個人的WBC侍ジャパン選出

【個人的WBC侍ジャパン選出】(約5700字)

公開 2023年2月17日

 

 

 

2017年以来6年ぶりにWBCが開催される。そこで今回はたらふく監督による個人的なWBC日本代表メンバーを選出したいと思う。

選手の辞退とか全球団から選ぶとかのしがらみがないので自由に選んだ。かなりいいメンバーになったと自負している。

これはあくまでも"私が選ぶなら"というもので、これが正解などと言うつもりはないし、代表メンバー選考なんて言ってしまえばその人の好みの問題で、一から十まで全く同じメンバーになることなんて絶対にないのだから、そもそも正解など存在しないのである。

1月中旬には選考は完了していたが、記事の順番の都合により遅くなった。書いていくうちに「よく考えたらこのメンバーで戦うわけじゃないのに長々と書いても意味なくね?」と思えてきたのでだんだん記述が雑になります。

 

 

 

 


まずは私が最も重要視している選考基準の話。

 

・1年だけの活躍で選ぶのは危険
プロ野球の世界では、1年だけ活躍する選手はまあまあいるし、その後成績を落としたままの選手もまあまあいる。継続して良い成績を残すことが何よりも難しい世界なので、1年調子が良いからってすぐに選ぶのはかなり危うい。
代表に選ばれると調整を早める必要があるが、経験値の少ない実質2年目のような選手がそれに対応するのは難しい。無理をして早めに仕上げた結果、調子を落として活躍できなくなる可能性も大いにある。代表に選ばれることが選手としてのゴールではないから、開幕に向けてじっくり調整してもらうのが理想。
私にしてみれば「去年の成績は〇〇の方が上!だから△△よりも〇〇!」は基準として論外なのである。数字だけで評価するならAIにでも幼児にでも猿にでもやらせればいい。

 

・移籍1年目は見送り
これは選手のための考え。移籍初年度は大きく環境が変わる。チームによって微妙に違うルールもあるだろうし、人によっては見知らぬ土地で暮らすことにもなる。新しいチームでの生活に早く馴染んでもらうためにも、移籍直後は基本的には選ばないようにしたい。

 

 

 

 


では、いよいよたらふくジャパンのメンバーを発表する。

 

 

 投手 14人

11 ダルビッシュ有 (パドレス) 36歳   右

12 戸郷翔征  (巨人)   22歳   右

13 宮城大弥  (オリックス)    21歳 左

14 髙橋宏斗  (中日)   20歳   右

15 大勢    (巨人)   23歳   右

16 大谷翔平  (エンゼルス)  28歳   右

17 伊藤大海  (日本ハム) 25歳   右

18 山本由伸  (オリックス)    24歳   右

19 山﨑康晃  (DeNA)    30歳   右

20 栗林良吏  (広島)   26歳   右

21 今永昇太  (DeNA)    29歳 左

22 大野雄大  (中日)   34歳 左

24 松井裕樹  (楽天)   27歳 左

47 高橋奎二  (ヤクルト) 25歳 左

 

 

 野手 16人

捕手
10 甲斐拓也  (ソフトバンク)   30歳   右

27 中村悠平  (ヤクルト) 32歳   右

31 坂倉将吾  (広島)   24歳 左


内野手
1 山田哲人  (ヤクルト) 30歳   右

2 源田壮亮  (西武)   29歳 左

3 牧秀悟   (DeNA)    24歳   右

4 菊池涼介  (広島)   32歳   右 

6 坂本勇人  (巨人)   34歳   右

23 周東佑京  (ソフトバンク)   26歳 左

36 牧原大成  (ソフトバンク)   30歳 左

55 村上宗隆  (ヤクルト) 22歳 左


外野手
7 吉田正尚  (レッドソックス) 29歳 左

8 近藤健介  (ソフトバンク)   29歳 左

9 塩見泰隆  (ヤクルト) 29歳   右

51 鈴木誠也  (カブス)  28歳   右

68 ラース・ヌートバー (カージナルス)   25歳 左

 

 

以上のメンバーを選出した。ヤクルトから最多の5名、次点で巨人・広島・DeNAソフトバンクの4球団から3名、阪神とロッテからは選出無しとなった。あ、近藤が移籍したからソフトバンク4人だわ。

88,89年組は年齢的にもこの大会がラストだと考えている。

 

 

 

 


ここからは私なりの選考のポイントや起用法の話。

 

 

◎投手選考のポイント

大事にしたのは
・実績よりもボールとの相性を重視
・先発投手を抑えとしては起用しない
の2点。

 

先発    ダル 大谷 山本 今永 大野
第二先発  戸郷 宮城 髙橋宏 高橋奎
リリーフ  大勢 伊藤 山﨑 栗林 松井


日程に余裕があるため先発は4人いれば十分。球数制限があるため先発が長いイニングを投げるのは難しく、むしろ第二先発の方が重要かもしれない。

先発はダルビッシュ・大谷・山本・今永・(大野)。
メジャーでも実績があるダルビッシュと大谷は文句なしの選出。山本は直球もすべての変化球も一級品なNPB最強投手で、今永はNPB球よりも国際球の方がいいピッチングをするという国際試合向きの投手である。
大野は大谷がなんやかんやで投げられませんの場合の先発要員で、基本はリリーフ起用を想定している。「Oh, No! You die!」という名前でも相手にプレッシャーを与える存在に。

第二先発は戸郷・宮城・髙橋宏・高橋奎の若いピッチャーが中心となる。強化試合でのピッチングや、対戦相手としての印象も踏まえてこの4人を置いた。

リリーフは本職の4名に伊藤を加えた5名。伊藤は東京五輪でロジンで一悶着あったような色んな意味での気持ちの強さがある。なんとなくリリーフ向きの投手だと思っている。
大勢の変則ストレートは初見で捉えるのは難しく、松井は鋭いスライダーやフォークで三振の山を築く。昨シーズン見事復活した山﨑は経験値も抜群で、ツーシームは国際球ではよく曲がる。栗林は被本塁打が少なく、フォークでしっかりと空振りを取れる。東京五輪でクローザーを見事に務め上げたが、WBCでも抑えを任せたい。

 

 

 

◎投手起用法

 日 月 火 水 木 金 土
 5 6 7 8 9 10 11
          中国韓国チェコ
 12 13 14 15 16 17 18
  豪州       準々
 19 20 21 22
       準決決勝

準決勝と決勝も大事だが、一発勝負の準々決勝もかなり重要。アメリカでの試合は現地の球場に慣れている大谷とダルビッシュに任せるとなると、準々決勝は山本が適任か。

そう考えて逆算すると

山本(中国)→大谷(韓国)→ダル(チェコ)→
今永(豪州)→山本(準々決勝)→
大谷(準決勝)→ダル(決勝)

かなあ?

 

 

 

 


◎野手選考のポイント


・守備重視だが最低限の打撃力は必要
基本的に守備にスランプはない。「あいつなら打てた」は机上の空論だが、「あいつなら捕れた」は十分あり得る話。特にセンターラインは守備優先で起用したい。逆に言えば、打撃が売りの選手でも最低限の守備力は必要だということである。

 

二塁打最強
私は二塁打最強説を唱えている。国際試合では投手のレベルも高く、ホームランをバンバン打つのは難しい。そうなると二塁打で点を取るのが最も効率がいいということになる。そこで、一発長打が魅力の選手よりは、バットでも足でも二塁打を打てるメンバーを中心に選んだ。

 

 

捕手   甲斐 中村 坂倉

捕手は3名。甲斐が主にパ・リーグ投手、中村が主にセ・リーグ投手を担当。守備面に問題がない2人なので、残り1枠は抑え捕手よりもユーティリティ捕手の方が必要だと思い、坂倉を選出した。捕手の他に一塁と三塁を守れるが、これは緊急時の話なので、理想は出番がないこと。ブルペンで日本を代表する投手たちの球を受けて捕手としての経験を積んでもらいたい。坂倉が外野もできると勘違いしている方がちらほらいたが、坂倉の外野は松山が名手に見えるレベルに壊滅的です。

 

 

内野手
山田   源田   牧   菊池   坂本   周東   牧原   村上

二塁は山田と菊池、遊撃は坂本と源田。ここはすぐ決まった。山田は若干衰えが見えるものの二塁手の中ではトップクラスの成績。韓国戦でバカみたいに打っているので韓国キラーとしても必要。菊池は圧倒的な守備力で前回のWBCでも数々のピンチを救った。準決勝のアメリカ戦でもホームランを放ち、2019年のプレミア12でもその勝負強さを発揮しており、打撃もある程度期待できる。
坂本は総合的に考えればNo.1ショートであることは間違いなく、源田は広い守備範囲を誇り盗塁もできることから代走要因としても。
三塁は村上。今や日本トップクラスの打者。ほぼ4番サードで固定するつもりで。
一塁は牧。右打ちが上手い中距離打者。二塁手としては考えていない。牧の守備力は国際試合では怖く、二塁牧の予想を見る度に「正気か?」と思う。対戦相手として見ていた感じだと牧の横を打球がめちゃくちゃ抜けていく。牧のセカンドは近藤や誠也のセンターみたいなものだと思っている。
残りが周東と牧原のユーティリティー2人。周東は代走の切り札としての役割が主になる。牧原はベンチにいてくれると助かる存在。「この役割2人もいる?」という声が聞こえてきそうだが、2人とも必要。恐らく周東はよほどボロ勝ちでもしない限りは毎試合出番がある。すでに出場している状態だと、緊急時に空いたポジションに周東を入れることが難しくなる。そこで真のユーティリティー牧原の出番。牧原が確実にベンチに残っていることで、どんな場合でも対応できるはず。下手すりゃ1試合も出ない可能性もあるが、それはつまり緊急事態が起こらなかったことの裏返しでもあるので、それはそれで良し。
二遊間と違って、一三塁はメインが一人だが、一塁は山田・村上で三塁は周東・牧原、それに加えて坂倉が守れるため、これで十分と判断した。
菊池や源田を打てない選手扱いしている人がいるけど、2桁本塁打を打つ能力のある菊池や安定して毎年2割7分を残す源田で打てないなら、リーグの大半の選手が打てない扱いになる。私の言う「守備重視だが最低限の打撃力は必要」とはこういうこと。逆に「打撃重視だが最低限の守備力は必要」のルールに引っかかったのが牧の二塁守備。

 

 

外野手
吉田 近藤 塩見 鈴木 ヌートバー

外野は吉田・鈴木・ヌートバーのメジャーリーガー3人が基本形。そこに代打の切り札で近藤、外野の全ポジションを守れる塩見を加えた5名となった。ヌートバー(日本名:榎田達治)は打率こそあまり高くはないが、高い出塁能力と長打力があり、メジャーのピッチャーを経験していることからも選出する価値は大いにある。日本代表への思いも強く、かつて高校日本代表がアメリカで親善試合をしたときのホストファミリーだったように、侍ジャパンにも縁がある選手で、大坂なおみなんかよりよっぽど日本代表を名乗るのにふさわしい。

 

 

 

◎野手起用法

基本の打順は以下の通り。

1中ヌートバー
2指大谷
3右鈴木 
4三村上
5一牧       坂倉
6左吉田      周東
7二山田/菊池  牧原
8遊坂本/源田  近藤
9捕甲斐/中村  塩見

大谷と村上が打線の中心。2人とも左打者なのでその間に右の鈴木を挟み、出塁に長けたヌートバーを1番に。5番以降はそのとき調子の良い者から順に並べた方がよさそう。二遊間は攻守のバランスを考えると菊池-坂本、山田-源田のコンビが妥当か。もちろんスタメンは山田-坂本の攻撃重視路線で、終盤に菊池-源田の鉄壁の二遊間を組むのもあり。

 

 

捕 甲斐 中村    坂倉
一 山田 牧  村上 坂倉
二 山田 菊池       周東 牧原
三       村上 坂倉 周東 牧原
遊 坂本 源田          牧原
左 吉田 近藤    塩見 周東
中       ヌー 塩見 周東 牧原
右 鈴木 近藤 ヌー 塩見
指 大谷

守備は全ポジション最低でも3人確保するようにした。

 

 

 

 


事情があって外したメンバーの話も一応しておく。

佐々木朗希・青柳晃洋・湯浅京己・平良海馬
→ボールが合ってなさそうなので。特に佐々木はいろいろと扱いが面倒。

千賀滉大
→メジャー移籍のため

清水昇
→ヤクルトが多すぎるため

 

森友哉
→移籍直後の捕手ということで見送り

浅村栄斗
→牧とタイプが丸被り

山川穂高・岡本和真
→私の目指す野球とはちょっと違う。なんとなく不調になると長いイメージも。

西川龍馬・佐野恵太・柳田悠岐
→左の外野手が激戦区なため、吉田や近藤がもし出なかった場合の候補

近本光司
→塩見とどちらにするか悩んだが、既に左の外野が渋滞しているので

 

 

 

 


ちなみに、私が選んだメンバーの中で明確に辞退を表明しているのは坂本のみ(菊池も辞退の記載があったが、報じたメディアが1社だけで信用できない)。
もし坂本の代わりを選ぶとすれば今宮か中野あたりだろうか。もう一度調べたらしれっと今宮も辞退していたので中野かな。これで11球団から選出されたことになる。ロッテさんごめんなさい。

 

 

 

 


最後に、実際の代表メンバーを見ての感想を少しだけ。

 

      私          栗山

     ダル戸郷宮城髙橋宏大勢大谷
     山本今永高橋奎松井伊藤栗林
      甲斐中村山田源田牧村上
      周東吉田近藤鈴木ヌートバー

   山﨑大野    佐々木湯浅宇田川
  坂倉菊池坂本     大城中野
   牧原塩見      岡本山川

 

代表メンバー30人中、共通していたのは23人だった。

栗山監督は"若さと球速とパワー命"といった感じで、力でねじ伏せる野球を目指しているようである。野手の顔ぶれを見ても、アメリカやドミニカにも真っ向からぶつかって打ち勝つという考えが見て取れる。今回は恐らく投手が史上最強で、投手が強いため守備に人員を割かず、一発重視の打者を多めにしたのかもしれない。

ただ、やはり個人的に気になるのはセカンドとセンターがいないことと、前回経験者が少ないこと。
牧は守備に不安があり、中野は本格的に二塁をやるのは今年からで、周東はスタメンで出すタイプじゃないし、セカンドが実質山田のみになっている。センターに至っては本当に本職がいない。外野の全ポジションを守れる選手すらいないのはさすがに偏りすぎではないか。
過去のWBCを経験しているのはダルビッシュ・松井・山田・鈴木のみ。国際試合自体は経験豊富なメンバーが揃っているが、ほとんどが日本での試合で、アメリカに乗り込んで戦った経験がある者は少ない。時差もあるし環境も違うし完全アウェーなアメリカでの試合にうまく対応できるのか。
その2点が不安なところかな。

 

 

 

 


頑張れ日本!(強引にまとめてみる)