※R-1グランプリ2022

R-1グランプリ2022】(約3300字)
※過去記事

脱稿 2022年4月18日
公開 2022年10月19日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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♪改革が全部滑って迷走するR-1好き~。

 

 

 

今年もやって来ましたR-1記事です。
R-1グランプリは昨年大幅な改革が行われたのだが、そのどれもが芯を外した逆効果なものだったため、視聴者を困惑させ呆れさせ失望させる事態となった。
ここで改めて昨年の改革を少しだけ振り返ってみよう。


①ぐらんぷり(ひらがな)からグランプリ(カタカナ)に
②MCが雨上がり決死隊から霜降り明星
③審査員が大幅に入れ替わる
④採点方式が変化
⑤芸歴10年以下の制限が加わった


②は仕方が無いとして、①はどうでもいいし③は人選ミスだし④は審査しづらくなったしで散々である。しかし、これらのことは⑤に比べれば全然大した問題ではない。⑤に至ってはレベルをさらに低下させるだけでメリットが1つもなく、1年経った今でも意図が分からない。決定した奴をクビにするレベルの失態である。

1年前に山ほど書いたので今回はここまでにするが、これを見ても分かるように、昨年の改革はまさかの全外し。低迷期の助っ人外国人じゃないんだから。

 

そして今年新たに変更されたのは、
①決勝進出者は8人、そのうち上位2人が最終決戦へ
②ネタ時間が3分に短縮
である。

①決勝進出者が10人から8人に減り、最終決戦に進出するのも3人から2人になってしまった。時間確保のために減らさざるを得なかったのだろう。決勝8人でさらに上位2人というのはやや寂しい気もする。

②ネタ時間が短くなったことで、3分では凝ったネタが出来ず自分のネタの世界に引き込む前に終わってしまうのではという懸念があった。ただ、賞レースにおいてネタ時間はあまり守られていないこともあるため、この変更がどれぐらいの影響を及ぼすかは何とも言えないというのが正直なところである。

 

また、これは今年だけなのかもしれないが、20時~22時という見慣れない時間帯での放送となった。なぜこのような珍しい枠での放送にしたのだろうか。2時間番組ならば、やはり19時~21時が収まりが良いのでは(私は録画で観るのであまり関係ないが)。
あと謎の東京リベンジャーズコラボね。これも何がしたいのか全然分からなかった。作品知らないけど多分R-1と全然関係ないんでしょ?

 

 

今大会は、というか今大会も、大爆笑をかっさらった者はいなかった。当然である。ただ、酷すぎた者もいなかったように思う。一昨年のななまがり森下や昨年の土屋、高田ぽる子のような放送事故級の大スベりはなかった。

 

 

 

 


kento fukaya「居酒屋合コン」 39
特殊なフリップ芸。従来のフリップネタには無い展開で、使い方の発想は良いが、別に面白くはない。ただ、この程度でも去年のネタよりは多少マシになっているとは思う。そして絵心の無い私が言うのも大変申し訳ないのだが、絵のタッチが嫌だ。下手ではないが絶妙な気持ち悪さがある。

 

お見送り芸人しんいち「僕の好きなもの」 52
あるあると皮肉を混ぜた歌ネタ。決して外しているわけではないが、「ふふっ」となるぐらいで爆笑は取れないだろう。ネタ時間が短く、より笑い所を増やす必要があるため、私は途中の変化は別に無くても良いと思ったが、これに関しては意見が分かれるところ。

 

Yes!アキト「ギャグ」 44
単調で弱い。ギャグ一本でいくならもっと強いギャグがほしい(十二単ぐらいの質のもの)し、COWCOW多田みたいに工夫しないと、「ネタ」ではなく「ただギャグを言っただけ」になってしまう。全編ギャグのため、タイトルをつけるのが今までで一番難しかった。

 

吉住「不倫にブチギレる女」 60
吉住ならではのネタ。とんでもない恐怖理論は流石の発想力だし、キャラクターの落差で笑わせる技術もある。吉住本人は別に深い意味は無くただ小馬鹿にしているだけだと思われるが、そう考えると余計面白い。

 

サツマカワRPG「放課後」 43
着眼点は凄く良い。よく「大会近いもんな」でネタを作ろうと思ったよね。普通はそこ思いつかないし広げないもん。それなのに打って変わって後半が適当すぎる。埒が明かないので無理矢理展開を変えたかのようなやっつけ感がある。せっかくスタート地点が良かったのに勿体ない…。まあ大会近いもんな。

 

ZAZY「デジタル紙芝居 恋愛バラエティー」 61
デジタルになったことで昨年よりテンポアップ。途中のでんっ!でんっ!でんっ!でイラストの顔がアップになるのは構成面での手抜きに見えてならない。ただ顔をアップにするだけじゃなくて何か言って(書いて)ほしかった。そこをどう言わせるかが芸人としての腕の見せどころなのではないか。あとこれは去年も言ったんですけど歌う意味ありますかね…。

 

寺田寛明「始まりの歴史」 63
去年よりずっとよかった。周囲の嘆き?反論?のバリエーションが豊富で、内容の質も上がっていた。キャラが立たないのはフリップ芸にありがちなことなのでしょうがないと言えばしょうがない。そして、安定した面白さを上回る突き抜けた笑いがないとなかなか勝ち上がるのが難しいのもフリップ芸の特徴で、これもしょうがないと言えばしょうがない。

 

金の国渡部おにぎり「とんび」 41
出オチだった。頭にとんびを乗せたビジュアルが強烈だったぶん、それを超える笑いを作り出せなかった。本人の意図したところではないにせよ、まさかのAqua Timez被りが一番笑ったかも。

 

 

 

 


1本目のネタが終わり2位で3人が並んだため、決選投票のような形で勝ち抜ける人物を選ぶこととなったが、その発表方法がまさかの“フリップに手書き”。

なぜそこだけアナログ?

 

 

 

 


お見送り芸人しんいち「応援したい人」 54
やってることは1本目と変わらないが、実名が出たので少しプラス。

 

ZAZY「デジタル紙芝居 寿司屋」 60
去年のネタと被りがあったのでちょっとマイナス。歌う意味(以下略)。ZAZYって歯好きだよな。

 

 

 

ZAZYの方が発想力、構成力、ネタの質とか多少は上だと思うんだけど、もうそんなことはどうでもいいと思ってしまうぐらいにはR-1の審査には期待していない。

 

 

 

 


今年は去年の反省を活かしてか、時間に余裕があり、進行でバタバタするようなことは無かったように思う。終わってみれば今年の変更は正しく、人数を減らしたのは好判断だったのである。そこは褒めよう。

ただ、今回は2位を決める決選投票の時間があったわけで、もしそれがなかった場合はその分の時間が余ることになるため、伝説の「優勝者のネタをもう一度事件」が再び起こっていた可能性がある。この事件のせいで実は去年も時間は余っていたのでは説が有力になっている(のかもしれない)。

そもそもなぜ去年はそんなに時間が無かったのか。昔(といっても2012年以降だが)は4人ずつを3ブロックに分けた12人で決勝をやっていた。そのときは時間が余りすぎたり足りなすぎたりといったトラブルは特になかったはず。12人で問題なく進行できていたのに、なぜ去年は10人でいっぱいいっぱいだったのか。段取りが悪くなったのか無駄な喋りやCMが増えたのか最初のVTRの時間が延びたのかは分からないが、12人分の尺が10人で足りなくなり8人でギリギリになるなんてことは普通に考えてあり得ない。R-1の永遠の謎とも呼ぶべき出来事。決勝の人数が多いと芸人のモチベーションも上がるだろうし、将来的にはもう一度12人システムに戻してほしい、というのが私の願いである。

 

                おしまい。

 

 

 

 


~今だから言えること~
今ではZAZYの方が優勝したみたいな扱いをされている。あと常にトロフィーを持ち歩くしんいちが若干鬱陶しい。

 

 

 

 

 

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