※キングオブコント2020

【自己満足記事 キングオブコント2020】
               (約3100字)
※過去記事

脱稿 2020年10月23日
公開 2022年10月3日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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皆様お久しぶりです。時間がなかったため今回はやや簡潔に書かせていただいた。申し訳ない。

 

私の採点基準は以前書いたが点数の目安を詳しく書いていなかったと思うので、改めておさらいしておく。
基本的に賞レースの決勝に値するには90点以上は欲しいところ。言い換えれば90点が合格最低点みたいなものである。そこから91…92…93…と増えていき、私の中で94が素晴らしいという評価になる。95になると最高レベルという評価で、96以上は心を揺さぶるような、震えるような、とにかく凄いレベルの感覚があるときに初めてつけるもので、滅多につくことはない。さらに、89と90、94と95、95と96の間に大きな壁があるイメージ。図にすると

…88<89<<<90<91<92<93<94<<<95<<<<<96<97…

という感じである。よって、まとめると、

①90以上は“賞レースの決勝に値する”
②94は“素晴らしい”、95は“最高級”
③96以上は“心を揺さぶるような何か”

ちなみに、80未満は“出直してこい”になるが、80点を下回ることはほぼないし、基本的につけようとも思っていない。


※これらの基準は主にM-1キングオブコントのときに適用するもので、R-1などその他の賞レースでは基準が変わります。

 

 

 

じゃあ始めるよ。

 

 

 

 


滝音「大食い選手権」 90
今大会で唯一の私の初見コンビ。「たきおん」と読むらしい。ネタ自体はシンプルで、序盤に持たせた違和感を中盤で回収して終盤に繋げるスタイル。ある程度笑えたため悪くはないのだが、ボケ→ツッコミ→ボケ→ツッコミの会話が単に続いただけだったので、ネタにもう少し強弱があったらもっと点数が伸びたかもしれない。2乗のくだりは好き。

 

GAG「入れ替わり」 86
今年はクオリティーが落ちた。GAGらしくないというかなんというか。おじさんとフルートが入れ替わるのはちょっとファンタジーがすぎると思う。入れ替わりだけで終わってしまい、その後の展開が何もなかったのも残念である。坂本のキャラも中島美嘉本人である必要は無いし、何なら「中島美嘉っぽい格好のヤバイ奴」という設定の方が面白いかと。

 

ロングコートダディ「部品を取り出す仕事」 84
終始静かなネタだった。前半を無駄に使ったのにそれ相応の笑いが後半にないので、必然的に点数は下がる。段ボールの使い方など発想は面白い。しかし大きな笑いがなかった。これに尽きる。

 

空気階段霊媒師」 91
キャラコントのようなネタだが、霊媒師がラジオ本体の役割をしているためスマホアプリよりも受信が早い、長い番組ストラップを実際に出す、自分の声とラジオを通して少し遅れて聞こえる音声とがズレる気持ち悪さ、など、構成の面でもしっかりしているネタである。あのラジオはタイトルの割に全然バレーボール語ってないね。

 

ジャルジャル「野次ワクチン」 93
誰やねん知るか下手くそのコンボは強力で、届けるなに関しての野次もじわじわ笑えてくる。ネタのしつこさが強いため、昨年披露した途中から英語に聞こえるネタよりは劣るが、今大会の中では上位に入るだろう。

 

ザ・ギース「ハープ」 87
ハープはね……。残念ながら笑いにはならないかな。確かにハープは珍しい存在だが、その意外性で笑える楽器ではない。バイきんぐのコントで西村がジャンベを叩くやつぐらいでないと笑いは取れない。ザ・ギースにはエレベーターホールという最高傑作ネタがあるのだが、それをやってほしかった。気になる方は調べてね。

 

うるとらブギーズ「陶芸」 84
ちょっと違う展開になった。誤って割ってしまい、良い…良い……良い………の一点張りだったのが勿体なかった。とりあえず去年と今年とネタを見て分かったことは、この2人はバカバカしいことをバカバカしくやるコンビだということである。

 

ニッポンの社長ケンタウロス」 83
何これ?
失礼、真面目に講評しよう。このネタに関しては好みが分かれる。コントならではの独特な世界観が好きな人にはハマると思う。私は世界観を全面に出したネタを否定するわけではない。しかし、そこにはある程度の“理屈”や“秩序”が欲しい。考えずに感じろ、ということだと思うが、残念ながら私は何も感じなかった。

 

ニューヨーク「結婚式の余興」 92
なかなか1発目での笑いを越えないままネタが終わってしまうコンビが多いなかで、序盤の盛り上がりを後半で越えてきたのが高評価となったポイントだろう。それにしてもピアノや電動ドリルなどあれだけの芸を2か月で習得したのは凄いね(誰目線?)。

 

ジャングルポケット「情報を話せ」 88
思ったのと違う方向に行ってしまった。テンションと笑いが釣り合ってないため、演者と観客との間に温度差が生まれた。会話のテンポが重要なネタなので、そこを外すとちょっとついて行けなくなる。

 

 

 

 


ここから2本目。

 

 

 

空気階段定時制高校」 85
二人の間では会話が成立していて、その内容は観客に伝わらない。それを本人たちが良しとしているかどうかは分からないが、こちらで全て補えるわけではないので、もうすこし聞き取れる部分を増やしても良かった。設定や曲の使い方など寸劇としては良いが、コントとしてはどうか、というところ。余談だが、一部の間でこのネタは障害者を馬鹿にしたものだとか言われているらしい。そういう思考を持っている人の方が、よっぽど馬鹿にしてますよ。クレームをつける前にまず自分のおつむをどうにかしましょうね~。

 

ニューヨーク「帽子」 81
気になるところをネチネチと突くのはニューヨークらしくて良いが、これは面白くない。帽子を被っている状態にそこまで違和感を感じなかったので完全に突くところを間違えているし、そもそもどこで笑えばいいのだろうか。あそこまで帽子うんぬんを引っ張られると帽子を取ろうが取らまいが笑いは起こらないだろう。

 

ジャルジャル「タンバリン」 90
悪くはないがちょっとうるさい。このネタで優勝を勝ち取ったというよりは、今までのジャルジャルの功績が評価された結果としての優勝だろう。

 

 

 

 


〈まとめ〉
今大会をまとめると、決してレベルが高かった大会だとは言えない。1本目で90点以上をつけた数も10組中4組と私が採点を始めた2015年以降で最少となった。
もう一つ目立ったのは、曲の使用の多さとオチの弱さ。最初の笑いがピークで、その後はそれ以上の笑いが起きない、というネタが多かったように思う。構成や使用する曲に力を入れるのは結構だが、とにかく笑いを取りに来てほしい。

 

 

 

 


次はカープ記事で会いましょう。11月末~12月上旬の公開を予定しています。その次にはM-1記事を公開する予定です(公開時期未定)。予選の日程から考えて、M-1決勝は12月20日と個人的には予想している。

 

                終わり。

 

 

 

 


~今だから言えること~
意外と特に言うことはない。たまにはこんなこともある。

 

 

 

 

 

↓2019

 

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↓2021

 

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※R-1ぐらんぷり2020

R-1ぐらんぷり2020】(約3800字)
※過去記事

脱稿 2020年4月5日
公開 2022年10月1日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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お待たせしました。今年もR-1について書く。
R-1はM-1キングオブコントと比べるとレベルがアレだし注目度もアレだし視聴率もアレなのでコメントを一言二言書いて終わろうかと思ったのだが、意外と私の記事に熟読者がいることが判明したので、ちゃんと書くことにした。さらに、今回もちょっとしたおまけがあります。

 

 

 

〈総括〉
やはりレベルがアレ。無観客ということもあり恐らく会場は凍りついていたであろう(無観客という状況を生んだコロナについて書くと、それだけで3000字ぐらいになっちゃうので割愛する)。あ、ちなみに、R-1の審査員はアレなので審査員の採点をどうこう言うつもりはありません。また、様々な言葉を「アレ」で代用している理由についても特に意味はありません。

 

 

 

 


~Aブロック~

メルヘン須長SNS事件簿」 44
やはり沢口靖子ネタで来た。声色を多少変えるなどモノマネには多少の工夫が見られるが、中身が面白くない。何よりSNSあるあるが普通。あれだけ溜めて言うくせに言ってることは普通なのである。ただ、最後の「質問箱をやってる人はバカ」が真理をついていたのでちょっと加点した。

 

守谷日和「取り調べ」 36
落語チックのネタ。落語風の芝居は悪くないのだが、いかんせん面白くない。芸達者だが面白くないというのは致命的な欠点である。肝心の落語パートで笑うところがたいして無いし、オチも想像できるものだったので、点数は低め。1つ評価するとしたら、重要亭参考人は好き。

 

SAKURAI「伝えたいこと」 53
歌ネタ。急に歌が始まり徐々にシステムが分かっていく構造。途中から考え出すが絶対当たらない内容となっている。エンタの神様に呼ばれそうだな~と思ってたら本当に出てた。

 

野田クリスタル「太ももが鉄のように硬い男」 65
自作のゲームを使った一人コント。なんとなく陣内がやりそうな展開だが、野田の場合は陣内ほどツッコミ気質ではないため、ツッコミのキレの部分が陣内より多少劣る。ちなみに、「勇者ああああ」というテレ東系列のゲーム番組で野田の自作ゲームを見たことがあるため、私にとっては新鮮味は薄かった。

 

 

Aブロック勝者 野田クリスタル

 

 

 

 


~Bブロック~

ルシファー吉岡「飲みかけの缶コーヒー」 25
毎年決勝に来ては天地がひっくり返っても上位進出の可能性がないネタを披露し、そして当然のように敗退していくルシファーだが、今回はいつにも増してつまらない。毎回切り取る場面はそこまで悪くないのだが、それを面白くする技術が圧倒的に足りていない。ネタのパターンも飽きてきたため、この程度のクオリティならもう決勝で見るのはやめにしていただきたい。

 

ななまがり森下「乳首隠せない男」 7
キャッチコピーが「令和のちょいヤバ芸人」だったが、どうやらガチヤバ芸人だったようだ。とても「芸」と呼べるものではなく、私にはただの悪ふざけにしか見えなかった。乳首を隠せないからキャーというのも意味が分からないし、どちらかというとキャーはこっちのセリフだ。本当に客が居なくて良かった。私が一番許せないのが、イライラ棒の要領で紙を使って右乳首を隠そうとしたときに、もう片方の乳首が隠れていたことである。右乳首だけ隠せないならまだしも両乳首隠せない設定なのであればあれは根本的なミスである。自分のネタの設定すら守れないようならこんなのをやらないでほしい。この歯姫に関しては点数はどうでもよかったのだが、「ななまがり」ということで7点とした。

 

パーパーほしのディスコ「隠してること」 26
パーパーの2人ネタを1人でやる感じ。はっきり言ってしまえば2人でやった方が面白いので、このネタを1人でやる意味があるのかは甚だ疑問。面白さより切なさが勝ってしまい、ネタとして成り立っているかも微妙なところ。

 

すゑひろがりず南條「今昔またぎ」 46
古風な言い回しはすゑひろがりずの十八番だが、このネタに関しては言い回しの面白さを活かせていない気がする。鼓の出番も少なく、いろいろと惜しいところがあるこのネタだが、低レベルなBブロックの中では一番マシであることは言うまでもない。

 

 

Bブロック勝者 すゑひろがりず南條

 

 

 

 


~Cブロック~

ヒューマン中村「メッセージを受信」 64
ネタ自体は悪くないが、審査員の票が入らなかったのはNHKへの忖度がはたらいているからだとは思う。審査員も一応芸能人なので多少はNHKに配慮せざるをえなかったのだろう。その点でこのネタはR-1の決勝向きではなく、劇場で好き勝手にやるものである。また、ヒューマン中村の最高は2012,13年辺りのフリップ芸にあるので、そこを超えない限り優勝はないだろう。余談だが、500ルピアが17円ということは受信料として請求されている3000ルピアは102円ということになる。……全然払えるな。

 

おいでやす小田「脅しの口調」 28
ここ2年はそれなりのネタを作ってきていたが、今年はダメだ。ら行を巻き舌で言うというシステムなのだが、聞き取りにくいし芸人と見る側とのテンションがあまりにも釣り合っていない。強調しすぎると面白くなくなるといういい例である。ネタの趣旨は変わるが、ら行だけでなく他の行も工夫した言い方をすれば(例えばさ行を諸見里風に言う、など)、面白くなるかは別として、多少はしつこくないネタになったかもしれない。

 

ワタリ119「超高速フリップ」 67
笑った。意外と良かった。パンサー尾形やサンシャイン池崎のような、どちらかというとスベり芸に近いイメージがあり、勢いだけのネタをすると予想していたが、思いの外しっかりしたネタだった。途中急にフリップの数字が増えたように思ったのだが、よく見ると防災ブックの1ページずつをフリップの枚数にカウントしているようだ(53~113)。余談だが、家を晒された八代隊長はかわいそうだが、特になしと言われた小山隊長はもっとかわいそうである。

 

大谷健太「早口言葉」 66
いわゆる言葉遊び系のネタ。後半にペースを上げてネタ中のワードを組み合わせて畳みかけるような展開になっている。実際に言ってみると分かるが、早口言葉風の文章は意外と普通に言える。

 

 

Cブロック勝者 大谷健太

 

 

 

 


~ファイナルステージ~

野田クリスタル「ストッキング姉さん」 55
2本目も自作ゲームネタ。比べてしまうと1本目の方が良かった。

 

すゑひろがりず南條「またぎ・ザ・ベストテン」 65
やってることは同じで、1本目の歌バージョンといったところだが、2本目の方がだいぶ面白かった。

 

大谷健太「2コマまんが」 63
所々意味不明なフリップがあるが、その意味不明さが笑いには繋がらなかった。勿体ない。

 

 

優勝 野田クリスタル

 

 

 

最後は芸人や審査員に振って時間をつないでいたが、出演者一人一人に振るあたり最後は本当に時間が余っていたのだろう。そもそも何でそんなに余った?

 

 

 

 


〈おまけ R-1で勝つ方法とは〉
R-1ぐらんぷりを(多分)2007年から観ている私が、R-1で勝つ方法について考えてみたい。
R-1でのネタには、なだぎ武やまもとまさみ・マツモトクラブなどの一人コント、三浦マイルド粗品ヒューマン中村などのフリップ芸、あべこうじ濱田祐太郎などの漫談、そしてハリウッドザコシショウアキラ100%などの独自のスタイルを突き進むタイプ、など、いくつかのパターンがあり、正攻法は特にない。ただひたすら面白いものを作れば良いのだが、ひとり芸の場合は“何を面白いと思うか”が、人によって大きく違うため、これといった攻略法はないのが現状である。
そこで私がこの数週間で考えたのが、
「自分+音声で表現したもう一人」
でやるコントである。例えば、

 

演者「昨日の夜まで何も無かったのに急にハンバーガー屋出来てるな。興奮してきたな。早速入ってみよう。」

(音声)「いらっしゃいませこんにちはいらっしゃいませこんにちはいらっしゃいませこんにちは~」

演者「ブックオフか。1回でいいんだよ1回で。」

(音声)「こちらでお召し上がりですか?」

演者「いや、持って帰るよ。」

(音声)「ソルトレイクで。」

演者「テイクアウトだよ。何で何年か前の冬季オリンピックなんだよ。」

        (出典:サンドウィッチマン)

 

といった感じである(うろ覚えだがこんな感じだったと思う)。声は2人分だが、舞台に立っているのは1人で、その1人がそこにいるであろう見えない人物に話しかけるというシュールな絵面だが、これなら漫才と同じテンポで笑いがとれるはず。しかし、最強と思われるこの方法にも欠点はある。それは反則スレスレなことである。というか多分反則だなこれは……。

 

                おわり。

 

 

 

 


~今だから言えること~
この翌年からのルール変更が波乱を巻き起こすことを、視聴者も芸人たちもまだ知らない。それにしてもななまがり森下の7点って笑っちゃうな。妥当すぎて。

 

 

 

 

 

↓2019

 

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※M-1グランプリ2019

【自己満足記事 M-12019講評】(約7500字)
※過去記事

脱稿 2020年1月18日
公開 2022年9月30日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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今年もこの時期がやって参りました。とりあえず書いた。読みやすさ重視で書いた。想定より1週間多くかかった。それも悪くないだろう。

 

 

本戦の評論に入る前に、まずは敗者復活にいたコンビ5組について思うところがあるので少し書く。

 

天竺鼠
もともとはネタをしっかりと作っているというイメージがあったのだが、近年は内容が全く無く、ツカミだけで誤魔化している。マイクスタンドを持ってきたり、靴で場所取りをするなどツカミで笑いをとるのは結構だが、肝心の中身の部分がつまらなくなっては意味が無い。

 

・ミキ
今回の敗者復活組の中では一番面白かったと私は感じた。まだ芸歴8年で、和牛やかまいたちと同じレベルを求められるのは大変だろう。第7世代の筆頭だったが、そのポジションもいつの間にか霜降り明星に奪われてしまった。

 

東京ホテイソン
私は彼らを最初に見たときから注目していた。もっと面白くなると思っていたのだが、どうやら伸び悩んでいる印象を受ける。ネタの構造上、急に突飛なボケを発し、それに対する備中神楽ツッコミが決まるときと決まらないときとの差が大きくなり、やや安定感に欠けるか。

 

アインシュタイン
ほんの4、5年前は顔をいじることしかしておらず、レベルの低い漫才をしていたが、ここ2年ぐらいでしっかりした構成のネタが増え、本当に成長した。世間がもう少し稲田の顔に慣れれば決勝進出もあり得る。

 

・トム・ブラウン
面白い面白くないとかじゃなくて何が面白いかが分からない。彼らに関しては「貧乏なロン毛と怪力坊主による北海道の高校の柔道部の先輩後輩コンビ」という以外は本当に評論できないのでトム・ブラウンの面白さを解説してくれる人がいたら是非私に連絡してほしい(マジで)。

 

 

 

 


(今大会についての小話①)
採点のテンポが悪い。恐らくほとんどの人が気になったとは思う。今年の採点の開票は

all kyojin! 87点! nobuyuki hanawa! 91点! shiraku tatekawa! 90点!……

みたいな感じで、テンポが悪すぎる。去年までは

89! 92! 91! 88! 91! 90! 92! 合計得点は!

というように非常に良いテンポだったのだが。なぜゆっくりにしたのだろうか。というかそこを変えてどうしたかったのだろうか……。
あと礼二の場所が変わった。巨人と塙の間から富澤と松本の間に移動していた。なんでだろう~。

 

 

(今大会についての小話②)
今大会は決勝初進出が9組中7組と多かった。そして新顔も多いため始まる前は不安視されていたし、私もそうだった。しかし、今年のコンビで私が全く知らなかったのは2組(ミルクボーイ・オズワルド)で、去年も私が知らなかったのは2組(ギャロップ・トムブラウン)だったので、私が初見のコンビの数は別に去年と変わらなかった。

 

 

 

では始めます。

 

 

 

 


ニューヨーク「ラブソング」 83
定期的に炎上することで有名なニューヨークである。私は彼らのネタはどちらかといえば好きな方だが、それはネタの中に彼らなりの毒や皮肉や偏見の部分があるから。少なくとも私の中ではニューヨークに歌ネタのイメージは無く、なぜ歌ったのか、そしてなぜこのネタを選んだのかという疑問が沸き上がる。歌ネタとなると必然的に笑いの数(というか笑いが起こる場所)は少なくなり、ポイントごとに絶対に笑いを取っていく必要が生じるので歌ネタ漫才で勝つのは難しい。また、M-1では正統派のしゃべくり漫才が評価される傾向があるため、数多くの持ちネタの中からなぜこれを選んだのか理解に苦しむ。れいせい~に考えたらこれでは勝てないと事前に想像できたと思うのだが。歌自体の完成度が低いうえに、ラブソングという歌のタイトルに捻りが無いため、このような評価となった。

 

かまいたちUSJUFJ」 92
私が見たことあるネタであり、何度も披露しているであろうネタ。確か去年(1月のやつか5月のやつかは忘れた)のドリーム東西ネタ合戦でやってたと思う。このネタは屁理屈憑依山内の極致ともいえるものだが、いかんせん屁理屈すぎる。去年のポイントカードネタなどと比べると理屈に無理がありすぎる。無理のある理屈で山内が濱家を追い詰めるのが面白いと言う人もいるが、私の場合は、無理な理屈だとネタに感情を揺すぶられないので、「一見無理がある理屈だが聞いていると正論に思えてくる」パターンのネタの方が好み。「晒せよ」を「サランヘヨ」と言う、「もし俺が謝ってこられてきてたとしたら絶対に認められてたと思うか」という訳の分からない言葉、などの小ネタ的なものを途中で挟んでくるのがかまいたちの技術の高さである。

 

和牛「引っ越しの部屋選び」 92
いや敗者復活と一緒かい。敗者復活戦と同じネタをしてはいけないという決まりは無く、審査員は敗者復活戦を恐らく見ていないため、同じネタでも別に問題はない。実際、敗者復活の場では前後左右に動くと聞き取りづらいことがあったが、決勝のステージではそんなことはなく無事に聞き取れた。そこはいいね!だったのだが、個人的には和牛の最大の武器である水田の屁理屈キャラが入った別のネタが観たかった。しかし和牛はM-1の決勝ですでに7本のネタを披露しているため、もう勝負ネタの数は無くなってきているのかもしれない。「お邪魔しました~」が水田のみが言う場合、両方が言う場合、川西が水田に向かって言う場合の3パターンあること、川西がツッコまないという新たなスタイルを作ってきたこと、などの見所はあるが、このネタでは過去の自分たちを越えられなかった。そもそも和牛だけ戦っている相手が違うため、優勝へのハードルは人一倍高いのが現状である。2017年で優勝していればどんなに良かったことか。

 

 

~ちょっと一息① 2017年の審査~
M-12017の最終決戦はとろサーモン、ミキ、和牛の3組によって争われた。和牛が最終決戦で披露した旅館のネタは1本目のウェディングプランナーのネタに負けないぐらいの完成度を誇り、「届けこの思い」というワードも光っていて、最後の「じゃらんで働いてます」はこの年で一番綺麗なオチだった。和牛の優勝は確実だと思ったが、結果はとろサーモンが4票を集めて優勝した。なぜとろサーモンなのか。とろサーモンの2本目は1本目と比べるとクオリティは落ちていて、何度も観たことがあるネタだった。大吉先生はとろサーモンはツカミが早かったと言っていたが、それだけで和牛ととろサーモンの差が埋まるとは思えない。あそこでとろサーモンに入れた審査員は追放すべきと今となっては思うのだが、礼二以外は追放されていた。

 

 

すゑひろがりず「合コン」 89
かつては「みなみのしま」というコンビ名で活動しており、アメトーークのパクりたい1GPにも出演経験がある。漫才からコントに入る例はあるが、最初から平安風なのは初めてである。結論から言うと、そりゃ笑う。最初の「では店員を呼んできます」「じゃあお前は誰だ」というやりとりも現代語なら何度も見たことがあるようなくだりだが、これを古語でやると一気に面白くなる。ある意味反則に近い行為である。面白いことに間違いはないのだが、勝てるスタイルの漫才ではないので、M-1という豪華なる金色堂の舞台では戦いづらい。

 

からし蓮根「教習所」 90
個人的には今大会の「霜降り明星」枠だと勝手に思っていた。去年からの上積みも感じ、非常に成長している。ただ、去年の霜降り明星のような圧倒的な爆発力は無く、ネタの前半はやや静かだった。にちようチャップリンで観たものはもっと面白かったため、これが彼らのベストではないと思うが、今後に期待が持てる結果となった。一つ付け加えるとしたら、もう少し方言を推して個性を出すのも良いかもしれない。

 

 

~ちょっと一息② どうした上沼~
からし蓮根へのコメント中、上沼が急にキレた。一度止まった後も再度怒鳴り散らした。奴の意見をまとめるとこうだ。

(ⅰ)和牛には横柄さや大御所のような振る舞いを感じた。
(ⅱ)過去2年票を入れているのに決勝に残らなかったのが腹立つ。

まず(ⅰ)についてだが、和牛が真摯に漫才に向き合っていることはファンなら知っていることだろうし、横柄さや大御所のような振る舞いというのも見る限り私には感じ取れなかった。もしそう感じたのならそれは「場慣れ」ではないか。緊張を表に出さないという和牛なりの心遣いではないか。
次に(ⅱ)についてだが、トム・ブラウンや、(今年のネタの)ニューヨークを決勝に通し、過去にはサンドウィッチマンやオードリーを落としている準決勝の審査なので、あまり当てにならないのは確かであり、「自分が票を入れている」と「決勝に残らなかった」を結びつけるのはどうかと思う。
何より私が一番言いたいのは、もしこれが的確な発言だとしても、からし蓮根を褒めるためにここで和牛の名前を出して批判するというのは筋違いだということだ。

 

 

見取り図「お互いを褒め合う」 90
お互いを褒め合うはずが、だんだんとけなし合うようになり、絶妙なあだ名を言い合うネタ。2人の見た目を活かした漫才である。途中で変な人名を出して後に〇〇って誰~?といって回収するのがお決まりのパターンのよう。しかし、去年の私のM-1記事でも書いたことだが、ワードの回収までが長すぎたり、回収するにしてもその言葉を強調していなかったりだと、たとえうまく回収されても一瞬「ん?」となる間が出来てしまいテンポの悪い漫才になってしまう。そして今回出てきた「ダンサーの綱吉」というワード。これがどこで出てきたかをはっきりと答えられる人は居ないだろう。正解はEXILEの41軍と生徒に手を出すタイプの数学教師の間。誰もピンと来ないと思われる。去年のマルコ牧師ぐらい強調してくれないとこちらには伝わらない。彼らはそこの見取り図が描けてない。「群馬あたりの伝説のホスト」「あおり運転の申し子」「激弱のバチェラー」など、字面で笑える漫才だったが、やはり一番笑えるあだ名は盛山がアメトーークで話していた「巨漢長髪髭男」と「堺の豚」だろう。見た目といえば、盛山はロッチ中岡にもラッパーのR-指定にも似ている。

 

ミルクボーイ「コーンフレーク」 93
思わぬ伏兵がいた。コーンフレークだコーンフレークじゃないの掛け合いを基にした、言ってしまえば壮大なあるあるネタなのだが、その行ったり来たりだけであれほどの笑いを生んだ。何といっても題材選びが良かった。誰かが傷つくわけでもない絶妙のところのネタ選びだった。しかし、群を抜いて面白いかというとそうではない。やはりテレビとスタジオでは場の空気感が違うようだ。

 

オズワルド「先輩を立てる」 91
ミルクボーイの余韻が会場に残るなか、うまくオズワルドの空気を作り出し、自分たちのスタイルをやりきったのは評価できる。最初は穏やかな漫才でスタートしたが、二人の会話の中の小さなズレがどんどん積み重なって、後半にしっかり爆発し笑いに変えた。ネタの中の強弱のつけ方が非常に上手く、これからの伸びしろに期待したい。

 

インディアンス「おっさん女子」 88
劣化版アンタッチャブル。彼らを表すのにこれほど的確な言葉は無いだろう。今はお互いの波長が合っておらず、基本的に何言ってるか分からない状態で突き進む感じなので、ある程度の笑いはとれても大爆笑をとるのは今のままでは難しい。ボケツッコミ共に改善の余地はあり、ボケはボケで精度を上げ、ツッコミはツッコミでボケをもっと拾っていかないといけない。今のインディアンスでは決勝に来ても結果は出せないと私は何となく思っていた。

 

ぺこぱ「タクシー」 91
昨年のおもしろ荘優勝コンビ。ツッコまずに全て受け入れるという漫才だが、彼らにとって幸いしたのは順番が良かったことである。様々なスタイルの漫才を見た後で最後にこれが来たことが高得点に繋がったと考えられる。一つ気になったのはボケの個性が強いこと。ボケとツッコミのどちらもキャラが強いとくどい印象を与えるため、フォもしろさがフォおきく減ってしまう気がする。……時を戻そう。面白さが大きく減ってしまう気がする。ぺこぱの漫才は🍆のツッコミが持ち味だと思うので、ボケはそれを引き立てる感じにするとバランスが良くなる。

 

 

 

 


【審査員採点分析】
新コーナーの審査員採点分析。箱ひげ図とか標準偏差を出すとか分析方法は色々あるが、それはネット上の他人に任せるとして、私は軽い分析をするに留めたい。スペースの都合上、コンビ名と審査員名は簡略化した。一応私の採点も書いている。


     巨   塙   志   富   礼   松   上    私
ニューヨーク   87  91  90  88  88  82  90 616 83
鎌鼬    93  95  95  93  94  95  95 660 92
和牛    92  96  96  91  93  92  92 652 92
末広がり  92  91  92  90  91  89  92 637 89
辛子蓮根  93  90  89  90  93  90  94 639 90
見取り図  94  92  94  91  93  91  94 649 90
ミルクボーイ 97  99  97  97  96  97  98 681 93
オズワルド 91  89  89  91  94  90  94 638 91
インディアンス  92  89  87  90  92  88  94 632 88
ぺこぱ   93  94  91  94  92  94  96 654 91

最高点   97  99  97  97  96  97  98      93
最低点   87  89  87  88  88  82  90      83


塙と志らくは採点が似ている。さらに2人とも関東の人間なのに東京スタイルのオズワルドを低評価にしているのが興味深い。志らくは昨年は審査基準が意味不明だったが、今年は発言も採点も納得できるものになっている。上沼はからし蓮根以降はすべて94点以上をつけていて、さらに94点が4組いる。私には採点を放棄したとしか思えないのだが上沼なりの採点基準があると信じたい。私の採点とちょうど被るような審査員はいないが、若干富澤や松本に近いか。

 

 

 

 


ぺこぱ「電車の席を譲る」 91
すべて受け入れるツッコミの漫才は他にも何度か観たことがあるが、この水準まで仕上げたのはぺこぱが初である。個人的にツッコミはビシッと決めてほしいという思いがあり、私もそういうツッコミでありたいと思っているが、それでも私に91点をつけさせたぺこぱの力量は賞賛に値する(上から言うな)。こういう漫才も、悪くないだろう(だから上から言うな)。

 

かまいたち「自慢」 94
これも屁理屈憑依山内。2本目の方が掛け合いが良かった気がする。途中で客に呼びかけたのは恐らくM-1史上初である。とするとオチは2パターンあるのだろうか。手が挙がらなかった場合のオチも気になる。後出しじゃんけんで負けたり、息継ぎのタイミングが変だったりとここでも小ネタ的なボケを挟んでくる技術があり、何よりコントも高い水準にあるのにそれに頼らず毎年しっかりとしゃべくり漫才を作ってくるのは素直に凄い。

 

ミルクボーイ「最中」 93
1本目とパターンは同じだが、敢えて違いを出すとすれば、1本目は「寿命に余裕があるから食べてられる」「朝から楽して腹を満たしたいという煩悩の塊」「生産者の顔が浮かばない」などコーンフレークへの偏見に満ちたネタだが、2本目はお菓子の家の施工の話や最中の家系図の話など最中への想像の話が多くを占めている。そして、「〇〇だ」「〇〇じゃない」のやりとりの回数も10回から13回に増えている。余談だが、駒場がなんとなく山井(中日)に似ていて、内海がなんとなく山川(西武)に似ている。それだけ。

 

〈参考資料〉
          │
     ┌─────────┐
     │         │
最中母=最中父  ──  不倫相手 │
   │     │   最中父の弟=
   │   ┌──┐       │
   ┌──┐八ッ橋 おたべ    もみじ饅頭
 最中 最中=アイス
      │
     モナ王
           │
       ???=
          │
         ???=
            │
           ???=
              │
              マカロン

 

 

 

 


いよいよ最終審査。私が投票するならかまいたちだったが、会場のウケ具合を考えるとまあミルクボーイになるだろうなとは感じた。


【最終審査結果】
巨人塙志らく富澤礼二松本上沼
 ミ ミ ミ ミ ミ か ミ
 ル ル ル ル ル ま ル
 ク ク ク ク ク い ク
 ボ ボ ボ ボ ボ た ボ
 丨 丨 丨 丨 丨 ち 丨
 イ イ イ イ イ   イ


【優勝:ミルクボーイ】


あぁ~!今トロフィーを頂きました~!!
という何とも綺麗な終わり方で今年のM-1は終了した。

 

 

 

~ちょっと一息③ 過去最高の戦い~
大会終了後、今大会は過去最高レベルの戦いだったという意見をちらほら目にした。断じて言うが、最高レベルではない。私が95点以上をつけたネタが無かったので過去最高とは言えない。ただ、ネタの幅は広かった。多様なスタイルのネタがそれぞれ面白かった(ニューヨークは前説だったが)のでそう感じるのだろう。
ちなみに、過去最高の戦いは決められないが、過去最高の最終決戦なら2016のスーマラ・和牛・銀シャリの戦いだと個人的に思っている。私は3組とも95点をつけたし、3組のネタ終了後、審査員が全員うなだれていたのが印象的だった。

 

 

 

 


(最後に)
昨年はジャルジャルスーパーマラドーナ、今年はかまいたちが卒業し(和牛も恐らくもう出場しないのでは?)、復活後のM-1を支えてきたコンビが卒業していく。一体どんな新世代が台頭し、どんな結成10数年の中堅が世に出てくるのか。M-1はこれから新たな局面に入るのだろう。

では次は3月末のR-1記事でお会いしましょう。


               おしまい。

 

 

 

 


~今だから言えること~
ミルクボーイの優勝は単に面白かっただけではなく、「誰でもどんなジャンルでもネタを作ることができる枠組みの発明」という要素が大きいと個人的には思っている。

 

 

 

 

 

 

↓2018

 

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↓2020

 

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※カープ解説2019

【自己満足記事 カープ解説2019】
               (約7400字)
※過去記事

脱稿 2019年12月16日
公開 2022年9月27日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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昨年は日本シリーズに絞って書いたが今年はシーズンの総括としたいと思う。長いが読んでみると意外とそうでもない(はず)。


〈今回のラインナップ〉
・まえがき
・シーズンまとめ&データ
・選手別講評
・神試合ベストナイン
・来季予想スタメン

 

 

 

 


・まえがき
私の広島カープ記事の連載は高1のときの学級日誌に始まる。文化祭が~とかテスト前で~とか好きなグループが~とかのくそつまらな…ゲフンゲフン……とてもお学校生活にお根ざしになった素晴らしいご文章があるなかで私が書いていた広島の記事は異彩を放っていた。その後年4回程度の連載が続くなかで、ちょっとした話題となり、一部から好評だったようだ。ならばその連載をこちらの方で続けていこうかという想いでこの記事を書き始めた次第である。

 

 

 

 


・シーズンまとめ&データ
まずは今シーズンの広島の流れを簡単に振り返ろう。今年は例年以上に好不調の波が激しかったといえる。
まずはオープン戦で優勝。さらに開幕戦に勝利。最高のスタートを切ったかに見えたが、その後5カード連続で負け越し、借金8の最下位に。その間は貧打・投壊・守乱とチームは完全に崩壊していた。しかし、熊本での試合を逆転で勝利し、次の試合でサヨナラ勝ちを収めた。これをきっかけにベンチに明るい雰囲気が戻ってきた。そこからチームは覚醒し怒濤の8連勝で借金を完済。そして5月に入るとさらに勢いは増し、11連勝を含む月間20勝を挙げる。3番バティスタが.352、4番鈴木が.383、5番西川が.366とクリーンアップが打ちまくり、5月はチーム打率.288、チーム防御率2.35というだいぶおかしなことをやってた。しかし全員が好調だった5月から一転、6月は全員が不調に陥り、交流戦ではバティスタが.215、鈴木が.238、西川が.225とあれだけ打っていた主軸が全く打てなくなり交流戦最下位に。悪い流れはその後も続き7月頭には11連敗を喫した。この時期は投打の歯車が全く噛み合わず、貧打・投壊・守乱と原因がはっきりしていた4月よりひどい有様だった。だって何をやっても勝てないんだもん。そしてオールスターを挟んで迎えた巨人3連戦。当時絶不調だった広島は絶好調だった巨人に3連勝してまたもや息を吹き返す。その後9連勝を飾って首位巨人と1ゲーム差まで詰め寄った。しかし8月半ば、バティスタがドーピング検査で陽性反応が出たため離脱。それからは巨人に1イニング10失点を喫したり、DeNAに7点差を逆転されたりと徐々に失速していき、最終戦に敗れて4位に終わった。以下はシーズン成績である。

 

シーズン成績 4位
70勝70敗3分 .500  打率.254 防御率3.68
まああれだけ不調や怪我があっての5割だから凄いっちゃあ凄いか。


  月間成績    打率 防御率
3・4月 12勝15敗    .225 3.80
5月  20勝  4敗1分 .288 2.35
6月    6勝15敗2分 .228 4.09
7月  11勝12敗    .253 3.92
8月  13勝14敗    .260 4.39
9月    8勝10敗    .261 3.74
何といっても目を引くのは5月の好調ぶりである。そして他の月は全て負け越している。

 

 

次に月別の主なスタメンである。
 4月    5月    7月    9月
1遊田中  1中野間  1中西川  1中西川
2二菊池  2二菊池  2二菊池  2二菊池
3中野間  3一バティスタ 3一バティスタ 3右鈴木
4右鈴木  4右鈴木  4右鈴木  4一松山
5一松山  5左西川  5左松山  5左長野
6三安部  6捕會澤  6捕會澤  6捕會澤
7捕會澤  7三安部  7三安部  7三メヒア
8左西川  8遊田中  8遊小園  8遊小園
過去3年と比べると固定できていない。丸の移籍だけなら3番を誰にするか論争だけで良かったのだが、そこに田中と松山の不振が加わって特に序盤は打線が訳分からん状態に。

 

 

最後に勝ちパターンの推移を見ていこう。
4・5月  一岡・フランスア・中﨑
6月   一岡・レグナルト・フランスア
7月   そもそも勝ち試合がほぼ無い
7月下旬 今村・遠藤・フランスア
8月   迷走状態
9月   中村恭・菊池保・フランスア
一岡と中﨑が離脱したことで崩壊した。頼みのフランスアも安定感は無かったが、中村恭と菊池保のおかげで何とか乗り切った。この二人が居なかったと思うと…。

 

 

 

 


・選手別講評
紙ボールの野球ぐらいの経験しか無く、せいぜい体育のソフトボールで7打数7安打程度の筆者の意見なのであまり大したことは言えないと思う。先発投手は勝敗と防御率、リリーフ投手は登板数と防御率、野手は打率と本塁打と打点を載せている。

 

~投手編~
12 九里亜蓮 8勝8敗 3.51
中盤のどん底期はエースとして活躍。その時期は九里しか勝っていなかった。楽天戦ではプロ初完封。いないと困る存在で最強の便利屋。


14 大瀬良大地 11勝9敗 3.53
交流戦までは防御率2.04と沢村賞も狙えるほどの無双状態だったがその後は防御率5.06。疲労が溜まり成績を落とした。ただ、2完封を含む両リーグ最多の6完投は素晴らしい。特に5月22日の91球完投は痺れた。


16 今村猛 27登板 3.55
夏場にはそこそこ活躍し、勝ち試合を任されることもあった。昨年の巨人戦といい今年のヤクルト戦といい、シーズンの初登板や故障明けの登板で無双する傾向がある。


17 岡田明丈 0勝2敗 14.14
開幕ローテには入ったが全くストライクが入らず即2軍行きとなった。中継ぎで1イニングを任せた方が自慢の直球が活きる気もするが、突発性四球病持ちで、中継ぎのその1イニングで発病されると大変なことになるので難しいところだ。


19 野村祐輔 6勝5敗 4.06
不調で2軍落ちしたが、そこからの中盤の立て直しはさすがだった。来季は明大の後輩の森下に先輩としての手本を見せるためにも2桁勝利を。


21 中﨑翔太 36登板 4.08
経験だけで抑えていたが崩れて2軍へ。どうやら膝を痛めていたよう。まだまだ若く、150km/hを超える直球とバットに当たらないスライダーの精度を戻して復活を待っている。


23 薮田和樹 0勝2敗 9.24
15勝して日本代表に選ばれたがその後は活躍せずという小松(元オリックス)曲線を順調に辿っている。


28 床田寛樹 7勝6敗 2.96
肘の手術を乗り越えて1年間フル回転。投球も見事だったが、非常にフィールディングが良いのも特徴。規定投球回に達していればゴールデングラブ賞も狙えたほどだ。


30 一岡竜司 33登板 2.90
途中2軍落ちしてから一切音沙汰がなかったが怪我だろうか?調べてもコンディション不良としか書かれていなかった。


42 ジョンソン 11勝8敗 2.59
4月は防御率7.20と苦しんだものの見事に復調し、5月以降は防御率1.91。後半戦不安定だった大瀬良を助ける働きをみせた。最優秀防御率のタイトルは最終戦の謎投手継投のせいで逃してしまった。私から謝っておく。ごめん。


47 山口翔 1勝3敗 4.85
デビュー戦で7回途中まで無安打に抑える快投を披露。同期の遠藤と切磋琢磨して将来のエースを目指してほしい。


48 アドゥワ誠 3勝5敗 4.32
高めに抜けてしまうと簡単に長打にされることが多く、恐らく球質が軽いのだと思われる。角度のあるクセ球を活かすためにも、低めに集めることに集中。


58 レグナルト 52登板 3.34
前半戦は防御率0.86と抜群の安定感を見せていたが、だんだんと対策されたのか、よく見極めたら四球になることに気づかれたのか。自滅する場面が目立ち、後半戦の防御率は9.35まで悪化した。


59 菊池保則 58登板 2.80
まさに影のMVPだった。7月は10試合無失点。セ・リーグ相手に限ると防御率1.91と安定していた。そういえば6月の初めに投球前に背中に蝶が止まるという珍現象があった(だから何)。


62 ヘルウェグ 5登板 0.00
広島の最終秘密兵器で対右打者初見殺しだがフォームが独特でクイックが苦手なため出塁されると高確率で三塁まで行かれる。今季限りで退団となったが、どこかが獲りそう。


64 中村恭平 43登板 2.64
今年リリーフとして覚醒。直球は最速156km/hを記録した。


66 遠藤淳志 34登板 3.16
なんか投げ方がいい。勝ちパターンの一角を担った時期もあり、セーブも1つ記録した。来年は先発として飛躍を。


97 フランスア 67登板 2.76
何といってもメンタルが弱い。走者を出すと明らかに動揺しているのが分かる。自信を持って投げればそうは打たれないと思うのだが。

 

 

~野手編~
00 曽根海成 .200 0本 2点
ソフトバンクの育成出身で潜在能力はある。守備は安定しているだけに打撃覚醒なるか。


1 鈴木誠也  .335 28本 87点
4番として孤軍奮闘。マークが集中するなかでもしっかりと結果を出し、初タイトルとなる首位打者&最高出塁率。なんとなく誠也の初タイトルは打点王かなと思っていたのだが。プレミア12では日本の4番として活躍し大会MVPにも輝いた。


2 田中広輔 .193 3本 27点
スイングの違和感は感じていたがやっぱり怪我をしていた。ここで終わるような選手ではないはずなのでしっかり治して来年また活躍を。


5 長野久義 .250 5本 20点
秋はさすがの働きでチームを支えたがやはり春先は打てなかった。松山も同じく春に打てないことで有名で、これまではその穴を毎年春は絶好調のエルドレッドが埋めていたのだが、そのエルドレッドも今年居なかったし。春打てないベテランを2人置く余裕はあのときのチームには無かった。


6 安部友裕 .254 8本 28点
ライナーに対しては強いが、ゴロをよくはじくなど、守備でまあまあやらかす。ただ、菅野から2本放つなど8本塁打は自己最多で、エラーをした後にホームランを打つ、という“覇気”の光景もよく目にした。今年は特に中日に強く、打率.346を記録した。ナゴヤドームに限ると打率.433。


7 堂林翔太 .206 0本 2点
永遠のブレイク間近。9月12日のサヨナラ打が唯一の活躍だった。チームからサヨナラしないようにそろそろ1軍定着を。


27 會澤翼 .277 12本 63点
得点圏打率.351、サヨナラ打3回と勝負強さを見せ、日本の正捕手にもなった。年々前田智徳に似ていくのはなぜだろうか。


33 菊池涼介 .261 13本 48点
今年も守備でチームを救った。チャンスや土壇場に強く、得点圏打率は.333で、オールスターまでは4割を超えていた。メジャーでは打撃が通用しないと言われているが、私はそんなことはないと思う。菊池は野球への本能というか野球勘というかが人より強い気がする。基本的に来た球をとにかく振るタイプなのでどこへ行っても打撃成績はあまり変わらないのでは、というのが私の予測。


35 三好匠 .182 2本 7点
楽天からシーズン途中にトレードされた。守備は流石だったが、打撃はやや苦しいか。基本的にセ・リーグは変化球文化で、パ・リーグは直球文化という違いがある(と思ってる)。早くセ・リーグに慣れて、「当たれば飛ぶが当たらない」状態からの脱却を。選球眼は良いようで、押し出しの四球を選んだことが多く(確か4回ぐらい)、一時期は「三好満塁時押し出しの法則」が成り立っていた。


37 野間峻祥 .248 2本 16点
序盤はチームで唯一の3割打者として奮闘しており、「丸の穴は野間が埋めたが野間の穴が埋まらない」などと言われていた時期もあったが徐々に数字が落ちていった。打率が下がるにつれてだんだんとバットを短く持つようになったのが気になるが、それでは自分の打撃を活かせていない。コツンと当てて内野安打という選手より、振り抜いて外野を破って3塁打という選手を目指すべきであり、そうなれる能力はある。秋季キャンプではしっかり振り抜くスイングで外野を破る打球を連発していたようなので来年は野間の長打に期待していいんだよな!?


40 磯村嘉孝 .278 4本 21点
打撃開眼し、一時期は完全に「打てる捕手」となった。得点圏打率.389とチャンスに強かった。


51 小園海斗 .213 4本 16点
田中の不振もあって後半戦はスタメンで起用された。打率こそ低いが本塁打を4本放ち、高卒1年目から結果を残した。ヤクルト戦での打率は.359。


55 松山竜平 .259 6本 49点
不調で2軍落ちも経験したが後半復調したのはやはり流石である。鈴木の後ろで3割打ってくれれば打線が安定する。毎年チャンスに強く、後半戦の得点圏打率は.387。


61 坂倉将吾 .230 1本 7点
今年は代打出場が主だった。来年は高卒4年目となり勝負の年。2軍では無双しているのでなるべく1軍で使いたいがポジションが今のところない。


63 西川龍馬 .297 16本 64点
後半戦から1番に定着しホームランは自己最多の16本。1番での打率は.333で、東京ドームでは.477と打ちまくっていた。さらに、5月には球団2位となる27試合連続安打、7月には球団新記録の月間4本の先頭打者本塁打、8月には球団タイ記録の月間42安打をマークするという記録ずくめの1年となった。今年から挑戦した外野守備も次第に安定していき、特に9月10日の試合での右中間の打球を走りながら捕ったプレーは素晴らしかった。


95 バティスタ .269 26本 64点
5月の快進撃を支えたがドーピング検査に引っかかって登録抹消となった。


96 メヒア .259 7本 17点
バティスタの穴を埋めるほどの活躍は出来ず。2軍では4冠王ともはややることがない状態なので、あとは1軍レベルのピッチャーに慣れるだけ。手足のリーチが長いため、内角に詰まらされたり、外の変化球を追って空振りすることが多く、もう少しバッターボックスの外側に立った方がいいかもしれない。

 

 

 

 


・神試合ベストナイン
私が毎年勝手に決めている神試合ベストナインの2019年版をお届けする。ただ優勝していないからか去年と比べると小粒。

 

     3/29 広島5-0巨人
     巨人 000 000 000 0
     広島 001 000 04X 5
3回に安部の今シーズンの12球団最速となるホームランで先制し、8回にも加点して突き放した。大瀬良は丸を4打席連続の三振に仕留めるなど8回無失点11奪三振の圧巻のピッチング。

 

     4/17 巨人4-5広島
     広島 001 000 103 5
     巨人 200 000 020 4
フランスアが丸に2ランを浴びて勝ち越しを許す。敗戦ムードのなか、1点を返しなおも2死三塁の場面で菊池が起死回生の同点打を放つ。さらに続く石原が決勝打。

 

     4/19 広島2x-1DeNA
     DeNA 000 100 000 0   1
     広島   000 000 010 1x 2
8回に代打西川が同点タイムリー、10回に會澤がサヨナラ打。ベンチに明るい雰囲気が戻った試合。

 

     5/15 広島9x-7ヤクルト
     ヤクルト 201 001 300 0   7
     広島 010 010 014 2x 9
4点を追う9回、鈴木と磯村のタイムリーで1点差とし、小窪が押し出し四球を選んで同点に追いつく。そして迎えた10回、鈴木がこの日2本目となるホームランを放ってサヨナラ勝ち。

 

     5/30 ヤクルト0-13広島
     広島 300 133 102   13
     ヤクルト 000 000 000 0
プロ初登板となった山口が7回2死まで無安打に抑える。打線も爆発し、16安打で13点を挙げた。ちなみに、山口はこの試合で、バント失敗による三振・空振り三振・三振振り逃げ・見逃し三振と三振コンプリート(私独自の言い方)を達成した。プロ初出場となった試合でのこの記録は珍しいのでは?

 

     6/25 楽天0-2広島
     広島 100 010 000 2
     楽天 000 000 000 0
初回に菊池のソロで先制。5回には内野ゴロの間に1点を加えた。九里が9回を3安打無失点に抑えてプロ初完封。

 

     7/19 広島7-6巨人
     巨人 101 300 010 6
     広島 000 111 13X 7
鈴木と西川のタイムリーと安部のソロで中盤から追い上げ、菊池のタイムリーで1点差まで詰め寄る。8回に松山のタイムリーと會澤の2ランでついに逆転。5点差を逆転しての勝利だった。

 

     7/23 広島6x-5中日
     中日 003 200 000 0   5
     広島 001 000 013 1x 6
9回2死から菊池のタイムリーとバティスタの2ランで土壇場で同点に。10回裏、この回先頭の安部が逆方向にしれっとサヨナラホームラン

 

     8/20 広島9x-8ヤクルト
     ヤクルト 102 000 041   8
     広島 001 300 104x 9
2本塁打などで終盤に逆転を許したが、9回に鈴木の3ランで追いつく。その後2死二塁から三好がプロ初となるサヨナラヒットを放った。

 

 

 

 


・来季予想(というか願望)スタメン

      1中西川
      2遊田中
      3二ピレラ
      4右鈴木
      5一松山
      6左野間(長野)
      7捕會澤
      8三安部(メヒア)

4番鈴木に異論がある人はいないだろう。1番に入ってから好調だった西川を来年も1番に置き、器用な田中を復活したら2番に置きたい。新外国人のピレラと勝負強い松山で鈴木を挟み、野間が打撃好調なら6番に据え、會澤、安部と続く。左投手の場合は長野やメヒアを使っても面白い。

 

 

 

ではM-1まで筆を休めます。
こんなに時間がかかった記事は初めてなので来年からはここまで細かく書かないことに決めた。

 

 

 

 


~今だから言えること~
そういえば坂倉が61番だったの忘れてたわ。
もともと8900字ぐらいありましたが都合によりだいぶ削りました。削ったところの一部は新規の記事として独立させて改めて書く予定です。

 

 

 

 

 

 

↓2018

 

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↓2020

 

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※キングオブコント2019

キングオブコント2019講評】(約4700字)
※過去記事

脱稿 2019年11月2日
公開 2022年9月16日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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読みやすさに定評がある(と思ってる)私の自己満足記事である。放送から1か月以上遅れてお送りする。片手の指が余るほどの私の読者に届けたいと思う。一人でも読んでくれる人がいるのなら、最悪読んでくれる人がいなくても、私は書き続ける予定なのでそこんとこよろしく。昨年のM-1や今年のR-1の私の記事を読んだ人なら分かると思うが、私の考察記事はネタ中のフレーズや設定を講評文の中に入れて上手いことを言う(というか言いたい)という特徴がある。そこが私の記事の読みやすさに繋がっているという自己評価である(何の話だ)(わざわざ自分で言うのも恥ずかしいのであまり大声では言いたくないが、あえて言いました)。それはさておき、これからはM-1とR-1とキングオブコントを全部書くことにした。さらに毎年出す予定の広島カープ記事と合わせて自己満足記事は年4回の公開を予定している。気が向けば+αで何か書くかもしれない。

 

 

 

まず一つ言わせてほしい。前回大会から決勝進出者はシルエットのみ公表され、本番でようやく発表されるようになったが、この制度必要?決勝進出が決まって本番前に軽く宣伝も兼ねてテレビに出られることもあるし、芸人にとっては不利でしかない。また、決勝進出者に無名の芸人がいたら過去の動画を漁ったり、どんなネタをするのかと考えたりするコアなファンもいるだろう。私はそこまでではないが、それでも誰が優勝候補かとか、こいつ知らねーなとかは考える。とすると、この制度は視聴者にとっても芸人にとってもメリットは無いといえる。つまり私が言いたいのは、そんな小手先だけで数字を取ろうとする制度はやめろということである。

 

 

じゃあ採点いくよ~~(いや軽いな!)

 

 

 

 


うるとらブギーズ「催眠術」 90
今大会で初めて見たコンビである。ネタは悪くない。最初は観客に?と思わせておいてだんだんとタネが分かってくるにつれて面白くなり、最終的にカシモトが何人もの台詞を喋る。1つの設定を飽きられることなく最後までやり続けたのはシンプルに凄い。というか「カシモト」という名前のチョイスが絶妙。カシモトっぽいもん。審査員はまるで催眠術にでもかかったように軒並み高得点だったが、確かに面白さはあるがそこまでのネタだろうか、と私は感じた。

 

ネルソンズ「誰にも言わない?」 89
あいつは絶対に秘密を言うだろうなと視聴者全員が思った。「部室掃除させるぞ」や「グラウンド整備させるぞ」といった軽い罰でも言っちゃうのがまた面白い。最後の謎のキレ方も含め、にちようチャップリンでのネタと比べるとちょっとバタバタしすぎた感じはある。

 

空気階段「タクシーの客」 91
新品のトランペットにへちまが入っていたり、親戚80人でジェネレーションズのライブに行ったり、という奇想天外なボケをかましてくるが、その人物が実際にいて、しかも外見がそっくりの別の人という展開。最後まさかの3人目がいることが発覚したところで終わってもいいのだが、その3人目を追いかけていくところで終わるのも秀逸。審査員の点数は低かったが、全然悪いネタではない。

 

ビスケットブラザーズ「知らない街に来た」 91
こちらも今大会で初めて見たコンビ。見た目に反したメルヘンなファンタジーコント。最初はのんびりしたキャラコントだが「全て思い出した!」から怒濤の展開が待っていた。まさかあんなことになるとは、といった感じで引き込まれる。最後のオチのくだらなさとのギャップもまた良い。

 

ジャルジャル「英語に聞こえる」 94
ジャルジャル凄い。M-1での言葉遣いのネタや、ピンポンパンゲーム、国名分けっこなど独創的なネタをよく考えつくよなと。そしてそれを外さないし。発想力は芸人の中でトップクラスなのではないか。途中英語を喋って日本語に聞こえるかどうかを試すのだが、聞こえた日本語が「天井が~穴だらけで~サビだらけの~一輪車が~ハンガーを~ネズミで~ずーっと…」という絶妙な気持ち悪さを持っているのも高評価ポイント。私は今大会で一番のネタだと思ったが、審査員からの評価は不当に低かった。

 

どぶろっく「神様と農夫」 93
こいつらアホだ。どぶろっくがコントって何をやるのだろうかと思ったがまあそういう系か。ただしょうがない。笑ってしまったからには点数をつけるしかない。「皆が二度見する」とか、「体に担げるぐらいの」という形容詞が馬鹿馬鹿しすぎて面白かったのでそこは評価した。それにしてもまさかこのネタが過去最高点(現行方式になった2015年以降で)になるとは。

 

かが屋「プロポーズ」 89
このコントは現在と過去の対比で笑いを生むという高度なことにチャレンジしており、そこにかが屋のセンスの高さが見て取れる。一般的にコントの出だしは状況説明から入ることが多いが、このコントはそこを詳しく説明せずにカレンダーの存在などで、暗転が多いが実はすべて同じ日の出来事だという時間軸を分からせている。賀屋が持っている花が無駄にデカいのもだんだん面白くなってくるのだが、悔やまれるのは、展開が「彼女が来ない」の一点張りで、さらにオチも弱かったこと。ちなみに、ネタ中に流れていた閉店のBGMは蛍の光ではなく別れのワルツという曲。原曲は一緒だが、蛍の光は4拍子で、別れのワルツは3拍子という違いがある。

 

GAG「芸人の彼女」 88
発想としては良いし、ネタに市役所勤めのような安定感は出てきているのだが、爆発的に面白くなるかというとGAGはそういうトリオではないだろう。また、宮戸扮する女が「私はブスでいい、ブスでいく」と言うくだりがあるが、そもそもブスなのでこのくだりにはリアリティーがない。ただこのネタに関しては、男女コンビのネタの一種のあるあるやキャラの方向性の選択などが描かれているため、芸人が共感できるコントだというのは分かる。そのため審査員からの評価は高かったと思われる。

 

ゾフィー「腹話術師の会見」 87
前回決勝に来たときのネタがくそほどつまらなかったゾフィーだが、人形やカメラワークの部分に助けられた感じはあるものの、今回はだいぶましになったといえる。腹話術師というお前誰だよ的な存在の人にも不倫の謝罪会見の場が与えられるという現代への風刺を感じるネタだが、内容はまあその程度かといったゾフィークオリティだった。「でも~前のくそみたいなネタに比べれば~少しはましになったんでしょ?」「もちろん少しはましになったよ」「じゃあ~問題無いんじゃない?」「…たしかにね」とはならなかった(ならなかったんかい!)。

 

わらふぢなるおバンジージャンプ」 86
去年のネタがただイライラさせるだけのものだったため去年は酷評させていただいたが、今回はイライラ感は無くなったが同時に笑いも減った。彼らのネタのスタイルは、変なボケに対してシンプルなツッコミを入れるという、どちらかと言えば正統派であるため、ひとつひとつの言葉がハマらなければ苦しくなる。最初に決勝進出した2017年のネタはそれが一番出来ていたのだが……。このままではバンジージャンプのように落ちていくかもしれない。

 

 

 

 


ここでちょっと小話をひとつ。今大会で初めて、同率3位でジャルジャルGAGが並ぶという現象が起こった。上位3組が2本目をやるというルール上、どちらか一方を選ぶというのはしょうがないことである。ただ、今回はジャルジャルが選ばれ、私も投票するならジャルジャルだったが、もちろん逆の人もいるだろう。審査員の人数を増やしたらどうかという意見もあるが、それでも同点で並ぶ可能性が減るわけではない。何か良い案あります?(逆に質問)

 

 

 

 


ジャルジャル「泥棒」 86
泥棒がとっさについた嘘が奇跡的につながるという展開。1本目のネタと比べると笑いは少なかった。最後ホラーで終わったのもとりあえず終わらせてみました感が強く、ネタの構成という点では評価を下げざるを得ない。もしかすると夢オチのような展開だったのは本物の庄原から泥棒への庄原ショータイムだったりして……。福徳が足を怪我したため急遽ネタを変更したようだが、もし本来やる予定だったネタならどうなっていただろうか。

 

うるとらブギーズ「実況と解説」 88
くだらない話に夢中でキックオフの瞬間やゴールシーンなどの大事な所を見逃すという設定は実に良い。あの二人が実況っぽいし解説っぽいし実際に居そう。ただ、笑いが起こるポイントが、キックオフを見逃したところ、ゴールシーンを見逃したところ×2、でも見れました~、のせいぜい4回(個人差あり)で、その他のくだりでは笑いのゴールを決められなかったのが惜しかった。

 

どぶろっく「神様と山男」 85
配役は逆だが、場面や曲は同じで、1本目とほぼ一緒の展開。別にこのネタに限ったことではないが、同じテイストのネタ2本だと工夫しなければ飽きられてしまう。自分たちにはこれしかないと言っていたようにこれがどぶろっくのイチモツなのだろう。それならもう私から言うことはない。自分たちの信じる道を勝手に突き進んでほしい。ただ、正当派のしっかりとしたコントを作り込んでいる芸人に失礼なので、キングオブコントチャンピオンと大々的に名乗ってほしくはない。

 

 

 

 


~言い訳~
今回初めてキングオブコントの講評を長尺で書いてみたがコントの評論というのは難しい。M-1の感想記事のときは言葉がすらすら出てきたのだが、今回はなかなか筆が進まず、完成までかなりの時間がかかってしまった。そのため、少々説明不足であったり、うまく表現できなかったりと私の売りである読みやすさの質がたぶん落ちている。この反省は来年のキングオブコント考察記事に活かすつもりなのでご了承いただきたい。また、同時期に記事の執筆を4つとデータ収集を3つ並行しておこなっており、フリーライターみたいなことになっていたのも時間を要した理由である。

 

 

 

~誤植~
今大会で私が見つけた誤植を紹介する。
まず1つ目、ネルソンズがネタを終えて出て来たときに画面の下にテロップで名前が出たのだが、青山と岸のテロップが逆だった。2つ目、画面右上のシルエットの紹介文で「次は2年連続出場コンビ」とあり、わらふぢなるおが登場したが、わらふぢは3年連続である。どちらも少し確認すれば防げるミスであった。生放送ではあるが、確認はしっかりとしてもらいたい。

 

 

 

最後に、今後の自己満足記事の公開予定を載せておこうと思う。

   11月末 カープ解説
   12月末 M-12019講評
                 です。

ただ、今年はM-1の決勝が12月22日と例年より2週間ほど遅いため、M-1記事を年内に公開するのは厳しいかもしれない。

 

                   終

 

 

 

 


~今だから言えること~
決勝進出者シルエットは一瞬で終わったね。良い傾向。やっぱりダメだったものはすぐ戻さないと。R-1よ、お前のことだぞ。

 

 

 

 

 

 

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※R-1ぐらんぷり2019

R-1ぐらんぷり2019 感想】(約3300字)
※過去記事

脱稿 2019年3月29日
公開 2022年9月14日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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私がお送りする自己満足記事、今回はR-1編である。R-1のレベルはM-1キングオブコントと比べると圧倒的に低く、話の種にしてもM-1ほど盛り上がらない。そのためただでさえ片手の指が余るほどしかいない読者が「M-1はまだしもR-1か……」と更に敬遠する恐れがある。しかし、私の根底には、「万人受けするより一人の心に深く刺さるべき」という考えがあり、この記事がどこかの誰かの無意味な暇つぶしになればと思い記事を書くこととする。今年も昨年と同様に読みやすさ重視でいくのでそこんとこよろしく。

 

 

 

とりあえず言いたいこと①
今大会をざっと振り返るとR-1にしてはまだレベルが高い方だった(R-1は2012,13年辺りが最もレベルが高く、そこから2016年まで急降下を続け、2017,18年でごくわずかだが回復の兆しを見せてきた)。しかしこれは元々の期待値が異常に低いためで、今大会が抜群に面白かったかというとそうではない(ただtheWのようなゴミとは比べようもない)。

 

とりあえず言いたいこと②
何あの客。笑いも大きすぎるが「えー!」などの驚きの声や「ヒャー」などの悲鳴が多すぎる。いちいち真に受ける馬鹿が多かったのか、それとも毎回スベり倒して客席が凍りつくのでリアクションを大きくするようにスタッフから頼まれていたのか。別に芸人のネタに一言一句反応する必要はない。悲鳴を出されてはネタの進行の邪魔になり芸人にも迷惑がかかる。

 

とりあえず言いたいこと③
お茶の間d投票やめたの?何で?これをやめたから同点の場合はより多くの審査員の票が入った方が勝ちという謎のルールができた。どうやらR-1は視聴者の声を無視していくようです。

 

 

 

では採点について軽く。今大会を一言で表すなら「30点はないけど80点もない」である。非常に採点が難しかった。あまりネタのクオリティに差がないため、60点をつけたネタが次の週には57点や62点をつける可能性は大いにある。そのためこの採点から±5点ぐらいは変わるかもしれない。去年のように「何で長田や粗品が敗退するんだ(怒)」といったことはなく、別に誰が勝ち抜けてもいいという事態が私の中で多発した。これを承知の上でここから下をお読みいただきたい。

 

 

 

 


チョコレートプラネット 松尾「一休のIKKO」 44
松尾によるIKKOのモノマネネタ。クオリティは高く、見せ方は上手いが、既にテレビでどんだけ~というほど知られているため新鮮味は薄く、高評価は望めずにまぼろし~になると思われる。残念、背負い投げ~。椅子に座ろうとしてこけたのが古典的すぎてちょっと笑った。

 

クロスバー直撃 前野「動体視力テスト」 58
だんだん小道具が訳が分からなくなるが、それを見せるだけで終わらず、最後に一工夫することでネタの完成度を上げている。ああいうのはずるいという声もあるようだが私は面白くなるなら別に構わないというスタンスです(そのため私はおぐの2014年のネタに高評価をつけている)。

 

こがけん「マジカルマイク」 51
マイクを使うと80年代のロック歌手のようになってしまうという設定。そこそこ面白かったが、分かる人にとってはもっと面白いのだろうと思う。

 

セルライトスパ 大須賀「囁き漫談」 60
発想はいい。人は普通の声より小声の方が集中して聞いてしまうもの。内容も決して悪くはなかった。(余談)セルライトスパというコンビはM-1の敗者復活などで何回か見たことがあったが、あまり良いとは言えなかった。しかし今年のおもしろ荘でやってたネタは腹を抱えて笑った。

 

 

Aブロック勝者 セルライトスパ 大須
※R-1の場合審査員採点へ口出しするときりが無く馬鹿馬鹿しいので審査員へはノーコメントでいきます。

 

 

 

 


おいでやす小田「勝ち組のつらさ」 68
毎年なんだかんだでそれなりのネタを作ってくる芸人。ただ残念ながら本人に華がなさすぎるため勝ち上がっても優勝する画が浮かばない。

 

霜降り明星 粗品「夢フリップ」 70
センスは悪くなく、フリップもある程度の水準なのだが半分ぐらい見たことあるやつだったので減点。一つ気になったのは最初に言っていた「夢って変ですよね」。これから出すフリップが変な夢の中の話だということを言いたかったのだろうか。私はその一言が変に引っかかってしまった。絶対に言わなければならない台詞ではないような気がする。

 

ルシファー吉岡「女子高と統合」 47
ルシファーには下ネタと教師ネタを毎年交互にしなければならない決まりでもあるのだろうか。

 

マツモトクラブ「真実を見抜く犬」 56
初めて決勝に進出した2015年のネタ(帰れのやつとお賽銭のやつ)が最高に面白かったため期待値が高まってしまい近年劣化してしまっているマツモトクラブだが、今回ついに復活の兆しか。発想や哀愁が笑いに繋がっていないことが多かったが今年の出来は2015年ほどではないが良かった。

 

 

Bブロック勝者 霜降り明星 粗品
おいでやす小田がファイナルステージ行きたいと叫んだのが今大会で一番面白かったポイント。理不尽に負けたのに巻きのせいでコメントをさせてもらえない小田がちょっと可哀想だった。じゃあミスターデンジャーのくだり要らないじゃん。

 

 

 

 


だーりんず 松本りんす「カツラ芸」 64
スリルと馬鹿馬鹿しさの芸ずら。確かに本人が言っていた通り、アキラ100%とザコシを足して2で割った感はあるずら。

 

河邑ミク「大阪へ引っ越す」 42
放送直後ネット上で根性焼きにされたようだが大阪の人がやってるから別にいいのでは?翔んで埼玉の作者も埼玉の人だし。悪口と自虐は別のものなので。余談だが、撃たれたふり強要は個人的に本当に腹立つのでやめていただきたい。

 

三浦マイルド広島弁漢字ドリル」 52
ことばを巧みに使ったネタが多い三浦マイルドだが、今回のネタは優勝した2013年のネタや私は大好きなのだがうるさいだけの池崎になぜか負けた2017年のネタと比べると劣る。

 

岡野陽一「鶏肉を飛ばす」 49
かなり狂気を感じるネタである。このネタを1位に選んだ復活ステージの客凄いな。岡野がピンということは巨匠解散したのか。

 

 

Cブロック勝者 だーりんず 松本りんす

 

 

 

 


セルライトスパ 大須賀「囁き漫談」 61
2本目も赤ん坊を使いそうになるが、赤ん坊から猛獣に変えてきたのは評価できる点だ。ちなみに、大須賀がネタの中で言っていた「食パンの食って、いる?」についてだが、「食パン」の「食」は、菓子パンとは違って主食として食べられるパンだからという説や、デッサン用のパンではなく食用のパンだということを強調するためにつけられたという説などがある。

 

霜降り明星 粗品「夢フリップ」 63
7割ぐらい見たことあるやつだったので減点。

 

だーりんず 松本りんす「カツラ芸」 60
クリップで引っ張っても大丈夫な辺りさすが60万円のカツラずら。

 

 

そういえば全員2本目はあまり設定を変えてこなかったとふと思った。

優勝 霜降り明星 粗品

 

 

 

 


優勝は粗品となった訳だが、私は今年の粗品のネタに素直におめでとうとは言えない。M-1で優勝して売れていったことで、R-1用のネタを作る時間が減ってしまったことは大いに理解できる。しかし、大半のフリップを7年前のネタや去年のネタの使い回しというのはいかがなものか。粗品には新ネタを作ってぜひ来年本当の優勝を達成してほしい。

 

               おしまい。

 

 

 

 


~今だから言えること~
R-1アマチュア部門って結局何だったんでしょうね。

 

 

 

 

 

 

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※M-1グランプリ2018

M-1グランプリ2018 感想】(約5200字)
※過去記事

脱稿 2018年12月31日
公開 2022年9月9日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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ネタの感想の前に一つ。
笑神籤はいらない。こちらとしては最高の漫才を最高のタイミングで観たいので事前に順番を決めて漫才をした方が芸人にとっても視聴者にとっても良い。その上笑神籤をゲストを呼んで引かせる意味は何だ。ゲストを使うと笑神籤の本来の目的とはズレるので邪魔でしかない。

 

最初に私の採点基準を伝えます。基本的には笑いの量(+構成点+感動点±その他)。目安は90で良い、94で素晴らしい、95で最高。96以上は余程でないとつけない。ここ数年の賞レースで96以上をつけたのはタイムマシーン3号96(M-12015)、三拍子98(THE MANZAI 2014)ぐらい。では考察を始めます。

 

 

 

 


見取り図「女の子を紹介」 89
去年敗者復活戦で観たが大して面白くなかったコンビ。しかし今年はまあ決勝で見せられるぐらいにはなったかなという印象。成長の跡が見られたが改善すべき点は多い。まずツカミだが、豚まんと言われても豚にも豚まんにも豚肉にも見えない。次に「すがゆりこ」「マルコ牧師」というワードだが、実在しない人物を出して誰それという回収は悪くはないが回収までが長すぎた。その間視聴者はずっと頭の片隅に?マークを浮かべながら観ることになるため漫才に集中できない。マルコ牧師は何回か言って強調していたので記憶にあったが、すがゆりこに至っては序盤にポロッと言っただけなので誰~?と言ったときに最初は私も本当に誰?となった。あーそういえばそんなこと言ってたなー程度のものを回収する方があたおかである。あと「あたおか」という言葉を聞いて瞬時に「頭がおかしい」と連想できないのでそれを自分たちの自慢のフレーズにするのはやめた方が良い。何より流行らない。水上和巳さんの描いた見取り図でも見て笑いを磨いてほしい。…誰~?何か回文になってるし~……。ツッコミの方がどことなくロッチ中岡に似ている(超主観)ので「あたおか」をやめて「なかおか」にしたら良いと思う。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
88 91 85 85 86 83 88 606
特に言うことはない。

 

 

 

スーパーマラドーナ「怖い隣人」 91
今年がラストイヤーのスーマラ。私も応援していたがやや期待外れ。まずその何回も聞いたツカミは変えてほしい。怖い隣人の武智が田中の家に行ったが実は田中の方がヤバイ奴だったという導入は素晴らしい。期待値は跳ね上がったがそこからは下がる一方だった。後半はサイコ要素が強めで結果的に笑いに繋がらず全体の笑いの量は少なかった。期待していた人たちにとっては本当に地獄のショータイムになった。田中がドアを閉めたところがこのネタのピーク。もっと後半に大きな笑いがあれば結果は違ったものになっただろう。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
87 90 89 88 89 85 89 617
まあそんなもんかといった具合。

 

 

 

かまいたち「過去に戻るなら」 92
去年の反省を活かしてきた。怖い話で笑わせたいのか卍の話で笑わせたいのかがどっちつかずだったため、ポイント以上に勿体なかった去年とは違い、「好きだった子に告白」と「ポイントカード」という二つの言葉をうまく組み込んで脱線することなく笑いに変えていた。しかし優勝できるかと言われるとそのレベルではない。かまいたちを批判しているわけではなく、漫才とコントの二冠を目指す彼らに求められるレベルというのはどうしても高くなってしまうのである。ちなみに私は去年のネタの方が笑った覚えがあるのだが、漫才としては今年の方が出来がいいと感じた。例えるなら楽しいゲームと面白いゲームの違い。いま分かりにくく説明してます。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
89 92 92 88 91 90 94 636

 

 

 

ジャルジャル「国名分けっこ」 95
凄い。シンプルに凄い。2015年に素晴らしい完成度の漫才を披露し、去年には強烈なインパクトを残したジャルジャルが今年も凄いものを見せてくれた。理由は全く分からないがとにかく笑った。個人的には今大会最高のネタである。このネタを観て以来地理の問題でインドネシアとアルゼンチンが出てくるたびにドネシアとゼンチンが頭をよぎる。点数は最初94としたが後に2015年に並ぶネタだと判断しなおし、ラストイヤーの御祝儀と、ずっと自分たちのスタイルを変えなかった信念への敬意も含めて95とした。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
93 93 93 99 90 92 88 648
志らくが笑えなかったけど面白いと言って99点をつけたのが全く理解できないが後はそれなりに高い点数となった。上沼はどこがどう嫌いなのかという肝心な部分を言わず、ただ「このネタは嫌い」と言っていた。そういうとこだぞ。

 

 

 

ギャロップ「モデルとのコンパ」 87
キャリアがあるだけに悪くはない。面白い。安定感はある。だが普通。爆発力に欠ける。こんなところだろうか。この舞台のこのタイミングで披露するネタとしては華や動きや強弱が足りない。劇場で座ってのんびり観るタイプの漫才。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
87 90 89 86 87 86 89 614
上沼さん、自虐ネタはウケないと言いましたね!では後ほど。

 

 

 

ゆにばーす「遊園地」 88
まず敗因としてはツカミを外して噛んだこと。これにより余裕がなくなって空回り。ネタを音読するので精一杯になってしまい、「UHA味覚糖」「遠心力を揃えろ」などのせっかくのワードも活きない。川瀬名人と名乗るなら極度の緊張に陥ることなく高速ツッコミ16連射を決められるぐらいにはなってほしい。あと途中のしゃべくりパートはどっちつかずになって質を下げるだけなのでしゃべくり漫才コント漫才かどちらかに統一すべき。あれが必要だったとは思えないし。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
84 91 82 87 86 80 84 594

 

 

 

ミキ「ジャニーズ事務所」 92
「ジャニーズのグループのメンバーに欠員が出てる」には笑わせてもらった。確かに最近は問題を起こしたり気が狂ったりしたのか脱退することが多いね。そしてまた大して売れもしないであろう変なグループ(某キンプリなど)ができてすぐ消える。飯時の牛丼屋より人の回転が速い。こんな感じで悪口を言っても安心だ。私の身近な人にジャニーズファンはいないのだから。話を戻すと、面白いけど去年の方が良かったというパターン。テンポは良いのだが内容を進歩させないと去年の成績を超えることはできないだろう。ただ漫才に安定感が出てきたように思う。この安定感を生かすも殺すも彼ら次第。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
90 93 90 89 90 88 98 638
おい上沼!絶対贔屓してるだろ!!
全編自虐ネタだったぞ!!!いくら何でも98はやり過ぎだろ!!!!

 

 

 

トム・ブラウン「ナカジマックス」 79
面白くない。2015年に復活してからは昔のM-1のように本当に面白くない奴は出てこなかったが、久しぶりに来た。彼らは面白いと思ってやってるのだろうか。だとしたら本当に「ダメ~~」である。2本目にやる予定だった土の中から加藤一二三が出てくるネタもにちようチャップリンで観る機会があったが、びっくりするほど面白くなかった。観たのがM-1の前日だったのだが、M-1では大丈夫かと不安になったらその通りの結果となった。君たちの代わりにプラス・マイナスが決勝に行っていたらどんなに良かったことか。とすると本当に「ダメ~~」だったのは準決勝の審査のようだ。何よりトム・ブラウンの間の・を打つのが面倒臭い(プラス・マイナスは実力があるので許せる)。実力もないのにそんなところに修辞を加えるなと言いたい。もっと下げても良いのだが、79点としたのは敗者復活で彼らより面白くない漫才に78点をつけたため。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
87 90 93 97 89 91 86 633
巨人がYouTubeでネタを観ていたことが驚きだが、それはさておき、志らくは新しいものが好きで奇をてらったネタに高得点をつけるということが分かってきた。

 

 

 

霜降り明星「豪華客船」 94(94.3)
せいやの動きに粗品のワードが加わって笑いが増幅している。会場と一体となって漫才をしていてまるで1つのショーを観ているような感覚。その甲斐あってか会場のお客さんにも今大会で1番ハマっていた。彼らの漫才は前から知っていたが、去年からの上達が著しく、よくぞこのレベルまで1年で仕上げてきた。凄いぜ味噌汁大臣。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
93 96 98 93 91 94 97 662
97や98は少々やり過ぎ感はあるがそれだけ会場に合っていたということだろう。

 

 

 

和牛「ゾンビ」 94(94.6)
前半は笑いが少なく途中までこっちがドキドキした。あれ、大丈夫かなと思ったがさすがは和牛。そこからの盛り上がりはピカイチである。富澤も言っていたが和牛の見せたいように観てしまった。欲を言えば前半にもう少し笑いがないとこっちが心配になります。


【審査員採点】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
92 94 94 93 92 93 98 656
文句なしでしょう。

 

 

 

 


志らくと上沼の点数を抜いても順位に差し支えはないようなので上位3組に異論を唱える人はいないだろう。というか優勝者に文句があっても上位3組に文句があることはあまりない。

 

 

 

 


ジャルジャルジャルジャルです」 90
まあしょうがない。ジャルジャルは1本目で燃え尽きた。その結果やりたいものをやったのだろう。ジャルジャルにとっては1本目が高評価でもう満足だったのだ。

 

和牛「オレオレ詐欺」 94(94.7)
構成が素晴らしい。女性に憑依した川西が水田の屁理屈に振り回されるという和牛らしい漫才。最後睨み合うだけで笑いがとれるのは凄い。完成度は高いのだがこれで優勝できないのが和牛なのだ……。

 

霜降り明星「小学校の思い出」 94(94.8)
スタイルや展開、ボケの方向性はほぼ1本目と同じだが、個人的には2本目の方が面白く感じた{なんとなく(なんとなく)}。このタイプのネタはボケを組み合わせれば良いので後から面白く加工しやすいという強みがある。恐らく何年かやってきてウケたボケを集めて披露したのだろう。

 

 

 

 


最後決戦のネタを見終わった私の感想としては(そういえば賞レースをリアルタイムで観たのは何年ぶりだろうか)、和牛と霜降りで競るだろうなとは思ったがやはり優勝は和牛だと思う。巨人と松本と上沼は和牛に入れ、志らく霜降りに入れるだろうなと感じた。礼二塙富澤の誰かが和牛に入れてくれれば優勝はあると思っていた。そして下の結果である。

【最終審査結果】
巨人礼二塙志らく富澤松本上沼
 霜 霜   霜 霜   和 和 和
 降 降   降 降   牛 牛 牛
 り り   り り
 明 明   明 明
 星 星   星 星

……おい!巨人!!裏切ったな!!
失礼。巨人が和牛に入れると思ったのは私の主観なので巨人に非はない。しかし巨人は和牛に入れると思ったんだけどな……霜降りの優勝は去年のとろサーモンよりは許せるが和牛また負けたか……1票差……巨人は和牛に入れると思ったんだけどな……(3回目)。もし志らくの枠が今年も大吉先生だったら和牛は優勝していただろう。

 

 

 

☆結論☆
来年和牛が優勝するのはかなり難しくなってくる。飽きられたりパターンが読まれたりすると勝つのは厳しくなるからだ。いっそのこともう一度デート漫才をやってみたらどうだろうか。水田のちょっとバカな男と川西の女性への憑依の組み合わせが一番しっくりくる気がする。和牛は3割20本90打点ぐらいを毎年やっているのだが去年は2割4分40本120打点の復活したベテランに、今年は3割2分190安打50盗塁の期待の若手に負けてMVPを取れなかったという感じ。いま分かりにくく説明してます。あと志らくはもう審査員やらなくていいです。

 

 

 

以上でM-1グランプリ2018についての考察は終わりです。最後に私のお気に入りの芸人を書いて終わります。

三拍子
タイムマシーン3号
学天即

                  以上

 

 

 

 


~今だから言えること~
賞レースをリアルタイムで観たのは結局このときだけだった。今でもトム・ブラウンのこのネタへの評価は変わらないが、トム・ブラウン自体への評価はかなり甘くなったと思う。あとキンプリ売れたね。

 

 

 

 

 

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※広島カープの2018年日本シリーズ

【広島カープの2018年日本シリーズ

              (約6900字)
※過去記事

脱稿 2018年12月31日
公開 2022年9月7日

 

 

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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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 2016年秋、25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島東洋カープ日本シリーズで連勝スタートし、札幌に乗り込んだ。しかし、そこで短期決戦を熟知する日本ハムに押されて連敗。日本一はならなかった。その一年後、再びチャンスが訪れるもCSでDeNAにまさかの4連敗。またしても日本一とはならず。そして今年、2年ぶりに日本シリーズに進出。34年ぶりの日本一を目指した戦いが始まった。今年はセ・リーグもパ・リーグも超打高。なんだかんだで打てば勝てそうなので広島には有利。西武を倒して歓喜の瞬間へ…というのが当初の見立てだった。しかし対戦相手に決まったのはどこよりも日本シリーズを知り尽くしているソフトバンクだった。このときから運命の歯車は狂い出したのかもしれない。結局、広島は先勝するが4連敗というお決まりのパタ一ンで敗退。日本一はまたもお預けとなった。これは、その日本シリーズについてだらだらと書いた記事である。では覚えている範囲で書いていこうと思う。

 

 

 まず第1戦。広島は最高のスタートを切る。先発大瀬良が初回のソフトバンクの攻撃を3人で抑える完璧な立ち上がりを見せると、その裏に菊池のホームランで1点を先制。その後四球とヒットでチャンスを作ると松山がライトへタイムリーを放ち2点目。ソフトバンク相手に初回から2点を奪った。この調子で初戦突破といきたかったが現実はそう甘くない。広島打線はその後千賀に完璧に抑えられ、5回表に守備のミスから同点に追いつかれる。その後は両軍何度もチャンスを作ったが結局無得点。広島としては何としても取っておきたかった試合だった。逆にソフトバンクにとっては勝ちに等しい引き分けである。

 

 

 次に第2戦。この試合は終始広島のペースだったように思う。なかなかチャンスをものに出来ないソフトバンクに対して広島はチャンスで走者を返すことができた。とてもシンプルなことだが単純なことを確実にできたからこその勝利であった。勝ったから基本的に書くことはあまりない、というか出かけてて中盤から見てない。

 

 

 そして第3戦。序盤の攻防を見て乱打戦になると誰が予想しただろうか。敗北はしたものの、広島はこの試合脅威の追い上げを見せた。6点を追う8回、先頭の鈴木がこの日2本目のホームランを放つ。その後2本のヒットと四球で満塁とし、安部のこの日2本目のホームランで1点差まで追い上げる。そして9回にも二死一・三塁と一打同点のチャンスを作った。しかしこの場面は初球を打ってファーストゴロで試合終了。もしここがマツダスタジアムで相手がセ・リーグなら確実に逆転していたと思う。この試合の収穫を挙げるとすればソフトバンクに勝ちパターンの投手を使わせたことである。2年前の日本シリーズで広島は勝ちパターンの投手を5連投6連投させた結果、試合終盤に逆転されるという失態を犯している(まあ終盤まで同点もしくは1点差の試合ばかりだったのでしょうがないといえばしょうがない)。一時は6点差をつけておきながら最終的には守護神の森まで出す羽目になったソフトバンクと敗れたが中﨑とフランスアを温存できた広島。この両者の差が後々効いてくると思っていた。この時までは。しかしシーズン中から何度も小刻みに投げさせているソフトバンクにとってそれは大したことではなかったようだ。後で考えてみると、両チームの力の差は初戦を勝ちきれなかった広島と第3戦をなんとか勝ちきったソフトバンクという形で既に表れていたのだ。この試合で一つだけ言わせてもらうと高谷のホームランが一番意味が分からなかった。シーズンのホームラン1本のバッターに打たれてどうする。あれさえなければ勝っていたかもしれないのに……。

 

 

 さらに第4戦。広島は初回、菊池がレフトへヒットを放つと続く丸のセンターの頭上を超えるヒットで菊池が激走して本塁へ。普通なら先制点だ。しかしこのときのソフトバンクは凄かった。クッションボールを処理した柳田や、明石の中継プレーと送球、タッチした甲斐の動きには全く無駄がなく、菊池はタッチアウトになった。一瞬でもどこかがもたつけば失点は免れなかっただろう。それぐらい大きく、この試合の流れを決めてしまうようなプレーだった。あの当たりで本塁へ突入させるのは決して間違いではないので、広島を責めるよりも、ここぞというときに完璧な守備を見せたソフトバンクをここは褒めるべきだろう。これも後々分かってくることだが、今年の日本シリーズは守備が試合の流れを決めたように思う。そして広島は守備でミスを犯す。2点を追う6回、広島は一死一・三塁のピンチを招き、代打長谷川にセンター前へ抜けるタイムリーを浴びる。ここで私が気になったのがこのときの田中と菊池の動きである。途中までは打球を追いかけているのだが、打球の手前でお互いに速度を緩め、半ばお見合いのような形になり、打球はセンター前へ抜けた。この打球を取れというのは難しいと思うのだが、タナキクのお見合いによって抜けたのではないかと思うと勿体ないように思えてならない。勿論記録上はヒットである。しかしそこには記録には残らないミスがあった。ただでさえ試合はソフトバンク優勢だったのにもかかわらず、広島のミスによって完全に流れは決まってしまった。流れを失った広島に3点差を追いつくことはできず敗戦。ちなみに、だいたいこの試合ぐらいからもう盗塁はしなくていいと思うようになってくる。

 

 

 続く第5戦。ここまでは先制点を取ったチームが最終的に勝っているので両者何としてでも先制点が欲しかった。広島はここで勝ったら本拠地に向けて弾みがつくし、ソフトバンクは勝つと王手をかけて敵地へ乗り込める。両チームとも絶対に落とせない一戦である。先制したのは広島だった。二死一・三塁から會澤がセンター前へタイムリーを放った。なおも二死一・二塁で追加点のチャンス。次打者の野間の当たりはライトへのヒット。誰もがこれで2点目だと思った。しかしソフトバンクは今回も全く無駄のない守備を見せて走者を本塁で刺し、これ以上の失点を防いだ。点を取ったのは広島だが流れを引き寄せたのはソフトバンクだった。4回に2-1と逆転され、このままズルズルいくかと思ったが5回にかすかな希望が見えた。広島は二死二塁のチャンスを作り、迎えるバッターは日本シリーズ打率1割の丸。ここでソフトバンクは千賀からモイネロに投手交代。丸は自分のスイングができていなかったうえにほぼ初見の左投手との対戦だったので、正直に言って私もあまり期待していなかった。しかし丸はモイネロの高めの速球を捉えてライトへの逆転2ランとした。この一発で流れは完全に広島のものとなり、今日は勝てるのではという希望が見えた。しかしその希望もわずか数分後には無くなる。広島は連打と送りバントで一死二・三塁のピンチを招き、大瀬良からヘルウェグにスイッチ。私はこの継投には嫌な予感しかしなかった。というのも、はっきり言ってヘルウェグより大瀬良の方が格段に信頼できるし、何より直前にソフトバンクが先発の千賀を下ろして継投に入った瞬間に広島が逆転しているからだ。予感は的中し、グラシアルにデッドボールを与え、柳田の投ゴロの間に同点とされてしまう。もし大瀬良が続投していれば、タイムリーを打たれた可能性は否定できないが、デッドボールを与えるようなことはなかっただろうし、柳田の投ゴロの処理にもたついて失点するようなこともなかっただろう。緒方監督が積極的になりすぎたがゆえの継投ミスだった。そして6回表、広島は會澤のソロホームランでまたもリードを奪う。これが試合を決めるホームラン……にはならなかった。7回裏、フランスアが明石にホームランを浴びて同点とされた。広島お決まりの「伏兵に一発を浴びる現象」である。誰も予想しなかったであろう展開で試合は終盤へ。9回表、10回表と広島はチャンスを作るも好守に阻まれるなどして無得点。一方ソフトバンクも9回に一打サヨナラの好機を迎えたがフランスアと中崎が踏ん張り試合を決めることはできなかった。そして運命の10回裏を迎える。先頭の柳田が2球目の甘い球を振り抜いた。完璧に捉えた打球はライトスタンドへ一直線。サヨナラホームランとなった。後で発覚したがこのとき柳田のバットは折れていたらしい。バットが折れるのは普通は打ち取ったときなのでこの場合は投手の勝ちであるが、バットを折られながら完璧にスタンドへ運んだ柳田は見事である。広島はこの打席まで柳田を完全に封じていたが、この場面でヒットを放ち、しかもそれがホームランというのはさすがというほかはない。(余談だが、日米野球第1戦で柳田は9回にサヨナラホームランを放っているが味方になった柳田はこんなにも心強いものかとそのとき思った、と同時に、この日本シリーズでのサヨナラホームランへの私の悔しさは諦めへと変わった) 結局広島は福岡で一つも勝てずに広島へ帰ることになった。1戦でも取っていれば結果は変わったかもしれない。第3戦と第5戦は勝ちきっておきたかったとつくづく思いながら過ごした私であった。

 

 

 後がない第6戦。本拠地へ帰ってきた。ここまで広島1勝のソフトバンク3勝で引き分けが1つ。第6戦~第8戦はマツダスタジアムで行われるため、1試合を単体で考えれば広島は有利。そのためには第6戦を勝利し、連敗の流れを止めたいところである。しかし先発ジョンソンが初回から少しミスもあり一死一・二塁のピンチを背負う。完全に1点は覚悟したがジョンソンは踏ん張り無得点。流れは広島に来ている。1回裏に先制できれば試合の主導権を握ることができる。しかしそううまくはいかないのが野球の世界である。先頭の田中がヒットで出塁し次打者の菊池は送りバントの構え。走者を得点圏に送ってクリーンアップへと繋ぐ場面であるが、シーズン犠打成功率100%の菊池が送りバントを失敗。雲行きが怪しくなった。続く丸の打席で田中が懲りずに盗塁を仕掛けると今回はついにセーフの判定。スタンドが湧いたがリクエストの結果アウトに。広島が流れをつかむことはできなかった。その後ソフトバンクは4回に1点を先制。5回にもグラシアルが見逃せばボールのような低めの球を打ってホームランにし1点を加えた。それに対して広島はバンデンハークの前に三振に次ぐ三振。完全に抑えられてしまう。途中からバンデンハークが156km/hとか157km/hとか出してきたのは笑った。先発の球速じゃない。あんな球打てるか。広島の次の抵抗は8回裏だろうか。代打の小窪が8球粘ってフォアボールをもぎ取る。ここで次打者は左の田中という場面だが、ソフトバンクは左の嘉弥真にスイッチ。外角低めに完璧に投げ込まれて田中は三振。ありゃ打てん。9回裏の広島最後の攻撃。何としてでもチャンスを作りたいところだが、菊池・丸があっけなく凡退。二死走者なしで鈴木を迎える。8球粘ったが最後はサードゴロに倒れた。広島の今シーズンは終わった。個人的には菊池と丸が出塁し繋いで1点返して一死満塁で新井がサヨナラ打かゲッツーという場面が見たかった(どうでもいい)。

 

 

 以上が振り返りである。
 

 

 


 ではここからは敗因を色々とまとめていこう。まずはソフトバンクの中継ぎ投手だ。日本シリーズ前までは広島と互角と思われていた(というか思ってた)のだが、様々な差があった。まず広島の中継ぎといえば中﨑・フランスア・一岡がメインで、それに次ぐのが今村・ジャクソン・ヘルウェグ(+アドゥワ・中田廉)といった感じである。一方ソフトバンクは岩嵜とサファテが不在だが森・加治屋・高橋礼・嘉弥真・モイネロ・武田と駒が揃う。ここで私が言いたいのはバリエーションである。もっと言えば投手のタイプの違いだ。森は速球とナックルカーブ持ちで加治屋はフォークを使い高橋や嘉弥真は変則ピッチャーと多彩なのだ。投手が降板しようものなら次は全く違うタイプが出てくる。さらに短期決戦で監督が工藤となれば、決め球を持ちそこそこの投球をする投手を惜しみなくつぎ込んでくるのだ。これがソフトバンクの投手を打てそうで打てない理由であるように思う。

 

 次は甲斐キャノンについて。6連続で盗塁を刺して一躍話題になったがはっきり言おう。半分は甲斐の実力だが半分はマグレと広島の戦略ミスによるものだ。それにはエンドランが関係している。広島の盗塁には明らかにアウトになるものがいくつかあった。それが恐らくこれだ。相手がセ・リーグなら成功したものもあっただろうが、相手が悪かった。ソフトバンクの投手相手だとまずバットに当たらないのだ。当然のことだが、エンドランはバットに当てなければただのランである。エンドランを狙った結果悉く三振ゲッツーになってしまったのだ。その一方でシンプルに刺された盗塁もある。甲斐の武器が強肩であることは言うまでもないが、それ以上の強みが送球の仕方とそのコントロールである。私も流石に甲斐の肩の強さは知っていたが、あれほどコントロールが良いとは思っていなかった。というかあのときの甲斐はゾーンにでも入っていたかのように神懸かっていた。絶対に二塁ベースの右側の低いところに投げ込み、左側に投げたり高めに投げたりしなかった。どのピッチャーよりもコントロールが良かった。(ちなみに他にゾーンに入っていたと思われる例にWBC準決勝での菊池のホームランがある)。一方広島についてだが、何故あそこまで盗塁にこだわったのか疑問だ。もう走るなと第3戦辺りから広島ファン全員が思った。走れば投手が走者に気を遣うし、投げミスも起こるかもしれないという広島首脳陣のコメントもあったが、投げミスに頼る盗塁なら尚更必要ない。一つ確認しておきたいのが、広島の武器は盗塁ではなく走塁だということだ。内野ゴロでも若手ベテラン外国人関係なく一塁へ全力で走る、ライト前ヒットで一塁走者が三塁を狙う、センター前ヒットで一塁から帰ってくる(野間に限るが)、などといった積極的な走塁のことである。広島は決して盗塁が上手いとは言えない(田中は盗塁は多いが失敗もそこそこ多く、野間は足の速さを盗塁に活かしきれていないなど)ので、ムキになって二塁めがけて特攻する必要はなかった。
 


 あと交流戦のときも思ったが、デスパイネに打たれ過ぎ。

 

 最後に(デスパイネのくだり終わりかよ)、広島野球ヘタ問題である。今回の日本シリーズは1勝4敗でソフトバンクに完敗した広島だが、データ上はそうでもない。

      広島 ソフトバンク
得点       20    23
安打       50    43
本塁打    8   7
チーム打率 .245 .215

上の表からも分かる通り、広島とソフトバンクの間に大きな差は無い。むしろ打ちあぐねていたのはソフトバンクの方だと見ることもできる。少ないチャンスをものにしたソフトバンクに対して、広島は決めきれなかった。ここにソフトバンクの野球の上手さ(巧さ)がある。

 

 

 では広島が日本シリーズを制して日本一になる方法はあるのだろうか。今後日本一になることはできるのだろうか。それは今年できなかった以上、同じく優勝できなかった和牛と一緒でかなり難しいと言える。日本ハムに呑み込まれた一昨年、主力3人を欠いた昨年とは違い、今年の広島は全てにおいてベストメンバーだった。来年からは嫌でも弱体化が進み、たとえ4連覇を達成してもその状態で日本一になれる可能性は低い。一方パ・リーグも今年は圧倒的な強さを誇るチームはなかった。来年はどこもある程度は立て直してくることが予想されるので広島の日本一の可能性はますます低くなる。今年が最後のチャンスだったように思う。

 

 そうは言っても、来年何かの間違いで日本一を掴み取る可能性はゼロではなく、2%、いや3%ぐらいはあるはずだ(ちなみに今年は50~60%ぐらいはあったと思う)。来年丸がいないのはこマルが、丸の弱点をマル裸にして、打たれようものなら頭をマルめるぐらいの覚悟を持ち、若手の台頭でマルく収まるようチーム一丸となって戦い、丸が目をマルくして固マルような感極マル優勝を目指す。そしてどうかいい加減日本一を達成してくださいませ(切実)。

 

 

 

~今だから言えること~
次に日本シリーズを戦えるのはいつになるんでしょうかね…。そもそもCSすら出れないしね…。

 

 

 

 

 

↓2019

 

tarahukutabeo.hatenablog.com

 

※賞レース講評簡易版

【賞レース講評簡易版】(約3700字)
※過去記事

脱稿 2018年11月
公開 2022年8月25日







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※過去記事は、そのときの私の感想を残しておくために、あえて原文のまま(誤植があれば直しますが)掲載します。そのため、今となっては不自然な表現や記述がある可能性もございます。例えば「最近の~」や「数年前の~」といった表現が出てきた場合、それは現在ではなく、記事を書いた時点での“最近”や“数年前”を指しています。
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この記事は、私が本格的に賞レースについての記事を書き始める前の

キングオブコント 2015・2016・2017・2018
M-1グランプリ  2015・2016
R-1ぐらんぷり   2018

について書いたものである。



これらに関しては、各ネタについて細かく書いたわけではないので、簡易版とも呼ぶべき内容である。残念ながら今さら改めて記事を書く気力は無いので、当時書いた簡易版の文章のままここに掲載する。当時の私は、KOC2015・M-12015・KOC2016・M-12016・KOC2017に関しては点数のみ、M-12017・R-12018に関しては一言コメントのみ、KOC2018に関しては軽く書くに留めている。

よってしばらくは点数のみでお送りします。










キングオブコント2015】

藤崎マーケット       90 88
ジャングルポケット     90 91
さらば青春の光       87
コロコロチキチキペッパーズ 94 92
うしろシティ        89
バンビーノ         91 95
ザ・ギース          87
ロッチ           96 84
アキナ           88
巨匠            85










M-1グランプリ2015】

メイプル超合金    88
馬鹿よ貴方は     86
スーパーマラドーナ  92
和牛         90
ジャルジャル     95 91
銀シャリ       94 92
ハライチ       91
タイムマシーン3号   96
トレンディエンジェル 93 93










キングオブコント2016】

しずる       90
ラブレターズ    88
かもめんたる    89 89
かまいたち     93 91
ななまがり     87
ジャングルポケット 94 95
だーりんず     85
タイムマシーン3号  90 90
ジグザグジギー   85
ライス       94 94










M-1グランプリ2016】

アキナ       89
カミナリ      92
相席スタート    87
銀シャリ      95 95
スリムクラブ    85
ハライチ      90
スーパーマラドーナ 93 95
さらば青春の光   88
和牛        93 95










キングオブコント2017】

わらふぢなるお   92
ジャングルポケット 93 93
かまいたち     94 93
アンガールズ    92 91
パーパー      85
さらば青春の光   93 92
にゃんこスター   93 91
アキナ       91
GAG少年楽団    84
ゾフィー      86










ここからは一言コメントが追加されます。





M-1グランプリ2017】

ゆにばーす 90
歴代のトップバッターの中で一番ウケていた。


カミナリ 92
自分たちの漫才のパターンがほとんど知られている中で去年を超えるものを出してきた。


とろサーモン 94
腹立つけど面白い。


スーパーマラドーナ 94
お決まりの形式のネタ。ただ“オネェがいた”という結末が少し弱かったか。


かまいたち 93
面白いけど途中からほぼ卍の話だった。あの卍トークはもう少し減らしても十分面白いとは思う。


マヂカルラブリー 86
ああいう感じは悪くないのだが、他が面白過ぎたせいで評価が下がったか。あと上沼恵美子は怒りすぎ。「好みじゃない」というのは仕方ないが、「よう決勝残ったなあ」とは絶対に言ってはならない。


さや香 90
決勝進出芸人の中で初めてネタを見たが、なかなか面白い。しかしもっと彼らなりの突き抜けがあってもいい。


ミキ 94
テンポが速すぎて少し聞き取りづらい箇所があったが強引に押していくのが何とも彼ららしい。


和牛 95
圧巻。後半の盛り上がりが凄かった。


ジャルジャル 93
今回のネタは好みが分かれる。私は好きだ。シンプル且つ誰も傷つけない笑いとでも言おうか。



とろサーモン(2本目) 94
ミキ(2本目) 94
和牛(2本目) 95










R-1ぐらんぷり2018】

ルシファー吉岡 45
大会の記念すべき1発目に持ってくるネタではない。これじゃあ突破出来なくても“しょうが”ない。


カニササレアヤコ 42
何かが違うというのが正直な感想。あの設定でいくならもう少し面白くないと。


おいでやす小田 60
今回の中では面白い方のネタだが、一人芸日本一を決める大会の決勝なのだから最低でも全員にこの位の質を要求したい。


おぐ 36
この時期に君の名はのパロディを持って来た上に「ハゲの名は」という名前。本当にセンスも毛も無い。


河邑ミク 35
どこかで見たような感じがするネタ。もう少し独創性が欲しい。


チョコレートプラネット 長田 88
誰が見ても今大会1番。何故これで敗退するのか。審査員はプロなのだからしっかりしてくれ。もっとリメイキッドしろ(?)。


ゆりやんレトリィバァ 71
初めは面白いがパターンがずっと一緒で、だんだんドラえもんのネタと黒柳徹子を混ぜた感じに聞こえてくる。


霜降り明星 せいや 48
このネタは3分では厳しいか。これをしつこく何時間もやられたら絶対に笑ってしまう。


濱田祐太郎 62
はっきり言ってネタではなくまだ体験談の領域なので、逆に言えばこれからどんどん面白くなる可能性がある。ただこのスタイルのネタに面白くなれというのも難しい話だが。


紺野ぶるま 39
悪くはないがやはりどこかで見たような感じ。


霜降り明星 粗品 83
前から気になっていてようやく決勝に来たなという感じ。フリップのセンスも良く、絶妙のところを突いている。


マツモトクラブ 50
だんだんと劣化しているようで残念。今回のネタは移動が多いぶん笑いの量が減ってしまったか。





おぐ(2本目) 30
予想通り。1本目を見た後にどうせ2本目は逆バージョンだろうと思ったがその通りだった。展開も1本目と同じ。4年前のR-1のネタを見てなかなか面白いことを考える人だと思ったが、どうやら思い違いだったようだ。


ゆりやんレトリィバァ(2本目) 24
やはり2本目に失速した。1本目でそこそこのネタを持ってくるのに、2本目は驚くほど低い質のネタを持ってくるのがゆりやんの特徴。毎年なぜか優勝候補に挙げられるゆりやんだが、私は1度もそう思ったことはない。


濱田祐太郎(2本目) 59
安定感はあるので他が自滅して優勝した。Cブロックにて彼に同情して評価をプラスしたとすればそれは全ての芸人に対する冒涜だ。私は目が見えるが今となってはこの結果には目をつぶるしかない。










次は軽く書いたものです。





キングオブコント2018】

やさしいズ 85
トップバッターだったが会場が暖まっておらず、彼らの雰囲気を作る前にネタが終わってしまいウケも悪くなった印象。


マヂカルラブリー 90
徐々に状況が分かっていき、「ここじゃなくない」で心をつかむ。ラストも秀逸。


ハナコ 91
犬の演技は悪くないしつまらないわけではないが優勝するほど面白いかと言われると少し悩む。


さらば青春の光 92
毎回非常に良い設定を持ってくる。ルール変更で2本目が見られなかったのが残念。今後ここでさらばを見ることはできないが、これからも頑張ってほしい。


だーりんず 87
店長に聞きに行っている間が少し長くなり間延びしてしまい勿体なかった。ただ前回よりは良かった。


チョコレートプラネット 96
ネタの構成としてはただ押し通すだけなのだが、様々な要素を織り交ぜることによって飽きさせないようにしている。


GAG 89
去年は何をしたいのか分からなかったが今年はワードも光っていて確実に去年よりも良かった。


わらふぢなるお 83
彼らは去年より遥かに悪かった。今年は全体的に笑いのポイントが少なくただ腹が立つだけ。これで勝ち上がったのが奇跡。


ロビンフット 91
年齢がテーマ。恋人に干支しか教えてもらっていないことを冷静にスルーすれば面白い。逆にそこで引っかかれば苦しいか。


ザ・ギース 90
見せ方としては悪くないのだが少し映像に頼りすぎてしまった感がある。出だしは良かっただけに残念。





ハナコ(2本目) 94
素直に面白かった。次はどうなっていくのかという期待感が常にあり、完全にハナコの世界にしている。ただ“ハナコ優勝!!”にうーん…と思ってしまう自分がいるのも事実なのでこれからの彼らに期待したい。


わらふぢなるお(2本目) 84
イライラ度が少なかったので1本目よりは評価高め。しかし去年と比べると劣っていることは言うまでもない。去年は良かったんだけどな……。


チョコレートプラネット(2本目) 88
意識高い系ということだがそれを審査員たちがしっかりと理解し面白いと感じたかどうかが問題(世代的な意味で)。結局小道具を見せただけになってしまった印象。この場面向きのネタではなかったかもしれない。










~今だから言えること~
昔の私の方が厳しいこと言ってるのに採点は甘いよね。







今後は

Carp  2018、2019、2020、2021
M-1   2018、2019、2020、2021
R-1    2019、2020、2021、2022
KOC     2019、2020、2021

これらの過去記事を順番に公開していきます。







↓M-12018
tarahukutabeo.hatenablog.com


↓R-12019
tarahukutabeo.hatenablog.com


↓KOC2019
tarahukutabeo.hatenablog.com

ラブライブ!アワード過去編

ラブライブ!アワード過去編】(約10000字)

公開 2022年8月11日







この記事はラブライブ!アワードの過去の分をまとめたものです。範囲は2015年から2020年まで。2014年以前は私がほとんど知らないため割愛いたします。





ラブライブアワードとは、ラブライブに関することを振り返りつつ、功績を称えて様々な賞を贈る式典です。賞の授与は全て私の独断で決めています。

調べた限りでは似たようなことをやっている人が誰もいなかったので、僭越ながら私がラブライブアワードを開催させていただいております。



ラブライブアワードでは、

今年の漢字
・MVP(+特別賞)
流行語大賞
・ビジュアル大賞
・楽曲大賞(+楽曲賞)
・演出賞
・大爆賞
・その他特別賞

の以上の賞を表彰しております。
ただ、私もすべての事件や発言を把握しているわけではないため、適当なものが見つかるまで空欄になっている場合もございます。







まずはそれぞれの賞について説明していきます。



今年の漢字
今年のラブライブ界を漢字一文字で表すというもので、清水寺で発表する本家の今年の漢字と方針は一緒です。



・MVP(+特別賞)
MVPはその年のラブライブ界の発展に最も貢献した人物に贈られる、ラブライブアワードで最も栄誉ある賞です。特別賞は短期的・集中的に目覚ましい活躍を見せた人物や、影のMVPやMVP投票2位相当のような存在をMVPとは別枠で称える賞です。



流行語大賞
文字の通り、ラブライブ界隈で最も流行した言葉に贈られる賞です。



・ビジュアル大賞
この賞はその年最もビジュアル的に印象に残ったもの、つまり見た目のインパクトですね。それが最も衝撃的だった“何度でも見たい面白場面”に贈られます。



・楽曲大賞(+楽曲賞)
楽曲賞は優れた楽曲の賞です。単にいい曲だから、という理由だけではなく、その曲の立ち位置・真新しさ・果たした役割なども考慮して選出しています。そして最も優れたものに楽曲大賞を贈ります。



・演出賞
演出賞は特に演出の素晴らしかった楽曲に贈る賞です。基本的にはライブやイベントで披露された曲が対象になるかと思われます。



・大爆賞
この1年間、ラブライブに関連することで最も笑った事柄に贈られます。



・その他特別賞
これらとは別に、その年にまつわる特別賞を贈ります。基本的にはTwitter賞になりますが、Twitter賞も含め特にふさわしい賞がない場合は、ここが空欄になる可能性もあります。代表としてTwitter賞を紹介しておきます。
Twitter
Twitterで最も注目を集めたことに贈られる賞です。





権威ある式典なら実際に表彰することが出来ますが、当アワードではそれが出来ないので、その代わりとして、受賞おめでとうの念を送ることにしております。もちろん実際に念を送ることは無理なので、念を送るという体で進めていきます。







以上でラブライブ!アワードの説明を終わります。
ここからはそれぞれの年の表彰を始めます。軽く解説もしますが、文章を一つ一つ書いていくと大変なので、メモ書きのような形で進めさせていただきます。特に2018年以前は、私の情報収集能力が乏しく情報環境も整っていなかったため、空欄が多くなっております。










〈2015年〉

主な出来事
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1月 μ's5thライブ
3月 μ'sが第9回声優アワード歌唱賞受賞
5月~8月 μ'sファンミ
6月 μ's劇場版公開
12月 μ's紅白歌合戦出場

2月 新企画「ラブライブ!サンシャイン!!」の予告
4月 企画の詳細発表、登場人物・名前・声優の発表
6月 グループ名がAqoursに決定
10月 「君のこころは輝いてるかい?」発売
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ラブライブがアニメ界に旋風を巻き起こした年。声優グループとしては異例の紅白出場を果たし、作品の聖地でもある秋葉原はμ's一色に。社会現象を巻き起こし、年間ヒットアーティストランキングではμ'sが8位に入りました。一方、ラブライブサンシャインがスタートしたのもこの年。グループ名も決まり、デビューシングルも発売して2代目としての活動が徐々に始まっていきます。





今年の漢字    「劇」
「劇」場版公開、「劇」動の1年



MVP       新田恵海
μ'sのリーダーということで。



特別賞      ???



流行語大賞    ラブライバー
本家の流行語大賞にもノミネート。



ビジュアル大賞  三森すずこのスノハレ
μ'sの特別番組?で全員で答えを揃えるアンケートのコーナーがあり、「ライブで1番盛り上がる曲といえば?」というお題が出される。誘導やヒントの甲斐あって他のメンバーがNo brand girlsと答える中、みもりん一人だけがスノーハレーションと回答。フリップを出す前の満面の笑みと出した後のキョトンとした顔、くっすんの全てを悟ったような表情(三森の隣にいるため恐らく出す前に回答が見えている)、そらまるの追い打ちなど全てが合わさって面白い。正確には2014年の年末特番での話なのだが、そこは許してほしい。



楽曲大賞     それは僕たちの奇跡
個人的にこの曲がきっかけなので。紅白でも披露したμ'sを代表する曲。



楽曲賞    僕たちはひとつの光
       君のこころは輝いてるかい?
μ's劇場版のラストの曲とAqoursの記念すべきデビュー曲が同時受賞。



演出賞      僕らは今のなかで
5thライブのアンコール。TVアニメの流れを汲む演出。



大爆賞      ???



社会現賞     ラブライブ!シリーズ
その他特別賞として、ラブライブシリーズ全体にこの賞を贈る。










〈2016年〉

主な出来事
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
3/31・4/1 μ's Finalライブ

1月 Aqours初の全員集合対外イベント
4月 2ndシングル「恋になりたいAQUARIUM」発売
7月 TVアニメ1期放送開始
12月 豊洲PITでのAqoursミニライブ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

2016年は何といってもμ'sのファイナルライブでしょう。ライブビューイングを含めると25万人以上を動員しました。μ'sはそれをもって活動を休止しましたが、それ以降はAqoursが牽引。2ndシングルリリースにTVアニメ放送開始など、一部の心無い声を跳ね返して順調に実績を積んでいきます。





今年の漢字    「最」
今が「最」高!!!、「最」大級に盛り上がった



MVP       μ's
μ'sとしての功績を考慮した結果、グループでの受賞となった。



特別賞      ???



流行語大賞    今が最高
2016年はこれでしょう。他の候補としては、μ'sic Forever、ニネンブゥリデスカ、未来ずら~、ダンスなう、など。



ビジュアル大賞  伊波黄金仮面
Aqours初期の生放送での一幕。お題にイラストで答え、回答が揃わなければ罰ゲームというコーナー。罰として用意された愉快な仮装グッズの中にその仮面があり、意外なフィット感と強すぎる目力によって、強烈な印象を残した。逢田さんの象の絵と悩んだがこちらを受賞とする。



楽曲大賞     僕たちはひとつの光
μ'sの集大成のような曲。Finalライブでもトリを飾った。



楽曲賞      SUNNY DAY SONG
         青空Jumping Heart
サニソンの「スクールアイドルみんなの歌」というコンセプトは唯一無二。Finalライブでは振り付けを教えてくれるコーナーもあったようなので、この年での受賞となった。青ジャンはTVアニメ1期のOP曲で、初期からAqoursのライブを支え、6thのWINDYSTAGEで記録が途切れるまでは皆勤賞だった。今ではカラオケで最も多く歌われたAqours曲でもあるらしい。



演出賞      Snow halation
ラストのサビでオレンジに光らせる演出が定着。ハロ星の3人衣装(劇場版では凛にしか衣装が用意されなかった)と、劇場版を再現した僕光の蓮の花も候補に上がった。



大爆賞      ハンバーグ事件
逢田さん史に残る事件。「ハンバーグを作った」とTwitterに投稿したが、実はスーパーで買った出来合いのハンバーグであることをメンバーにバラされる。
きん「その話本当にNGだと思ってた」
りか「本当にNGだよ!」
のやりとりが個人的に好き。



Twitter賞 お前を葬り去ってからな、、、、
逢田さんと高槻さんとのやり取り。返しの切れ味が抜群。










〈2017年〉

主な出来事
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2月 Aqours1stライブ
3月 Aqoursが第11回声優アワード歌唱賞受賞
4月 3rdシングル「HAPPY PARTY TRAIN」発売
6月 Aqours CLUBが誕生
8,9月 Aqours2ndライブツアー
10月 TVアニメ2期放送開始
11月~ Aqoursファンミ

3月 「スクフェスPerfect Dream Project(PDP) 」発表
6月 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会活動スタート
9月 東京ゲームショウにて虹ヶ咲キャスト発表
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この年から本格的にAqoursがメインとして活動することになります。1stライブ、2ndライブツアー、ファンミと公演が増加。ファンクラブ「Aqours CLUB」も発足し、これまではあまり焦点が当たることのなかったキャストにも注目が集まることに。また、虹ヶ咲の活動も始まります。新田・伊波両名が初共演した東京ゲームショウで担当キャストが発表されましたが、彼女たちが虹ヶ咲として日の目を見るのはもう少し先のことになります。





今年の漢字    「水」
Aqours躍進の年ということで「水」。“μ'sの次のグループ”ではなく、“Aqours”としてラブライブ!シリーズを背負う存在に。



MVP       伊波杏樹
Aqoursのリーダーとしての頑張りに敬意を表して。



特別賞      逢田梨香子
ピアノお疲れ様。



流行語大賞    じもあい
他の候補は、ヨーソロー、0から1へ、など



ビジュアル大賞  ???



楽曲大賞    WATER BLUE NEW WORLD
アニメAqoursの集大成のような曲。



楽曲賞      HAPPY PARTY TRAIN
         未来の僕らは知ってるよ
新たな旅の予感漂うHPTは2ndツアーの表題曲にもなったAqoursの3rdシングル。みら僕は2期のOPで、明るさの中にどこか切なさを感じさせる曲。この2曲が受賞となった。



演出賞    サンシャインぴっかぴか音頭
2ndライブにて。太鼓だけでなく、法被や団扇、うちっちー登場など演出がてんこ盛り。



大爆賞      ???



その他特別賞   ???










〈2018年〉

主な出来事
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1月 Abema特番で3世代キャスト集結
4月 函館ユニットカーニバル
6,7月 Aqours3rdライブツアー
7月 Aqours初の北米公演
9月 ラブライブ!三昧
9月~ ユニット対抗全国ツアー
11月 Aqours4thライブ
12月 Aqours紅白歌合戦出場

7月 AbemaTVウルトラゲームスイメージガール決定戦放送開始
10月 虹初の歌唱イベント「ODAIBA TOKIMEKIステージ」
11月 「TOKIMEKI Runners」リリース
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Aqoursはさらなるステージへ。3rdライブツアーに加えて、ユニットで全国を回るファンミーティングツアーも行いました。さらにこの年、μ'sが成し遂げた東京ドーム公演と紅白出場も達成。また、虹ヶ咲も1stアルバムをリリースしました。





今年の漢字    「輝」
東京ドーム公演に紅白とAqoursが最も輝いていた年



MVP       伊波杏樹
2年連続の受賞。あれだけバク転で体を張ってくれたらあげるしかない。



特別賞      Saint Snow
高いパフォーマンス力でライブを盛り上げた。



流行語大賞    カトタツ
この年はあまり良いのがなかった。個人的に選ぶなら。



ビジュアル大賞  待ってて愛のうた事件
「待ってて愛のうた」の曲中、にゃーがあんちゃんの頬にキスした事件。リハーサルではする“ふり”だったが、本人曰く「絶対してやろうと思ってた」らしく本番では実行した。「そこに杏樹がいたから」という迷言も。



楽曲大賞     キセキヒカル
劇伴が楽曲になるという初の展開。なんか聞いたことあるメロディーだな→アレだ!の興奮は衝撃的で今でも覚えている。



楽曲賞      Thank you, FRIENDS!!
東京ドーム公演のメイン曲。Aqoursのこれまでを振り返り感謝を伝える曲となっている。



演出賞      想いよひとつになれ
4thライブにてついに9人で披露。



大爆賞      AbemaTVウルトラゲームスイメージガール決定戦
虹ヶ咲メンバーがAbemaでやってたイメージガール決定戦が全編を通して受賞。再配信をやっていたときに全部見た。「もうこのぉアイドルグループは終わりだっ!」「童心っていうかまだ子供だもんね!」などのあぐぽんの発言も一部の間で話題に。



その他特別賞   ???










〈2019年〉

主な出来事
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1月 ラブライブサンシャイン劇場版公開
3,4月 Aqoursアジアツアー
5月 ラブライブ!シリーズ9周年発表会
6月 シリーズの総合マガジンが刊行開始
6月 Aqours5thライブ
7月 昨年に引き続きAqours北米公演を開催
7月 「ラブライブ!シリーズのオールナイトニッポンGOLD」放送開始
9月 スクスタリリース
10月 ラブライブ!三昧2

3月 校内マッチングフェスティバル
10月 「Love U my friends」リリース
12月 虹ヶ咲1stライブ
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劇場版で幕を開けた2019年は、大きく変化した年でもあります。9周年プロジェクトが発足し、ラジオや雑誌が新たにスタート。μ'sメンバーのメディア露出も増え、“ラブライブファミリー”のような雰囲気に。虹ヶ咲がメインとなる新アプリも延期を重ねてようやくリリースされ、12月にはついに1stライブを開催しました。





今年の漢字    「虹」
ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」、Aqours5thのアンコールの虹、虹ヶ咲の活動



MVP       大西亜玖璃
周りに支えられるリーダーから真のリーダーに。



特別賞      高槻かなこ
総選挙で担当キャラである花丸がセンターを勝ち取る。ラブライブ三昧2のMCも務めた。



流行語大賞    スクスタ
不名誉な意味でもあるが。他には三角フラスコ、ハンバーグハンター、梨子ちゃんレーザービーム、逢田さん、など。逢田さんが(出てなくても)トレンド入りするようになったのもこの頃から。



ビジュアル大賞  逢田馬
逢田さん史上最大級の事件。生放送の企画で2年生組が2択のアンケートに挑戦。回答が分かれた場合は少数意見だった人に罰ゲームというルールで行われたのだが、その罰というのが、独特な仮装。ハロウィンの時期だったため、様々な帽子や被り物が用意されていた。
最初の問題から2-1で分かれ、少数意見だった逢田さんに罰が執行。そこで選ばれたのが馬の被り物だった。その後もあんしゅかコンビの連携を喰らい、逢田さんだけ一致しないという展開が続いた。最終的に6問中4問が合わず、罰を受けたのは逢田さんのみという結果に。
その間逢田さんは馬を被った状態で梨子ちゃんビームを放ったり、馬の口を広げて覗き見たり水を飲んだりなどとやりたい放題。あんしゅか&スタッフ&視聴者の腹筋を崩壊させる伝説の回となった。



楽曲大賞     未体験HORIZON
新しい未体験の世界へ進む楽曲。



楽曲賞      冒険Type A,B,C!!
         Love U my friends



演出賞      Next SPARKLING!!
Aqours5thアンコールでの虹。公式の演出ではなく、有志の団体によるものである。徐々にドーム全体に広がっていった虹がネクスパの曲前ぐらいのタイミングで完成したということらしいので、この曲を受賞とする。



大爆賞      逢田馬
あまりに衝撃的だったため初の二冠達成。



Twitter賞   逢田梨香子の暴走と既読無視
逢田さんが自身のラジオの告知ツイートで、放送を暴走と誤字。きゃんしゅかがそれに反応するも「それはいいから誰かグループラインの返事してよ!全員既読無視ってどういうことよ!」と、AqoursLINEグループでの既読無視の件へと飛躍。
他にはまゆちの「もう寒すぎて服着ないと寝れない」に対するあぐぽんの「いつも着てください」も。



9周年賞       シリーズ9周年記念PV
5月のラブライブ!シリーズ9周年発表会で初公開された映像。9周年ということで、その他特別賞に加えて、その他特別賞特別賞を設けた。










〈2020年〉

主な出来事
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1月 ラブライブ!フェス
2月 GuiltyKiss1stライブ、CYaRon!1stライブ
3月 新プロジェクトの一般公募オーディション開始
5月 高咲侑命名
5月 新プロジェクトのキャラクター・スタッフ発表
7月 ↑の名称が「ラブライブ!スーパースター!!」であることが発表
8月 三船栞子が加入
9月 虹ヶ咲2ndライブ
9月 グループ名がLiella!に決定
10月 虹ヶ咲TVアニメ1期放送開始
10月 LOST WORLD
10,11月 Saint Snow1stGIG
12月 μ'sリリースイベント
12月~ Aqours5周年展示会
12月 WHITE ISLAND
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1月に9周年を締めくくるラブライブ!フェスを開催し、Aqours、虹ヶ咲、さらに新プロジェクトとシリーズ全体でのさらなる飛躍が期待されましたが、コロナ禍で世界が大きく変わってしまいます。ライブは開催できず、生放送の延期もあり、3次元の供給が減少。それでもなんとかAqours、虹ヶ咲ともにオンラインでの無観客ライブを行い、Aqoursは初の年越しライブを開催。虹ヶ咲にとって念願のTVアニメが放送されたのもこの年です。





今年の漢字    「九」
「九」周年を締めくくるラブライブフェス。9周年自体は2019年だが、コロナ禍での「苦」の意味も込めて。他には侑か友も候補に上がった。



MVP       伊波杏樹
ラブライブフェスではただの一ファンに。ここまでシリーズを引っ張ってくれたことへの感謝も含め選出。Aqoursがいなければ再びμ'sが揃うことはなかっただろう。2年ぶり3度目の受賞。



特別賞      矢野妃菜喜
発表から僅か数ヶ月で完全に虹ヶ咲に溶け込む。初期から居たかのような見事なフィット感。ラブライブフェスでA-RISEの名前を出してくれた田野アサミさんにもあげたい。



流行語大賞    ヒトリダケナンテエラベナイヨー
虹ヶ咲アニメの各話振り返り生放送での矢野妃菜喜さんの発言。挿入歌シングル第1弾がキャラごとに全3形態でのリリースとなり、「好きなメンバーのCDを購入するのももちろんいいのですが…」というフリに対しての返しで、「という方に朗報です!」へと繋がるのだが、「ヒトリダケナンテエラベナイヨー」の言い方がクセになる絶妙な叫び方で、強烈なインパクトを残した。しかも挿入歌シングルは同様の形態で第2弾、第3弾とあったため、それ以降も毎回この台詞を叫ぶこととなり、虹ヶ咲の定番の流れとなった。他にはラブライブフェス、LOST WORLD、アニガサキ、シャゼリアキッスなどがあった。



ビジュアル大賞  ???



楽曲大賞     無敵級*ビリーバー
楽曲もさることながら、PVにも注目したい。このPVで初めてアニメ絵で動く虹ヶ咲メンバーが公開された。虹ヶ咲がTVアニメ化されるにあたって、絵柄があっさりしたものに変更され、どこか安っぽい印象を受けたため、個人的にはなかなか受け入れにくいものだった。そんな中、この曲のPVを見て、「意外と動くと違和感ないな」と感じることができた。不安だったアニメ絵にも希望が持てたという点を評価し、受賞。



楽曲賞      未来の僕らは知ってるよ
またまたラブライブフェスの話。今までで一番心に染みる“I live! I live lovelive days!”だった。個人的にねじ込んだ。



演出賞    君のこころは輝いてるかい?
君ここの冒頭、カメラがメンバーの中に入ってぐるりと一周するのは、配信ライブを逆手にとった見事なカメラワーク。



大爆賞      逢田さんの連帯責任
バンナムフェスのネット番組での出来事。2人ペアで太鼓の達人を行い優勝者を決めるという企画があり、ラブライブサンシャインからGuiltyKissが参戦。きゃんとにゃーの力で勝ち進み、決勝戦で逢田さんが満を持して登場。しかし、やはり逢田さんはド下手で、同時にプレイしたきゃんの3分の1以下の得点を叩き出し、GuiltyKissは優勝を逃すという案の定すぎる展開に。その後のインタビューで、自分が戦犯にもかかわらず、「連帯責任なんで」とお前が言うな的なコメントを残し、しっかりと傷跡(爪痕ではない)を残した逢田さん。隠し球的で秘密兵器的な出方をしたが、ある意味兵器だった。



コロナ禍賞   LOST WORLDのやけくそOP
新型コロナの影響でAZALEA1st、PERFECT WORLD、ドームツアーが全て中止となってしまい、それを自虐するような開き直ったオープニング映像。
ちなみに、もしTwitter賞を選ぶなら、確か1月ぐらいの「カレーを勧められる逢田さん」が個人的にツボ。










結構時間がかかってしまった。
これ以上詳しく書くととんでもない文字数になるので、この辺が丁度良い塩梅ではないかと。
最後に、先に公開していた2021年のも加えた上で一覧にして、この記事を終えたいと思う。





〈2015年〉
今年の漢字    「劇」
MVP       新田恵海
特別賞      ???
流行語大賞    ラブライバー
ビジュアル大賞  三森すずこのスノハレ
楽曲大賞     それは僕たちの奇跡
楽曲賞    僕たちはひとつの光
楽曲賞    君のこころは輝いてるかい?
演出賞      僕らは今のなかで
大爆賞      ???
社会現賞     ラブライブ!シリーズ



〈2016年〉
今年の漢字    「最」
MVP       μ's
特別賞      ???
流行語大賞    今が最高
ビジュアル大賞  伊波黄金仮面
楽曲大賞     僕たちはひとつの光
楽曲賞      SUNNY DAY SONG
楽曲賞      青空Jumping Heart
演出賞      Snow halation
大爆賞      ハンバーグ事件
Twitter賞 お前を葬り去ってからな、、、、



〈2017年〉
今年の漢字    「水」
MVP       伊波杏樹
特別賞      逢田梨香子
流行語大賞    じもあい
ビジュアル大賞  ???
楽曲大賞    WATER BLUE NEW WORLD
楽曲賞      HAPPY PARTY TRAIN
楽曲賞      未来の僕らは知ってるよ
演出賞    サンシャインぴっかぴか音頭
大爆賞      ???
その他特別賞   ???



〈2018年〉
今年の漢字    「輝」
MVP       伊波杏樹
特別賞      Saint Snow
流行語大賞    カトタツ
ビジュアル大賞  待ってて愛のうた事件
楽曲大賞     キセキヒカル
楽曲賞      Thank you, FRIENDS!!
演出賞      想いよひとつになれ
大爆賞      AbemaTVウルトラゲームスイメージガール決定戦
その他特別賞   ???



〈2019年〉
今年の漢字    「虹」
MVP       大西亜玖璃
特別賞      高槻かなこ
流行語大賞    スクスタ
ビジュアル大賞  逢田馬
楽曲大賞     未体験HORIZON
楽曲賞      冒険Type A,B,C!!
楽曲賞      Love U my friends
演出賞      Next SPARKLING!!
大爆賞      逢田馬
Twitter賞   逢田梨香子の暴走と既読無視
9周年賞      シリーズ9周年記念PV



〈2020年〉
今年の漢字    「九」
MVP       伊波杏樹
特別賞      矢野妃菜喜
流行語大賞    ヒトリダケナンテエラベナイヨー
ビジュアル大賞  ???
楽曲大賞     無敵級*ビリーバー
楽曲賞      未来の僕らは知ってるよ
演出賞    君のこころは輝いてるかい?
大爆賞      逢田さんの連帯責任
コロナ禍賞   LOST WORLDのやけくそOP



〈2021年〉
今年の漢字    「星」
MVP       伊達さゆり
特別賞      降幡愛
流行語大賞    おそろっち
ビジュアル大賞  伊達すずめ(・8・)
楽曲大賞     DREAMY COLOR
楽曲賞      始まりは君の空
演出賞      私のSymphony
大爆賞      今年も自由な逢田さん
Twitter賞     iPhoneシャワー







↓2021
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