キングオブコント2022

キングオブコント2022】(約3000字)

公開 2024年3月31日

 

 

 

 


※これは2022です。2023ではありません。

キングオブコント2022、観ないと観ないと…とずっと思っていたが結局観たのは1年近く経った9月下旬。そこから次の年の放送までに書き終わるはずもなく、史上初の周回遅れに。開き直って他の記事を優先したら1年半経ちました。

 

 

 

 


クロコップ「ホイリスト」 90
馬鹿馬鹿しさ満載。設定を理解させるまでの早さも、チープな梯子やアイテムカードで飽きさせないようにも工夫されている。「にんじゃりばんばん」や「空手家の子」に代表されるようなシンプルに笑えるリズムネタが持ち味だが、その持ち味を充分に活かしている。

 

ネルソンズ「結婚式」 89
結婚式に元恋人が乱入して花嫁を取り合うというありがちな展開だが、花嫁が絶対に行かないというのは新しい。二次会であることが判明したり、実は新郎の敵ばかりだったりと後半につれて状況が明らかになり、それをうまく笑いに繋げている。ただ、"足が速い"というボケは、ネタの中心に据えるには若干弱かったか。

 

かが屋「S」 88
最後にもうちょっと欲しかった。関係が完全に判明してから、ネタ中の言葉を使えば需要と供給が噛み合ってからが面白くなるところなんだろうけど、その面白くなっていきそうなところで終わってしまった。序盤がじわじわ系の面白さだっただけに後半にうまく畳みかけることができれば爆発的に面白くなったはず。このネタはもう少し長めの時間でやるのがベストだと思う。

 

いぬ「夢の中で」 83
面白いかどうかは一旦置いておくとして、"一体何を見せられてるんだ"というのが正直な感想。最初から最後までおっさん同士のキスが続き、ボケもその1個のみとあっては、評価も低くならざるを得ない。キス自体も1回ならまあ面白いと思えるが、何度も見せられるとあまり気持ちのいいものではない。

 

ロングコートダディ「料理頂上決戦」 92
帽子が落ちるだけでここまで仕上げられるか。大きなボケは"帽子が落ちる"というだけで、やっていることはずっと同じ。にも関わらず、その間のズレた掛け合いが見事で、それを感じさせない。台詞も良い具合の絶妙な"ヤバい奴"感があり、帽子が落ちた後の掛け合いの上手さを際立たせている。

 

や団「バーベキュー」 88
今大会の中では正統派でしっかりとした方向性のネタ。台詞の回収も巧みで面白いのだが、大きくハネる箇所が少ないかな。変なリアル感を感じてしまい(というかリアル過ぎて笑いにくい)私の点数は伸びず。あとなんか全員が別のベクトルで怖い。

 

コットン「浮気証拠バスター」 91
設定やキャラクターに展開・フレーズと全体的に高い水準でまとまっている。ワードチョイス力が抜群で、要所で外さないようにしっかりとネタを作ってきたという印象。ただ、肝心の笑いどころがちょっと少ないように感じた。

 

ビスケットブラザーズ「野犬」 87
スタジオではかなり高得点を叩き出したが、私の感想としては"出落ち"だった。確かに登場のインパクトは強烈で、ビジュアルの面白さはかなりある。しかし、それ以降は登場時の爆発力を超えることはなく、片方が一旦捌けて再登場したがそのときの絵面も出だし以下だった。ネタの雰囲気としては去年の空気階段に近いものがあるが、台詞の巧みさも含め、全ての要素でスケールダウンしている。

 

ニッポンの社長「人類再生計画」 84
顔芸と暗転に頼りすぎている。序盤はかなり面白かったのだが、あまりにもワンパターン過ぎるため、飽きるまではいかないものの、何か別の展開を求めてしまう。そうなると一歩引いたところで観ているような感覚になり、暗転によるテンポの悪さも気になってしまう。ケツの顔(ケツの顔ってお笑い知らない人からしたら意味不明な日本語だろうな)も何回も見ちゃうとね。かが屋とは逆で、もう少し短い時間向きのネタだろう。

 

最高の人間「テーマパークの研修」 91
この2人らしいネタ。展開は個人的にすごく好き。惜しかったのは「逃げて」と「最後にボタンを押すこと」が予測できてしまったこと。そのせいもあって後半あまり盛り上がらなかった。終盤の回想シーンで笑いどころがあれば尻すぼみになることは避けられたのではないだろうか。

 

 

 

以下2本目。

 

 

や団「雨」 90
設定や言葉のチョイスがかなり良い。設定に関しては今大会で一番かも。1本目も2本目もある種の"狂気"をテーマにしたコントだが、その狂気の完成度は1本目より高く、こちらの方がしっかりと笑えた。

 

コットン「お見合い」 89
タバコをメインに据えたかなり攻めたネタ。ドラマ仕立てでオチも特徴的なのだが、笑いの部分がもう少し欲しい。唸らせるオチっていうのもそれはそれでいいんだけど、何より笑わせてほしいよね。普通のネタ番組や単独ライブじゃないから、賞レースだから。ラフレクラン時代の方が笑いの量が多いネタを作っていたと思う。タバコ吸う人ならもっと面白く感じるかな~とちょっと思ったりもした。

 

ビスケットブラザーズ「だいすけ」 88
うーん、設定は悪くないんだけど…。他のネタ番組でも観る機会はあるのだが、なぜか私にはハマらないことが多い。何ででしょうね。彼らのネタは一つの大きなボケを軸にするイメージがあるから、そこがハマらないと厳しいのかな。でもどこかで見た入れ墨のネタは面白かったね。あれは非常に良かった。

 

 

 

 


まとめ①

今回も点数インフレが酷い。昨年の記事でも同じことを書いたが、今年はそれ以上に酷い。最低点が458で最高点が481というのは去年を上回り、山内と飯塚が1回89をつけた他はすべて90以上である。もっと驚いたのは2本目の点数。473、474、482とまるで95点が基準点かのような採点。失礼ながら、3本とも95は上回って当然のような、そのレベルのネタではなかった。
去年も言ったように、甘めの採点自体は悪いことではない。最も重要なのは採点基準を最初から最後まで守ることだと私も色々なところで書いていると思う。ただ、さすがに大盤振る舞いしすぎではないか。
年によって基準が違いすぎると、史上最高得点!みたいなものに価値がなくなる。無意味になる。素直に喜べなくなる。野球で言うと飛ぶボールを使ってた時代。打撃成績が良くてホームランも多く生まれ、投手の防御率も悪かった時代。成績を比較する際にその時代の打撃成績・投手成績はある程度割り引いて考える必要があるが、そのようなことが賞レースでも起こりかねない。
無理に厳しくしろとは言わないけどさ、ちょっと今の審査員は採点が甘すぎるんじゃないかな。

 

 

 

まとめ②

暗転が多い。いやまあ決して多くはないんだけど、そう感じたのはいぬ・ニッポンの社長・最高の人間などの暗転を使用するネタの評価が今ひとつだったからだろうか。
暗転自体に問題はないし、ネタによっては必要なことなのだが、あまりに多い場合はネタに入り込めず、余計な意識が持ってかれる。「暗転多いな…」と感じてしまった時点でネタの中の世界から離脱することになる。
今大会では、暗転の効果が悪い方に出てしまったのだと思う。

 

 

 

 


賞レース記事はこれ以降、R-123 → KOC23 → M-123 → R-124と順に公開していきます。KOC24までにこれら4つを頑張って書き終えたいと思います。

 

 

 


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