんど変わっていないのにもかかわらず、5位から2位に順位を上げた要因だろう。そういった意味では、モチベーションの大切さを感じたシーズンだった。
 課題の交流戦も5割で乗り切ったし(とはいっても、角中・岡島・中村晃あたりの毎年打たれてるメンツへの対策は必要だが)、最底辺だったベンチワークも大きく改善された。佐々岡政権よりもベンチが敗因の試合が減ったことで、采配で負けるチームから采配で勝ちを拾えるチームになった。

 問題は選手のマネジメントに関して。これと決めた選手に固執しすぎる傾向があり、大瀬良のローテ入りや秋山の3番フルイニング、4番マクブルームに抑え栗林、など。選手を信じるのは大切なことだが、我慢期間がちょっと長い。
 そしてどこでも島内と矢崎。リード時・同点時は仕方ないが、1点ビハインドの場面での起用もあった。特に後半戦は、アンダーソン・中﨑・益田・アドゥワあたりの調子は悪くなかったのに出番は少なかった。もう少し彼らを信用しても良かったのでは。
 レギュラー陣の休養も少なく、序盤は点差がついた試合でもフル出場させていた。夏場以降に主力野手が離脱しまくったことと無関係ではないだろう。重要な時期に選手を欠いたまま戦うことになった。これらは来シーズン以降の課題だ。

 今年の広島についてよく言われるのが、「上振れ」「出来過ぎ」「運が良かった」などなど。そりゃね、最下位予想が多かったシーズンに2位なんだから、なんなら私の予想順位よりも上だから、そのような意見も理解はできるが、上手くいきすぎてたわけないだろ!
 主力に怪我人続出してるし、後で振り返ってこの年がキャリアハイになりそうなのって誰かいた?可能性があるの島内ぐらいじゃない?開幕前の「この選手はこれぐらいやれそう予想」を上回ったのは島内以外だと大道・中﨑・ターリー、一応矢崎もか?打者に関しては田中ぐらい。あと走塁面で羽月。
 実力以上の力を発揮したシーズンでもないし、すべてがうまく噛み合って上位になったシーズンでもない。上振れなんかじゃなく、"下振れが戻った"だけ。

 確かに広島は戦力がある方ではない。ただ他球団もその広島と大差ないから2位になれたのである。
 広島はなんというかその…舐められがちなので。順位予想でも巨人や阪神のようなしがらみがないため低くされがちだし、広島の選手ってだけで注目度は低くなるし。でもそれぐらい舐められた方が広島らしくてちょうどいいじゃないか。油断してくれたら儲けもの。そういうスタンスでいい。
 そもそも上振れって去年も聞いたぞ。今年も上振れだったならもうちょっと点取ってるわ。

 

 

 

 

 

 

 

◎来季展望

先発  床田九里森下大瀬良ハッチ森常廣
      (野村黒原アドゥワ玉村遠藤コルニエル髙滝田)
リリーフ  中﨑益田大道ハーン矢崎島内栗林
      (森浦ケムナ塹江河野戸根内間赤塚)

打順
1中野間    1遊小園    1中野間
2二菊池    2中野間    2三レイノルズ
3遊小園    3左秋山    3遊小園
4一シャイナー     4一シャイナー     4右末包
5左秋山    5捕坂倉    5左秋山
6三レイノルズ   6三レイノルズ   6一シャイナー
7捕坂倉    7右末包    7捕坂倉
8右末包    8二菊池    8二菊池

代打など
會澤磯村曽根上本田中堂林矢野羽月松山田村
(林韮澤二俣宇草中村健久保中村奨中村貴)

 

 打線は西川が移籍し、マクブルームとデビッドソンが抜けて長打力不足という状況。そのぶんレイノルズとシャイナーにかかる期待は大きい。レイノルズは守備に定評があり、広角に打ち分ける打撃が持ち味だ。マクブルームに近い。内野の様々なポジションを守りながら3割を超える打率を残したシーツのような働きができれば理想的だ。シャイナーは選球眼が悪くなく、打撃フォームに変な癖がない。軸がしっかりしており、こちらはバティスタの打ち方を彷彿とさせる。2人ともぶんぶん振り回すタイプではなさそうなのでまずは第一関門クリア。この2人が一塁と三塁、二遊間に菊池と小園が理想。そこに林や二俣がどこまで絡めるかといったところだろう。矢野も2割5分打てるなら即レギュラーだ。
 外野は野間秋山末包田村の4人で回せれば理想。もちろん堂林が安定して結果を残したり、トリプル中村や久保あたりが覚醒したりで、ハイレベルな競争が起これば言うことなし。

 一方、投手陣。先発は床田九里森下まではローテ確定、大瀬良も手術を受けた肘の状態次第では開幕に間に合いそうだ。新外国人のハッチは球種が豊富で制球力もあり、そこそこやってくれそう。黒原や森、遠藤や玉村、そしてアドゥワの中から誰かはそろそろ先発ローテに定着してほしいところ。常廣は開幕は2軍スタートとなったが、間違いなくシーズン中どこかのタイミングで出番はやってくるだろう。
 リリーフ陣は、勝ちパターンは矢崎島内栗林が基本で、そこに大道とハーンが加わる形か。ハーンは守備とクイックに難があるが、奪三振能力と球威は大きな武器だ。昨シーズンは左の中継ぎがターリーのみという状況だった。サイド転向の塹江や復活を期す森浦が加われば、ブルペンの厚みが増す。

 

 今年の現役ドラフトでは、中村祐太が西武へ移籍し、楽天から内間が来た。
 中村祐太はここ数年で先発もリリーフも若い投手が増えて1軍での出番がなくなってきており、現ドラへの出荷も頷けるのだが、その出荷先は西武。西武は広島以上に投手の駒が揃っているため、今以上に出番はないのでは…?基本的に2軍回しでたまに1軍のロングリリーフで呼ばれるかどうかではないだろうか。
 内間は初めて聞いた投手。球は速いが制球がアバウトとのことで、最近の典型的なカープのピッチャー。ようこそ。すぐ馴染めます。島内・矢崎・大道と似たようなタイプがいるので覚醒のきっかけになれば。

 それにしても広島は西武と楽天とほんと仲良いよね、ここ数年でオリックスもか。で、そんなオリックスから西川の人的補償として日高がやって来た。
 高卒1年目が終わった段階での移籍には驚いたが、オリックスの強力投手陣や、そしてある程度ベテランもプロテクトしていたとの話もあり、日高までは守れなかったのだろう。
 とはいえ、リストから漏れていた若手投手では一番良いピッチャーであることには変わりなく、同期の投手が齋藤から斉藤にはなったが、別のサイトウと切磋琢磨してカープのエースを目指してほしい。西川と日高の移籍がWin-Winとなることを願っている。

 

 なんか盛り上がってるからこの流れで人的補償について緊急コラムやります。

 

 

 

 

 

 

 

◎コラム① 人的補償

(ざっくりまとめ)
山川FAの人的補償で和田が選ばれたとの報道があったが、その日の夕方には甲斐野に変更され、正式に発表された。本当にただの誤報だったのか、それとも球団が和田に配慮して西武側に変更を申し出たのか、真相は闇の中である。その甲斐野も、本来はプロテクトされていたとの説もある。

 

 記事をどこまで信じるかだけど、あれは和田をプロテクトしなかったソフトバンクが悪い。取られたくないならプロテクトすればいい、ただそれだけのことである。それなのに撤廃だルール変更だはひろゆきばりの論点のすり替えでしかない。人的補償のあり方についてどうこう議論する前に和田の件をしっかり検証し再発防止策を講じるのが先ではないか。それで明確なルール違反がある場合に必要であれば何らかのペナルティを与える。そうしてはじめて人的補償問題についての話し合いができるのではないだろうか。今回はこの人的補償制度について考えていこうと思う。

 

 人的補償が存在する最大の理由は戦力均衡のためである。プロ野球が興行である以上、戦力の格差があまりにも大きいのは望ましくない。特定の球団にばかり有力選手が集まり、5連覇10連覇してしまうことは避けたいのである。ドラフト会議を行うのもこの戦力均衡が理由だ。

 今回の騒動では、人的補償の負の面ばかりが注目されているように感じる。例えば、人的補償があることでFA移籍を躊躇う理由になったり、「自分が入団を決めたせいで移籍させてしまった」という思いを抱く原因となったりする。また、A・Bランク選手(所属していた球団内の年俸の順位で1~3位がAランク、4~10位がBランク、そこから下がCランクとなる)に対しては人的補償が発生するが、補償なしで獲得できるCランクや補償ありでも獲得したいAランクと比べると、Bランク選手は争奪戦にならない印象があり、本来Cランク選手よりは一般的に価値が高いはずのBランク選手が不利になってしまう。これも人的補償のせいだろう。

 確かに人的補償は完璧な制度ではないが、落とし所としては決して悪いものではない。FAで獲得した選手があまり活躍しなかったり、人的補償に選ばれた選手が移籍先の球団でブレイクしたりすることはある。しかし、基本的に人的補償側がFA移籍側を超える活躍をすることはほとんどなく、FA選手を獲得した側が損だけをすることはまずない。相手の主力選手を獲得して自チームの29番目の選手を放出するのだからそれも当然のことで、FA獲得側からすればかなりお得な制度である。人的で指名されたということは、自球団からは要らない…とまではいかないけどそれ以上に相手球団から必要とされたということ。これは選手にとってはかなり光栄なことだと考えることもできる。少なくとも以前いた球団よりはチャンスを貰えるだろうし、重宝されるだろう。人的補償は急な移籍だからダメだというけどそれはトレードでも同じでしょ?というかそもそも選手会は移籍を活発にしたいんでしょ?だから現役ドラフトも始めたんでしょ?何度も言うが、戦力均衡を目指してやっているのだから、金持ち球団が補強して優勝して次の世代になったらまた補強して…の繰り返しを避けるためにも、何かしらの補償は絶対に必要なのである。

 だが、それが必ずしも選手による補償でなければならないかといえば、そうではない。ではもし人的補償を撤廃するとして、何かいい代替案はあるのか。最も有力なのがドラフト指名権の譲渡である。メジャーリーグではこれが一般的だ。しかし、メジャーほど選手の移籍が多くなく、ドラフトも完全ウェーバー制ではない日本で、ドラフト指名権の譲渡を行うのは非常に難しい。

 日本のドラフト会議は、1位は全球団同時に指名し、被らなければ確定、被ればくじ引きを行い当たりを引いた球団は確定、残った球団でもう一度同時に1位指名を行い、被ればまたくじ引き。これを繰り返して全球団1位指名が確定すれば2位指名をウェーバー順(下位球団から)で行う。3位指名は逆ウェーバー(上位球団から)で、以下ウェーバーと逆ウェーバーの繰り返しとなる。もしドラフト指名権を譲渡するなら、ドラフト会議は興行という面もあるため、くじ引きに関わる1位は渡しにくく、渡すなら2位や3位となる。Aランクなら2位、Bランクなら3位の譲渡がよいだろうか。しかし、1位ならまだしも、2位や3位指名の選手で補償として釣り合うとは思えないし、完全なウェーバー順ではないため指名タイミングがぐちゃぐちゃになるという問題もある。指名権を渡したとして、FA獲得した球団の枠で指名するのか、1.5巡や2.5巡を作りそこで指名するのか、それにもしFA選手を2人獲得したら?もっと複雑になる。

 また、現在の日程ではドラフト会議の後にFA交渉が始まるため、指名権の譲渡が1年後になる。FA交渉→ドラフトになるよう変える必要がある。これらのことをクリアしてからでないと指名権譲渡制度は行えず、導入するにはかなり問題が多い。

 他には贅沢税の導入という方法もある。選手の年俸の上限を設けて超過した球団に制裁金を課す、というものである。ドラフト指名権と同様にメジャーリーグで行われている。これを改良して、集めた贅沢税を各球団に分配するという制度にする。そしてFA時の補償を金銭のみとし、金額も大幅にアップさせる。これならどうだろうか。確かに選手の移籍が絡まなくなるとシンプルな制度にはなるが、資金力がある球団に対して金銭による制裁というのは効果があるのか疑問だし、戦力均衡のための抑止力になるかと言われると、それはあまり期待できない。さらに、日本のプロ野球では贅沢税を導入するほど年俸格差はなく戦力均衡も崩れていない(あくまでメジャーリーグと比べた場合の話)ため、導入する意味は薄い。

 メジャーのようにFAの仕組み自体を変えて一定年数が経過すれば自動的にFAになるようにするという手もあるが、戦力外にされる選手が増える可能性があるため選手会は賛成しないだろう。

 

 結局のところ、これらを導入するには乗り越えなければならない壁が多く、日本向きの制度でもないことから、現状では人的補償を続けるのが最善だと思う。人的補償に代わる案を考えるよりも、人的補償制度を良くする方向に力を入れるべきだろう。

 そもそも、NPBを経由するなどして第三者が間に入れば今回の騒動は起こらなかったはず。とりあえずはプロテクトリストを相手球団ではなくNPBに提出し、NPBが渡す、というふうに改善してはどうだろうか。あとは、育成契約にして人的補償に選ばれないようにする(プロテクトリストの対象者は支配下登録選手だけなので)という反則ギリギリの手口を防ぐため、育成選手も人的補償の対象とすること。そして何より、出したくない選手をプロテクトリストから外すな、これは基本の基だ。

 

 

 

 

 

 

 

◎コラム② CS

2023年シーズンは阪神オリックスが優勝した。阪神は2位に11.5ゲーム、オリックスは15.5ゲーム差をつけた独走優勝だった。そんな大差での優勝だったこともあり、次のような意見をちらほら目にした。

Q1.大差をつけて優勝したのにCSを開催する必要ある?

Q2.下位チームが日本シリーズに進出したらペナントレースの価値は?

Q3.優勝チームが日本シリーズにもっと進みやすくなるようにルールを改良すれば?

これらの疑問を1つずつ潰していきます。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
CSとは、日本シリーズの出場権をかけて両リーグの上位3チームが争う制度。まず2位と3位が対戦し(ファーストステージ)、勝ち上がった方が優勝チームと対戦する(ファイナルステージ)。ファーストステージは2位チームの本拠地で行われ、2勝すれば勝ち抜け。ファイナルステージは優勝チームの本拠地で行われ、優勝チームには1勝のアドバンテージが与えられる。4勝(優勝チームは実質3勝)すれば勝ち抜け。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

Q1.大差をつけて優勝したのにCSを開催する必要ある?

A1.ある。

続いてQ2.下位チームが…

……冗談です。ちゃんと説明します。

 

 確かに2位に大差をつけての独走優勝だと、実力差もはっきりしているし、わざわさCSやらなくてもいいのではないかと思ってしまう。しかしそれは逆で、むしろ大差がついたときにこそCSは必要なのである。
 CSの最大の目的は消化試合を減らすこと。それが2位や3位に下剋上のチャンスを与えることとイコールになっているだけ。基本的に優勝チームが決まった後は、主力を休ませたり若手にシフトしたりしてチームの戦い方もそれまでとは変わり、何が何でも勝ちにいくようなことは少なくなる。そして観客が減る。
 しかし、CSがあれば2位、3位争いで最後まで盛り上がるし、チームも全力で戦うようになり、観客も減ることはなく優勝が決まった後の閑古鳥状態を防ぐことができる。何よりその分儲かる。
 さらに、CSの収入は本拠地で開催した球団に入るので、いわば2位以上に与えられる臨時収入みたいなもの。この収入分を賄える他の制度がない限りは、これからもCSが廃止になることはないだろう。

 

 

 

Q2.下位チームが日本シリーズ進出したらペナントレースの価値は?

A2.そんなん負ける方が悪いやろ。

 

 143試合戦った結果がたった5試合程度でひっくり返されれば、何のためにペナントレースを戦い優勝を決めたんだという意見も分かる。もちろん優勝したチーム同士で日本シリーズを戦うのが適切だとは思う。だが、それは優勝チームが優勝チームとしてのパフォーマンスを発揮できればの話。CSで下剋上されるぐらいのチームなら所詮その程度のチーム。
 現在のCSは、全試合上位チームの本拠地で開催されるし、1勝のアドバンテージもあるし、引き分けも実質上位側の勝ち扱いになる。さらに、ファーストステージを戦った下位チームは先発2,3枚を消費しているため、ファイナルステージでは優勝チームの先発1番手VS下位チームの3,4番手となり、2試合目は2番手VS4,5番手の組み合わせになるという"隠れアドバンテージ"もある。これだけ優勝チームに有利な条件が揃っているのに負けるなら、それは負ける方が悪いと言わざるを得ない。

 例えば3位DeNAが優勝した広島を破った2017年のCSでは、広島の主力3人が怪我で離脱しており、雨で試合がズレたことにより先述の先発ローテの有利さが消えた。そして広島はシーズン終了から間が空きすぎていて試合勘を取り戻せず、さらにラミレスの采配が当たりまくり緒方の采配がすべて裏目に出た。おまけに審判が敵だった。下剋上はこれだけのことが重なってようやく起こるレベルである。

 ちなみに、両リーグでCSが実施されるようになった2007年から2023年までの17年間のうち、2位・3位チームが勝ち上がったのはセ・パともに3回ずつで、その割合は18%。優勝チームは8割以上日本シリーズに進んでいるし、この2割という数字が絶妙で、丁度いい感じに収まっていると思う。絶対に無理ではないし、かといって頻繁に起こるものでもない。これが例えば3回に1回は下剋上されてますとかならさすがに多いかなと思うけど。

 

 

 

Q3.優勝チームが日本シリーズにもっと進みやすくなるようにルールを改良すれば?

A3.良かれと思った変更でも、優勝チームが損する場合もあるのよ。

 

 よく言われているのが、例えば10ゲーム差がついたらCSを開催せず自動的に日本シリーズ進出にするとか、5ゲーム差ごとに1勝のアドバンテージを追加する(5ゲーム差以上で2勝、10ゲーム差以上で3勝になる)という案。これらの改良によって、一見優勝チームがより進出しやすくなるようにみえる。しかし、そんな単純なものではない。

 10ゲーム差で自動的進出案だと、優勝チームは一切調整なしで日本シリーズを戦うことになり、公式戦終了から日本シリーズまで時間が空きすぎて試合勘が鈍ってしまう。試合から遠ざかると試合に対する感覚が鈍り、短期決戦ではその感覚を取り戻せないまま終わってしまうこともよくある。今でも公式戦終了からCSまでの間に社会人チームと練習試合を組むことが多いけど、これが本当に効果があるかどうかは分からない。片方のリーグではCSを戦ったばっかり、もう片方はCS無しで公式戦から1か月空いてます、そんな2チームが日本シリーズで戦います、こんなのフェアじゃないよね。

 ゲーム差に応じたハンデ案だと、3ゲーム差での優勝なら最短3試合で勝ち上がれるが、10ゲーム差での優勝なら最短1試合で勝ち上がることになる。勝ち上がりやすくなるメリットはあるが、収益が減るデメリットが生まれる。本来は3試合分の収益を得られたのに、1試合で勝利して終わってしまっては、その分損をすることになる。大差をつけて優勝したことが逆にその後の収益を減らしてしまっては、本当に得をする制度とはいえない。

 このように、制度を変えたとして、優勝チームにとって今以上にプラスになるようにするのはなかなか難しいのである。

 

 

 

 で、ここからはちょっと愚痴。

 いやー、CSで甲子園の広島ファンの席少なかったねー。僅か2ブロック。公式戦では4ブロック分あったから半分になった。シーズンで空席が多かったのでビジター席減らされましたなら納得できるんだけど、ちゃんと埋まってたからさ。マツダでのCSではビジターエリアを広くしたのに甲子園は逆に公式戦より狭くしたよね。広島かDeNAか対戦相手が分からないのでとりあえず狭い方に合わせて売りますってか?(実際、DeNA戦のビジター席は公式戦でも2ブロック分だった)。CSだからそのために遠征するファンも公式戦よりは多いだろうし、4ブロックでもDeNAファンも埋めたと思うんだけどな。

 こんなことを言うとマツダスタジアムのビジター席の方が酷いだろという反論が来るんだけど、マツダのビジター席は別にあそこにしか座っちゃいけないわけじゃない。声を上げて応援したい人向けなだけだから。他の球場だってビジターの周りや内野にもビジターファンちらほら居るでしょ?同様にカープ側の応援席も外野上部にあるから"隔離されている"という条件は一緒。なんならビジター席はエリアで言うと内野だからホーム側応援席よりも本塁に近い。

 あとマツダスタジアムでは2009年の開場以来ビジターエリアの全体をビジターファン向けに使ってたんだけど、2018年から試合によっては狭くしたのよ。あれは別にビジターファンを排除したいわけじゃなくて、単にそれまで埋まってなかっただけ。確かにね、その当時がビジター席のチケットを買って通路で立ち見するにわかカープファンの問題行動が話題になったタイミングだったから、ビジター席を返せとかビジターファンに冷たいとか批判が来たし私も多少そう思ってはいる。ただ、狭くした結果、それでも埋まってない試合もそれなりにある。コロナが明けた去年の試合でも、以前よりはマツダのチケットが取りやすくなっても、狭くなったビジターエリアが満員になっているわけではない。だからまずやるべきことは、抗議の電話ではなくビジターファンであそこを埋めることだと思います。

 それで今回、甲子園とマツダの席数を調べました。甲子園は全部で約42600席、そのうちビジター席は2ブロックで775席、4ブロックで1624席。マツダは全部で33000席、そのうちビジター席は狭めた場合で616席、全体で約1670席。

 それぞれの割合は、甲子園ビジター2ブロックが1.82%、4ブロックが3.81%、マツダビジター狭めが1.87%、全体が5.06%でした。本当にビジターに厳しいのはどちらでしょうか?

 文句言いたいわけじゃないですよ。愚痴です愚痴。

 

 

 

 

 

 

 

◎コラム③ ピッチクロック

 ピッチクロックとは、メジャーリーグで試合時間を短縮するために導入された制度である。
 投手はボールを受け取ってから走者がいない場合は15秒、走者がいる場合は20秒以内に投球動作に入らなければならず、違反すると1ボールとなる。一方打者は制限時間の残り8秒前までに打席に入って構えなければならず、違反すると1ストライクとなる。そしてバッテリーはピッチコムという通信機器を使ってサインのやり取りをする、というものだ。ピッチクロックの導入によって、平均試合時間は20~30分ほど短くなり、かなりの時間短縮効果があったようである。これが日本でも導入されるのではないかという話が出ている。私の考えでは、そんなものはいらない。それには大きく2つの理由がある。

 1つ目は、日本にはそこまで必要ではないからである。メジャーリーグの収入の柱となっているのはテレビの放映権料だ。その額は日本の10倍とも言われている。スポーツニュースなどで見るメジャーの試合映像では、スタンドが空席だらけというシーンが多い。それでも経営が成り立っているのは、この莫大な放映権で稼いでいるからだ。だからメジャーでは、テレビで注目を集めることが最優先であり、そのためには3時間を超えるような試合は長いのである。それに対して日本のプロ野球の収入で最も多いのは入場料である。ほとんどの球団が毎試合2~3万人を動員し、それに伴う売店収入やグッズ収入もある。放映権による収入もあるが、その割合はそこまで高くない。しっかり集客できている日本では、アメリカほど時短に必死になる必要はないのである。

 2つ目は、過度な時短は野球の面白さを奪うからである。野球は駆け引きや間を楽しむものだと言われている。野球における独特な緊迫感や息を呑むような雰囲気は、他のスポーツではなかなか味わえないもの。こういった醍醐味はピッチクロックによって全て奪われてしまう。時短自体は悪ではないが、ピッチクロックによる時短は悪だと言ってもいい。もし試合時間を短縮したいのであれば、イニング間のイベントを短くするとか攻守交代をスムーズに行うとか他にやりようはある。時短の方法がピッチクロックである必要はない。
 野球黎明期ならまだしも、日本の野球文化が完全に定着した今となっては、何でもメジャーの真似をすれば上手くいくわけではないし、メジャーのやり方がすべて正しいわけではない。今や日本の野球とメジャーのベースボールは別物といってもいいだろう。ワンポイント禁止、シフト禁止、牽制球制限、これらはすべて時短のためにメジャーで導入されたが、私に言わせればこれらは愚の骨頂だ(特に牽制球制限)。
 確かに試合時間短縮にはメリットもあるが、それ自体が目的になってしまってはいけない。大事なのは何のために時短するかだ。時短を求めた結果、野球がつまらないものになれば意味がないし、試合時間の短縮によって滞在時間が減り、球場内の売店の売上が減少するという問題点もある。ちなみにピッチクロックを導入すれば、選手別応援歌やチャンステーマなどの、トランペットや太鼓を用いた日本の応援文化は間違いなく消滅するだろう。これも世界に誇れる日本野球の文化のはずだ。

 以上のように、今の日本では時短によるメリットよりもデメリットの方が多いと考えられる。試合時間が短くなったとてどうせ興味が無い人は見ないのだから、それよりも野球の面白さを守ることの方が重要だ。
 ピッチクロックの話題になると、時短こそが素晴らしい、時短こそが最高、みたいな考えの時短促進派がどこからか湧いてくる。そいつらが決まって言うのが、世界の標準に合わせないと日本の野球が取り残される…的なこと。それの何がいけないのか。別に間違ったことをしている訳ではないのに。練習中に水飲むなとか後輩は先輩の奴隷だとか、そういう前時代的な悪しき慣習ならば改善しなければならないが、これはそういう話ではない。
 我々は野球が見たいのであって、時短が見たいのではない。「日本は日本の野球をする」でいいじゃないか。ピッチクロックも、そしてDHも、世界の主流でも導入しないという選択肢があっていいじゃないか。世界に合わせることも大事だけど、日本の文化も同じぐらい大事である。明らかに間違っている事柄ではないのなら、世界標準との違いを嘆く前に、日本の野球ならではのことを誇るべきなのではないだろうか。今のプロ野球を愛している人を大切にしてほしい。という、一ファンの意見でした。

 

 

〈野球の試合が長いことについて〉
 長いのには同意する。だが、テコ入れするほど長いか、長すぎるか、と言われればそこまでではない。他の競技だとせいぜい2時間ぐらいなので、それと比べると野球の試合は長く感じるだろう。長すぎると感じるなら以下のように考え方を変えてみることをお勧めする。

 野球の良いところは、長いゆえに手を抜いて観られるところだと個人的には思っている。サッカーやラグビー、バスケだと試合時間中ずっと画面を見て行ったり来たりするボールを追う必要があるが、野球は別に最初の1球から最後の1球までずっと張り付いて見なくてもよい。
 野球には、注目して見る"アクセル"の部分と手を抜いて見てもよい"ブレーキ"の部分がある。野球の競技の特徴として、ピッチャーが投げる→バッターが対応する→キャッチャーが捕球する→投手に返球するという一連の流れがある。極端な話、丁度投げるタイミングだけ見られればよい。ピッチャーが投げてストライクかボールになる、またはピッチャーが投げてバッターが打って野手が打球を処理する、この瞬間だけ見ることができればよい。慣れてくるとこのタイミングが習得できる。ゲームをしながらとか、スマホで文章を書きながらでも、そのときだけ顔を上げて試合を観る"ながら見"ができるようになる。
 他にも、終盤に訪れたピンチ、逆転やサヨナラのチャンスなどは1球たりとも目を離せない場面だが、それに対して、下位打線やピッチャーから始まる打順だと、試合が動く確率は低く(もちろん0ではない)、このタイミングで別の番組にチャンネルを回しても良いだろう。途中で風呂にも入れるしちょっと外出もできる。ずっと注目して見る必要はないというのも野球の良さである。

 

 

 

 

 

 

 

◎お悔やみ
今年で戦力外となった者たちに向けて。

薮田和樹
2017年には15勝を挙げてチームの優勝に大きく貢献。その後は年に数試合ほど登板機会はあったが基本的に制球が定まらず戦力になれなかった。

一岡竜司
三連覇時代にはリリーフとしてフル回転。最も成功した人的補償選手といえるだろう。

行木俊
直球が武器だったと記憶しているが怪我の影響もあり結果を残せなかった。

中村来生
改めて成績を見るとそもそもほとんど投げてない。中村姓が中村祐太と合わせて2人減ることに。

三好匠
三遊間の守備はガチ。2020年の開幕戦のファインプレーは今でも忘れられない。これからはコーチとしてチームの守備を頼む。

木下元秀
長打力が魅力のロマン砲オリックスでも頑張ってほしい。

 

他に、アンダーソン、ターリー、マクブルーム、デビッドソンが退団となった。4名とも、からっきしダメだったわけではないので、退団の寂しさは大きい。特にマクブルームは今後数年間活躍してくれると思ってて個人的にかなり期待してたんだけどな。

 

 

 

 

 

 

 

◎全試合メモ

 

001 03/31 ヤ4-0広 ● 大瀬良
無得点に終わり2年ぶりの開幕戦敗北、5年連
続の開幕投手となった大瀬良は開幕戦初黒星

002 04/01 ヤ1-0広 ● 床田
島内が決勝ソロを浴びる、打線は6回無失点と
好投した床田を援護できず2試合連続無得点

003 04/02 ヤ3-2広 ● 玉村
秋山タイムリーで今季初得点、デビがチーム
1号、野間の後逸&悪送球(清水建設)が決勝点

004 04/04 広4-5神 ● 九里
九里が6与四球4失点、坂倉の1号2ランとデビ
犠飛で終盤に追いつくが栗林が失点し惜敗

005 04/06 広3-0神 〇 遠藤
遠藤が5回無失点、秋山が先制打、デビ2ラン
で追加点、雨天コールドで新井監督初勝利

006 04/07 広4-2巨 〇 大瀬良
西川タイムリーとデビ犠飛で逆転、堂林が初
打席でソロHR、大瀬良粘りの6回2失点で1勝

007 04/08 広6-3巨 〇 床田
床田が8回途中3失点で今季初白星、デビ先制
ソロ、マック適時二塁打、秋山2点三塁打

008 04/09 広4-2巨 〇 玉村
秋山同点打、マック勝ち越し犠飛、デビ&田中
もソロHR、7回途中1失点の玉村が今季初勝利

009 04/11 中1-4広 〇 九里
4回にマック西川連続適時打で先制、9回には
秋山が2点三塁打、九里が8回無失点で1勝目

010 04/12 中5-2広 ● 遠藤
西川の2点打で先制するが遠藤・アドゥワが2本
塁打を浴び逆転負け、打線は5回以降1安打

011 04/14 広1-0ヤ 〇 大瀬良
野間の適時打で先制し8回途中降雨コールド勝
ち、大瀬良が6回無失点8奪三振の力投で2勝目

012 04/15 広5x-4ヤ 〇 床田
9回裏二死から堂林が四球で出塁し、続く秋山
が逆転サヨナラ2ラン、戸根が移籍後初勝利

013 04/16 広7-5ヤ 〇 玉村
玉村初回5失点、6回田中同点満塁弾、7回小園
三塁打とマックの犠飛で勝ち越し逆転勝利

014 04/18 神2x-1広 ● 九里
9回表にマックの適時二塁打で均衡を破るが、
その裏栗林が中野に打たれ逆転サヨナラ負け

015 04/19 神6-1広 ● 遠藤
遠藤6回途中3失点、黒原崩れ3失点、打線は
上本のタイムリーのみ、投打ともに振るわず

016 04/20 神5-7広 〇 アンダーソン
アンダーソンが乱調で2回4失点降板、5回に代打松
山が通算500打点となる走者一掃の逆転打

017 04/21 広0-1De ● コルニエル
プロ初先発となったコルニエルが今永と堂々
の投げ合いを見せるも8回に四球から力尽きる

018 04/22 広3-0De 〇 床田
西川の2ランなどで3点をリード、松本が無死
満塁を併殺で凌ぐ、7回無失点の床田が2勝目

019 04/23 広3-4De ● 玉村
7回に逆転するが8回に追いつかれ9回に栗林が
決勝打浴びて3敗目、菊池とマックが今季1号

020 04/26 広3-6中 ● 大瀬良
大瀬良4回3失点降板、戸根も2失点、菊池秋山
がタイムリー、西川がホームランで気を吐く

021 04/27 広3x-2中 〇 九里
菊池が通算1500安打を達成し5安打を放つ活
躍、延長12回裏に韮澤の押し出し四球で決着

022 04/28 巨5-4広 ● 遠藤
3点を追う9回表に松山と菊池のタイムリーで
大勢を追い詰めるも秋山・マックが連続三振

023 04/29 巨4x-3広 ● コルニエル
栗林が二死から岡本に四球を与え中田にサヨ
ナラ2ラン打たれる、菊池が芸術的グラブトス

024 04/30 巨4-11広 〇 アンダーソン
2点リードの6回に秋山2点打とマック3ランで
突き放す、上本秋山磯村ソロで計4HR11得点

025 05/02 De1-6広 〇 床田
9回に秋山の内野安打で勝ち越し、坂倉が試合
を決める満塁アーチ、島内も見事な火消し

026 05/03 De4-1広 ● 九里
初登板のバウアーに対して7安打を浴びせるが
決定打を欠き初勝利を許す、デビがソロ放つ

027 05/04 De3x-2広  ● 森下
森下復帰登板で好投、序盤の2点リードを追い
つかれる、宮﨑の打球が風に乗りサヨナラHR

028 05/05 広0-5神 ● 遠藤
遠藤が3回4失点KO、粘れず二死から2本塁打
浴びる、打線は沈黙し5回以降無安打に終わる

029 05/09 中0-1広 〇 床田
岐阜県の大学出身者が岐阜での試合で躍動、
床田7回無失点、野間が決勝打、菊池も3安打

030 05/10 中0-4広 〇 九里
無死満塁からマック適時打西川犠飛で先制、
野間タイムリーで加点、九里が3年ぶりの完封

031 05/11 中2-3広 〇 コルニエル
2点を先制されるがマック&坂倉タイムリーで
同点、延長11回代打松山決勝打、松本プロ初S

032 05/12 巨4-9広 〇 大瀬良
松山が連夜の殊勲打で追いつく、延長10回坂
倉勝ち越し打矢野押し出し菊池グラスラ

033 05/13 巨5x-4広 ● 森下
野間羽月秋山松山で大勢から無安打で同点に、
12回に勝ち越すが松本大乱調でサヨナラ負け

034 05/14 巨2-7広 〇 アンダーソン
アンダーソン7回1安打無失点の快投、マック満塁弾
デビ2安打1打点、最後はターリーが締める

035 05/16 De5-7広 〇 床田
2回で7得点しバウアーを攻略、なんとか逃げ
切り床田が無傷の4連勝、秋山NPB1500安打

036 05/17 De7-4広 ● 九里
好投の九里が8回に崩れ逆転負け、牧に先制2
ランと逆転3ラン喰らう、打線は追加点取れず

037 05/18 De13-3広 ● コルニエル
コル4回5失点KO、代わった大道・塹江も打ち
込まれ13失点17被安打9与四死球で大敗

038 05/19 神7-10広 〇 玉村
青柳から7得点するが5点差を追いつかれる、
松山が先制打と決勝打の適時打2本を放つ活躍

039 05/20 神1x-0広 ● 森下
森下が好投するも9回二死からピンチを招き森
下にサヨナラ打浴びる、打線も援護できず

040 05/21 神1-4広 ● アンダーソン
アンダーソン5回途中負傷降板、大道が好リリーフ、
林のタイムリーで追い上げるが突き放される

041 05/23 広1-3中 ● 大瀬良
林が看板に当てる特大の一発を放ち先制する
も大瀬良力尽き逆転負け、中村貴が初ヒット

042 05/24 広6-2中 〇 九里
初回に西川と坂倉の2ランなどで5点を先制、
中村貴適時打でプロ初打点、九里が7回1失点

043 05/25 広2-8中 ● コルニエル
コル5回に崩れ一挙5失点、中﨑も林の2失策で
走者を背負い3ラン浴びる、打線は繋がり欠く

044 05/26 広6-4ヤ 〇 黒原
坂倉先制打田中3ランなどで3回までに6得点、
黒原プロ初先発し4回途中3失点も6三振を奪う

045 05/27 広4-1ヤ 〇 森下
森下7回無失点で1勝目、7回西川先制打、8
回菊池適時打代打坂倉ダメ押し2点二塁打

046 05/28 広3-1ヤ 〇 アンダーソン
菊池先頭打者本塁打、5回には上本が2点三塁
打、アンダーソン7回1失点で3勝目、対ヤクルト6連勝

 

047 05/30 オ4-0広 ● 大瀬良
大瀬良7回2失点も相手が悪かった、山本由伸
に8回を2安打無失点に封じられ対オリ13連敗

048 05/31 オ1-3広 〇 九里
7回秋山3ランで先制、九里7回1失点に島内・
矢崎完璧リリーフでオリックス戦6年ぶり勝利

049 06/01 オ9-2広 ● コルニエル
コル5回途中4失点降板、中継ぎも打たれ大敗、
打線は元気なく山下に6回1失点に抑えられる

050 06/02 広1-5ソ ● 床田
床田6回3失点、戸根2失点、打線は8安打を放
ったが繋がりを欠きマックのソロHRのみ

051 06/03 広4-2ソ 〇 森下
森下7回0封&2安打&見事なスクイズも決める、
9回矢崎乱調も島内が凌ぎ対SB4年ぶり勝利

052 06/04 広2-3ソ ● アンダーソン
アンダーソン5回無安打投球も緊急降板、栗林が集
中打を浴び5敗目、打線は好機に一本が出ず

053 06/06 日2-3広 〇 大瀬良
大瀬良粘り6回2失点、8回西川が宮西から同点
打、代打松山勝ち越し打、栗林がプロ初勝利

054 06/07 日0-1広 〇 九里
九里7回無失点で5勝目、坂倉決勝ソロ、9回裏
矢野&韮澤ファインプレーなど内野の好守光る

055 06/08 日2-7広 〇 コルニエル
コル先発初勝利、野間タイムリーに失策が絡
み走者一掃、矢野好守&好走塁、田中3ラン

056 06/09 ロ2-3広 〇 床田
3回西川&秋山タイムリーで先制し、7回にも西
川が追加点、床田が8回1失点で5勝目を挙げる

057 06/10 ロ5x-4広 ● 森下
7回西川・秋山のタイムリーで逆転するが8回に
失点し同点、9回栗林がサヨナラ打たれ6敗目

058 06/11 ロ6-5広 ● 黒原
朗希から羽月が粘りの一打、終盤に1点差まで
追い上げるが惜しくも益田劇場攻略ならず

059 06/13 広3-6楽 ● 大瀬良
大瀬良が突如崩れ5失点炎上、打線は楽天リリ
ーフ陣の前に1安打、3フィート誤審にも泣く

060 06/14 広4x-3楽 〇 九里
9回矢崎が同点を許した直後、野間が松井から
一塁ベースを直撃する0フィートサヨナラ打

061 06/15 広7-11楽 ● コルニエル
コル2回5失点降板、松山菊池上本のタイムリ
ーなどで0-6から逆転するも島内打たれ再逆転

062 06/16 広2-0西 〇 床田
末包&堂林2者連続ホームランで先制、床田が
9回を5安打に抑えて北別府に捧ぐ完封勝利

063 06/17 広6-4西 〇 森下
森下6回2失点、矢野パルプンテ発動スクイズ
空振り振り逃げ、田中2二塁打3打点&好守も

064 06/18 広4-11西 ● 河野
河野プロ初先発も5回5失点、中継ぎ陣も打ち
込まれ4本の2ランを浴びるなど11失点で大敗

 

065 06/23 広3-5巨 ● 九里
九里7回3失点、森浦自滅2失点、大勢から坂
倉がソロを放ちその後も好機を作るが及ばず

066 06/24 広3-1巨 〇 大瀬良
大瀬良が7回3安打無失点で2か月ぶり白星、矢
崎10セーブ、堂林先制ソロに西川末包適時打

067 06/25 広3-2巨 〇 森
森5回2失点で今季初勝利、デビ先制2ラン田中
イムリー、大道栗林島内矢崎無失点リレー

068 06/27 広3-2De 〇 床田
床田7回2失点力投、菊池二塁打野間犠打から
の秋山内野ゴロ&犠飛で2得点、坂倉適時打

069 06/28 広6-2De 〇 森下
森下7回2失点にプロ1号が決勝3ラン、デビ2
ラン&秋山タイムリー、ジェット風船が復活

070 06/29 広5-3De 〇 野村
野村今季初登板で6回3安打無失点、西川先制
打、同点直後坂倉と田中の一打で勝ち越し

071 06/30 ヤ0-8広 〇 九里
九里今季2度目完封、5安打無四球で二塁踏ま
せず、坂倉菊池HR、秋山坂倉田中デビ適時打

072 07/01 ヤ3-2広 ● 大瀬良
大瀬良初回3ラン被弾もその後は5回まで完全
投球、堂林適時打で1点差に迫るが後が続かず

073 07/02 ヤ4-2広 ● 森
上本タイムリーで先制するが森が3ラン浴びて
プロ初黒星、9回西川の打球が好守に阻まれる

074 07/04 広9-1神 〇 床田
床田7回1失点、西川先制打&田中3ランで初回
5得点、坂倉適時打、西川は3ランも放ち5打点

075 07/05 広0-2神 ● 森下
またまたまたまた大竹に抑えられ三塁すら踏
めず完封負け、西川が猛打賞で一人気を吐く

076 07/06 広4-0神 〇 野村
野村6回3安打0封で1年ぶり白星、小園1号2ラ
ン、西川技あり適時打、8回泥臭く追加点

077 07/07 中8-0広 ● 九里
九里が5回7失点炎上、打線も3安打3併殺と完
全に沈黙、小笠原に手も足も出ず完封を許す

078 07/08 中5-1広 ● 大瀬良
大瀬良7回3失点で7敗目、ターリーも2失点、
打線は9安打放ったが松山の適時二塁打のみ

079 07/09 中2-3広 〇 森
3回西川先制3ランの後追加点ならずも栗林中
﨑島内矢崎で逃げ切る、森が5回1失点で2勝目

080 07/11 巨4-0広 ● 床田
床田ソロ3発浴び5回3失点で2敗目、打線は好
機に1本出ず今季9度目零封負け、西川が離脱

081 07/12 巨0-2広 〇 森下
森下が序盤のピンチを切り抜け今季初完封、
野手陣も4併殺を奪う、小園決勝2ラン&好守

082 07/13 巨1-6広 〇 九里
延長11回坂倉2点打&堂林走者一掃二塁打で一
挙5得点、中継ぎ6人無失点リレー、大道1勝目

083 07/15 De1-2広 〇 大瀬良
大瀬良と今永の壮絶な投手戦、9回坂倉同点ソ
ロ、デビ2BHから満塁とし代打會澤決勝犠飛

084 07/16 De2-3広 〇 野村
野村5回無失点、デビ2ラン、4番菊池猛打賞、
相手ミスから野間決勝打、矢崎がピンチ凌ぐ

085 07/17 De1-2広 〇 床田
床田7回途中1失点で8勝目、打っても2安打2
得点、矢崎3戦連続1点差セーブ、対De6連勝

 

086 07/22 広5-3中 〇 森下
森下二塁打からの野間が決勝打、大盛デビ2点
打&上本4番で2安打、森下8回3失点、貯金10

087 07/23 広3-1中 〇 大瀬良
大瀬良7回1失点4勝目、秋山先制打、代打松山
犠飛、矢野適時打、栗林3か月ぶり8セーブ目

088 07/25 広6-3ヤ 〇 九里
九里6回3失点、ターリー島内矢崎完璧リレー、秋
山上本デビが攻守で活躍、小園も適時打2本

089 07/26 広5-3ヤ 〇 森
森が5回3失点で3勝目、末包先制打&逆転3ラ
ン、坂倉ソロ、栗林初の危険球退場、矢崎20S

090 07/27 広4-1ヤ 〇 床田
床田8回途中1失点9勝目、會澤が先制打と勝ち
越し打、堂林ダメ押し2点打、4年ぶり10連勝

091 07/28 神7-2広 ● 野村
小園野間の適時打で逆転するが小園野間の失
策で再逆転、ケムナ四球連発4失点、連勝stop

092 07/29 神2-2広 △ 森下
森下緊急降板も中継ぎ無失点リレー、小園が
同点打2本、5時間近い試合は今季初引き分け

093 07/30 神4-2広 ● 大瀬良
大瀬良が被弾し6回4失点で8敗目、スタメン復
帰の菊池と代打會澤タイムリー、後続打てず

094 08/01 広3-5De ● 九里
九里7回途中2失点、栗林が救援失敗で2失点、
菊池先頭打者初球弾、堂林と小園が適時打

095 08/02 広4-2De 〇 森
上本先制打、8回代打松山と小園適時打で貴重
な追加点、森が6回1失点で4勝目&プロ初打点

096 08/03 広0-0De △ 床田
床田9回無失点、矢崎島内栗林完全投球、打線
もバウアー打てず延長12回3時間20分ドロー

097 08/04 広4x-3巨 〇 野村
1点を追う9回、菊池野間の連打と秋山の野選
で満塁とし小園が同点打、松山がサヨナラ打

098 08/05 広7-3巨 〇 玉村
玉村が7回2失点で2勝目、デビ2戦連発先制2
ラン、坂倉と小園適時打、田中ダメ押し2ラン

099 08/06 広0-13巨 ● 大瀬良
投手陣全員失点で18被安打5被弾大敗、打線は
良い所無く4安打無得点、攻撃無しのピースナイター

100 08/08 ヤ5-4広 ● 九里
序盤の3点を守れず逆転負け、投手陣が8四球
の乱調、西川復帰即適時打、坂倉3年連続10号

101 08/09 ヤ11-5広 ● 森
森が満塁弾浴び4回8失点炎上、打線は12安打
放ったが5点止まり、西川坂倉2者連続アーチ

102 08/10 ヤ13-3広 ● 床田
床田滅多打ち7失点、18被安打で大敗、10安
打3点、大盛2ラン、益田初登板で2回完全投球

103 08/11 中3-3広 △ 野村
野村5回3失点、中継ぎ7投手無失点、堂林同
点弾前の盗塁と延長12回満塁での球審に疑問

104 08/12 中3-2広 ● 森下
森下初回3失点も7回まで熱投、打線は不運で3
安打、小園追撃2ラン、菊池が1500試合出場

105 08/13 中2x-1広 ● 遠藤
柳にノーノー喰らうがRマルから堂林ソロHR、その
裏矢崎が2者連発でサヨナラ負け、遠藤7回0封

106 08/15 広7-5神 〇 大瀬良
大瀬良5失点も小園2ランなどで追い上げ、デ
ビ同点ソロ、小園西川連続適時打で勝ち越し

107 08/16 広3-5神 ● 九里
九里5回4失点、1点ビハインドで勝ちパ総動員も
及ばず阪神に優勝M点灯、大竹からは3点奪う

108 08/17 広6-0神 〇 床田
床田今季2度目の完封で自身初10勝、打っても
適時二塁打の活躍、矢野菊池の再三の好守も

109 08/18 広4-5巨 ● 森
菊池野間西川で3点先行し森も5回2失点、しか
し島内が同点とされ、矢崎が勝ち越しを許す

110 08/19 広6-3巨 〇 森下
森下8回3失点で7勝目、末包先制打&ソロ、野
間西川適時打にデビHR、栗林3年連続2桁セーブ

111 08/20 広7-5巨 〇 玉村
デビと末包が連日のHR、堂林も3ラン、アンダー
ソン中﨑栗林で逃げ切る、玉村は巨人戦3戦3勝

112 08/22 De0-5広 〇 九里
九里が今季3度目の完封で2か月ぶり7勝目、西
川先制2点打、堂林が右へ左へ2打席連続HR

113 08/23 De2-5広 〇 大瀬良
大瀬良5回2失点で5勝目、田中の押し出し四球
で勝ち越し、西川松山連続フェン直で追加点

114 08/24 De3-1広 ● 床田
相手投手陣を攻略できず5安打、デビのタイム
リーの1得点のみ、床田が5回3失点で4敗目

115 08/25 広4x-3ヤ 〇 森
9回無死満塁から坂倉が犠飛を放ちノーヒット
でサヨナラ勝ち、森は自己最長7回途中3失点

116 08/26 広7-6ヤ 〇 森下
末包と野間が2点打、デビ本拠地4戦連発&来日
初1試合2発、クソ球審ニモ負ケズ4点差逆転勝利

117 08/27 広7-7ヤ △ 黒原
坂倉打と末包弾で初回6点も黒原森浦計7失点、
堂林同点打&アドゥワ2回0封、全選手出場5h超え

118 08/29 巨4-5広 〇 九里
代打末包が特大の逆転3ラン、デビまたもHR、
復帰の矢崎が23S、アドゥワ1勝、自力V復活

119 08/30 巨1-2広 〇 大瀬良
西川先制二塁打、末包3戦連発ソロで追加点、
大瀬良は菊池の美技もあり6回無失点で6勝目

120 08/31 巨2-0広 ● 床田
菊池の猛打賞をはじめ10安打放つがチャンス
生かせず無得点、床田は7回2失点ながら自責0

121 09/01 広3-5中 ● 玉村
玉村5回3失点、小園ソロや堂林適時打などで
追いつくが島内が2失点、再び自力優勝消滅

122 09/02 広3-1中 〇 森下
末包先制打、代打松山の犠飛とデビの適時二
塁打で加点、森下不調も粘って9回1失点完投

123 09/03 広0-3中 ● 九里
中4日で先発した九里が5回1失点、島内痛恨2
失点、今季12度目完封負け、好機で痛い三振

124 09/05 広6x-5De 〇 森
森6回1失点も島内矢崎打たれる、9回野間同点
打、10回堂林中前打で曽根激走サヨナラ勝ち

125 09/06 広4x-3De 〇 大瀬良
6回代打會澤2点二塁打&小園同点適時三塁打
延長11回デビサヨナラHR、益田がプロ初勝利

126 09/07 広1-3De ● 遠藤
遠藤7回4安打2失点も5敗目、8安打放ったが
末包ソロのみ、誤審+リクエスト拒否で先制を許す

127 09/08 神4-1広 ● 床田
床田ソロ2発打たれ5回3失点降板、代打松山適
二塁打で1点返すのがやっと、投打守で完敗

128 09/09 神5-1広 ● 森下
森下が集中打浴び5回5失点、田中の適時打の
みの1得点に抑えられ良いところ無く2連敗

129 09/10 神5-1広 ● 九里
粘投の九里が8回に力尽きる、マック先制弾も
味方の拙守響く、力の差を見せつけられ3連敗

130 09/12 ヤ2-1広 ● 玉村
坂倉ソロで先制するが逆転される、その後は
3併殺で好機生かせず、田村がプロ初ヒット

131 09/13 ヤ5-1広 ● 大瀬良
大瀬良初回2被弾3失点で自己最多10敗目、4
失策+走塁ミスで6連敗&神宮7連敗、堂林10号

132 09/14 ヤ5-6広 〇 遠藤
遠藤5失点以降6投手が1安打投球、阪神優勝
後打線が繋がり代打磯村逆転打など一挙4得点

133 09/15 広6-5神 〇 床田
床田6回4失点、野間2点二塁打&小園適時打、
6回マック7回小園同点打、8回代打松山決勝打

134 09/16 広3-9神 ● 森下
森下5回途中7失点で対阪神連続炎上、代打松
山2点二塁打、3併殺の拙攻で大竹に7戦6敗

135 09/17 中0-3広 〇 九里
九里島内栗林が4併殺完封リレー、羽月小園連
続適時打、カウント2-2から代打の末包ダメ押し打

136 09/18 中8x-7広 ● 森
6-0から逆転するが栗林同点被弾、回跨ぎ大道
が3四球と適時打でサヨナラ負けのクソ采配

137 09/20 広1-3De ● 大瀬良
大瀬良また初回被弾、7回矢野小園堂林3連打
で1点返すが末包マクデビ続けず、東に6戦4敗

138 09/23 巨3-7広 〇 森下
森下6回3失点、復帰の上本2安打・菊池が美守、
堂林ソロに秋山2ラン、末包2打席連発9&10号

139 09/24 広1-3ヤ ● 九里
内野ゴロで先制するが直後に逆転許す、5回以
降は走者も出せず、本拠地ヤクルト戦無敗を逃す

140 09/26 広2-0中 〇 床田
床田8回途中0封で11勝目&二塁打2本含む自身
初3安打、初回の2点守り今季14度目完封勝ち

141 09/29 広1-4中 ● 森下
森下5回3失点、打線沈黙3安打1得点、9四球
貰ったのに好機で凡退、併殺打の間の1点のみ

142 09/30 広2-1神 〇 九里
九里5回完全の7回3安打1失点、會澤先制打に
末包決勝弾、矢野超美技、島内が球団タイ42HP

143 10/01 広5-6神 ● 大瀬良
終戦でミス多発、9回に粘り2点返す、小園
が2ラン含む3安打3打点、一岡引退登板で三振

 

 

CS1st-1 10/14 広3x-2De 〇 床田
床田6回途中2失点、西川の犠飛と羽月三盗&菊
スクイズで同点、大道矢崎島内栗林九里ターリ
ー無失点で繋ぎ、11回秋山が中越えサヨナラ打

CS1st-1 10/15 広4-2De 〇 森下
森下6回途中無失点、大道が連日の火消し、西
川先制ソロ、代打末包ソロで加点、その後追
いつかれるが8回無死満塁で代打田中が決勝打

 

CSfinal-1 10/18 神4-1広 ● 九里
九里3回まで1安打も4回に被弾し5回に適時打
2本浴びて5回4失点で降板、打線は小園三塁打
からの秋山犠飛で先制するがその後は無得点

CSfinal-2 10/19 神2x-1広 ● 大瀬良
初回小園先制打も末包痛恨の適時失策、打球
が正面突く不運、9回二死満塁から木浪にサヨ
ナラ打浴びる、大瀬良気迫の7回3安打自責0

CSfinal-3 10/20 神4-2広 ● 床田
床田6回3失点、矢崎乱調で押し出し、10安打
放つが12残塁、坂倉の適時打と堂林の犠飛
2得点のみ、全て先制からの逆転負けで3連敗

 

 

 

 

 

 

 

えー、書きすぎです。ラ!のアワードもそうだけど、こんなに完成まで時間がかかるってことはそれはもう書きすぎなんです(全試合メモ抜きでも26000字ぐらいあって去年より多い)。来年は確実にコラムとか減らします。

最後に、カープファン全員が「あれは何だったのか」と思っていることを書いて終わります。

 

 

 

ムッシャー

 

 

 

 

 

 

 

↓2022

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